冬の木に宿る、不思議な植物 !ヤドリギとクリスマス【クリスマス】
この時期になると、葉の落ちた木ばかりを目で追ってしまいます。
クリスマスの季節に見上げたい、ヤドリギの話。
今年は12月になって、やっと冬らしくなってきたように思います。
11月に54歳を迎えた私は最近更年期障害のホットフラッシュも影響してか、ダウンコートの下は半袖だったりとかなりワイルドな暮らしをしています。
そんな、ワイルドな私ですが、この時期になると少しロマンチックなものを楽しむことがあります。
夕方、日が早く落ちる時間帯に、街路樹を見上げながら歩くこと。
葉を落としたはずの木の枝の先に、鳥の巣のようなもしゃもしゃが付いていることがあります。
それがヤドリギという植物です。
それはまるで冬の空に浮かぶように見えて、その姿は、とても神秘的です。
みなさんも枝先に、丸く緑のかたまりを見つけたことはありませんか?
冬でも緑を保つ、少し不思議な植物。
ヤドリギは、木に寄り添って生きる植物。
地面に根を張ることはできませんが、葉を持ち、自分で光合成をしながら育ちます。
水分やミネラルは宿主の木から分けてもらい、光を受けて、静かに命をつないでいく。
葉を落とした木々が並ぶ冬の景色の中で、ヤドリギだけが緑を保っている姿は、寒い季節だからこそ印象に残ります。
『クリスマスとヤドリギの言い伝え』
ヨーロッパでは昔から、ヤドリギは幸運や愛の象徴とされてきたそう。
中でもよく知られているのが、「ヤドリギの下でキスをすると、愛が長く続く」という伝説。
クリスマスの時期にヤドリギを飾り、その下で恋人や夫婦がキスを交わすと、絆が深まると考えられてきたそうです。
厳しい冬の中でも枯れずに緑を保つ姿が、変わらない思いに重ねられてきたのでしょう。
『古くから大切にされてきた理由』
ヤドリギは、魔除けや幸運を呼ぶ植物として古くから大切に扱われてきました。
空に近い木の上で育つ姿は、どこか特別で、神聖なものとして見られていたとも言われています。
ヤドリギは、誰かに支えられながら、それでも自分の力で生きている植物。
その姿は、人と人が「寄り添う」という気持ちとどこか重なるように感じます。
特別なことがなくても、同じ空を見上げる時間があるだけで、心が少し温かくなる。
そんな季節に、見上げた空に、季節のしるしを…
このクリスマス、街を歩く途中でヤドリギを見つけたら。
慌ただしい日々の中で、ほんの一瞬立ち止まって、深呼吸をするきっかけになるかもしれません。

写真は2年前に花屋に隣接したカフェで出合った出合ったヤドリギ。
柱になる木は白樺でしょうか、白樺に寄り添っているヤドリギの神秘的な姿が今でも忘れられません。
クリスマスの季節らしい静かな美しさを感じさせてくれました。








