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編集部

歯磨き粉【愛用美容アイテム】

「本郷もかねやすまでは江戸のうち」江戸後期の川柳
カルノブログNo.007「はは大事003」
六月テーマ「美容健康」
「歯は白くハグキピンクに吐息は甘く」第3弾!
歯ブラシ補助グッズ、シメは歯磨き粉(ペースト)について。
冒頭の川柳に出てくる「かねやす」とは江戸時代享保年間(1716年頃)、
乳香散なる歯磨き粉を売り出して繁盛した店です。
何年も前、現在の「かねやす」に行きました。
「あのう、歯磨き粉ありますか?」
「今はございません」とのこと。
かねやすの「乳香散」や平賀源内がコピーを書いた「漱石香」など、
日本における初期の歯磨き粉主成分は研磨剤です。
目的は歯の表面についた外来色素(ステイン)除去、
すなわち歯を白くすること。
当時、砂糖は高価ゆえ庶民の口にはあまり入らず
ムシ歯は少なかったと思われます。
このためムシ歯予防よりも着色除去が目的でした。
戦後平成令和と変遷する中で歯磨き粉の成分も変わってきました。
現在多くの歯磨き粉には、研磨剤ゼロもしくは少ししか入っていません。
(研磨剤が多いと歯を傷つけてしまうからです)
今の歯磨き粉の効能は大きくふたつ、
ムシ歯予防と歯周病予防です。
砂糖が口に入ると歯の表面において、ムシ歯菌によって主に砂糖をエサにして
ネバネバした水に溶けにくい「グルカン」という物質が作られます。
これに様々な細菌が繁殖してムシ歯や歯周病を引き起こす
「バイオフィルム」と呼ばれるヌルヌルした細菌の塊を形成します。
グルカンもバイオフィルムも不溶性、つまり水に溶けにくいものなんです。
ということは、はっきり言って歯の汚れ(バイオフィルム)を落とすには
歯磨き粉(ペースト)の効果はほぼないんです、実は。
あくまでも物理的除去、
歯ブラシによって取り除くしかバイオフィルムを除去できません。
食器についた油汚れを落とす食器用洗剤使用とは意味が異なります。
繰り返し言います、歯磨き粉には汚れを落とす効果はほぼゼロです。
今の歯磨き粉に含まれる価値ある成分は
1)フッ化物:歯の表面を強くします。
2)炎症を抑える成分:歯周病に対する効果あり。
3)殺菌目的の成分:細菌数を減らす(歯周病予防)。
カルノお勧め磨きは、
1)水で十分に力強くブクブクうがいをします。
2)歯ブラシに何もつけずに唾液で磨きます。
自分の唾液ですので飲み込んでも構いません。
この唾液磨きであれば、洗面所に立つ必要はなく
テーブル、デスク、ベッドなど、どこでも歯磨き可能です。
3)うがい、歯磨きが終わったら歯磨き粉(ペースト)を大豆大歯ブラシにつけて、
磨くというより歯に塗るような気持ちでブラシを動かします。
4)液体歯磨きであれば、うがい、唾液磨きの後に、口に含んでブクブクうがいをします。
5)老婆心ながら一点注意。ハンドクリームを塗った後にすぐ手を洗わないのと同じく、
歯磨きペーストや液体歯磨きを吐き出した後は水うがいしない方が効果的です。
このライオン「システマSP-Tジェル」は効きます!
歯周病の方には超オススメ、歯ぐきの炎症に対して効果あります。
この液体歯磨き「コンクールF」は殺菌作用大です。

歯の表面のステイン(外来色素:コーヒーや赤ワインによる着色、茶しぶなど)除去には研磨剤入りの歯磨き粉が有効です。
使い過ぎには要注意、歯の表面を傷つけてしまうことがあります。

むかし、歯磨きについて「333:サンサンサン」と言っていました。
「日に3回(三度の食後)、食後3分以内に、3分間磨きましょう」とのこと、
今では推奨されていません(理由はいろいろあります)。
ここでおさらい、皆さんは「何のために」磨きますか?
1)ムシ歯予防・歯周病予防のため
2)歯を白くしたいから、白い歯を維持したいから
3)親に言われてきたから、習慣で、惰性で
目的によって歯磨きの方法は異なります。
1)多くの方は「予防」がメインだと思います。
予防目的なら歯ブラシでバイオフィルムを物理的に除去するしかありません。
2)研磨剤の入った歯磨き粉使用で、おおかたのステイン除去は可能です。
歯そのものを白くしたいのであれば「ホワイトニング(歯牙漂白)」が必要で、
歯磨き粉で歯牙漂白はできません。
3)習慣や惰性で磨いていてもムシ歯や歯周病になるでしょう。
プロ(歯科医師・歯科衛生士)によるプロケアも合わせてお勧めします。

予防にはバイオフィルム除去が必要です。
繰り返しますが、歯ブラシで物理的に除去するしか方法はありません。
歯磨き粉使用で汚れ(バイオフィルム)はとれません。
ただし逆に考えると、食後すぐにバイオフィルムが必ず作られるわけではないで、
磨く必要がない場合もあります。
1)全く砂糖の入っていない食事・食物・飲料であれば、ムシ歯菌のエサとなる砂糖がないのでグルカンやバイオフィルムは形成されません。
ただし、多くの食事・食物に砂糖が入っているために歯磨きが必要となるのです。
2)食後のカレー皿をイメージしてください。すぐに洗うことができない場合、さっと水洗い(素洗い)しておくだけで後の皿洗いが楽になります。歯も同じです、外食時など食後にはまず「うがい」をお勧めします。力強いブクブクうがいです。洋食でデザート、コーヒーの後に水を飲むふりしてクチュクチュするだけでも効果ありです(水でクチュクチュ、ゴックンです)。
3)一日一回しっかり磨くことをお勧めします。毎回きちんと磨くのは現実的に無理、一日一回じっくり磨く。小生、シャワー派ではなく湯船派、朝のエクササイズ後に入浴します。その際にじっくり磨きます。起床、エクササイズ、朝食、入浴時歯磨きです。
4)ご紹介の「コンクールF」の効果的な使い方。おやすみ前にうがいする、これが一番効果あり。就寝中は口の活動が減るために、口の中の細菌が増殖します。
以前、朝起きたら歯磨き必要とされていたのはこのためです。寝る前にうがいして(もちろん歯磨きも)、途中で起きてトイレに行くような場合にもついでにうがい。朝起床時、おくちスッキリです。
5)思い起こせば、小学校入学の頃には歯磨きしていたという方がほとんどでしょう。習慣的惰性的な歯磨きは予防効果の低いものとなったり、逆に歯を傷めてしまうこともありますので、是非プロケアも合わせてどうぞ。セルフケアだけでは不十分です、残念ながら。
歯は、磨いてももらうもの!
「歯は白くハグキピンクに吐息は甘く」
皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。

はじめましてカルノです。歯科医になって38年、ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」店主として丸一年。興味あること多かれど、大まかに「食う飲む遊ぶ、はは大事」にちなんだブログをアップします。「食う」鹿児島のみならず旅先でのグルメやスイーツ。「飲む」ワインを主に抹茶・茶道についても。茶道は茶名「宗秀」にて裏千家専任講師。「遊ぶ」は旅や生活雑貨など。「はは大事」歯は大事で健康や歯について。お見知り置きを!
https://www.instagram.com/oyatsu.do/

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