食べ物につられて読んでみたら・・・思わぬ良い本に出会ったお話【読書の秋】
この秋は本の虫になっている私。
前回のブログで御紹介した原田ひ香さんの著書が良かったので、
作家名で検索してもう一冊読んでみました。

「まずはこれ食べて」
タイトルと表紙から察するに食べ物関係の話なのだろうと、
いやしんぼの私はソレがキッカケで読み始めたのですが、
読み進めていくうちに思わぬ展開が広がり始め、最後は
「よかった・・・」
と思えるハッピーエンドでした。
多忙を極めるベンチャー企業にやとわれた一人の家政婦が作り出す料理は、
忙しさに流され、心身ともにくたびれていた若者たちの心にスルリと入り込みます。
私が期待していた、登場する食べ物たちも華美ではないのですがそこがまた良いのです。
ゆかりと枝豆、ツナとごま油、大根葉とじゃこと卵のおにぎり。
台風で落ちたリンゴをただ焼いただけのやつにアイスクリーム。
消費期限ぎりぎりで半額になっていたパスコのパンで作ったハンバーガー。
チーズと海苔が効いている辛ラーメン。

☝単純なのですぐまねして作りたくなる人。パスコじゃないけどハンバーガー(もどき)。
表紙のイラストにある目玉焼きのエピソードは、誰しもが一度は論議したことがあると思う、
目玉焼きの食べ方について少し触れていて。
ご飯の時は半熟目玉焼きにお醤油。パンの時はソースをかけて。そして、ご飯の上にのっけることは決まっているのに、目玉焼きは必ず、別皿に。
パンとご飯で目玉焼きにかけるものを変えるのは思いつかなかったなぁとちょっとスートリーから外れたことに関心を持ってみたり。あと、結局ご飯の上にのせて食べるのにわざわざ別皿に目玉焼きをのせるこだわりはなんとなく共感してみたり。
背表紙のだしまき卵。

だしまき卵も甘い派としょっぱい派に分かれる「論議されやすい」食べ物の一つだと思います。
本書に出てくるだしまき卵は卵の量に対してかなり出汁の割合の多い、私にとっては難易度の高いレシピ。
出汁に片栗粉を入れるとまとまりやすくなると書いてありました。今度やってみよう。
元来いやしんぼなので食べ物関連の本は自然とアンテナが立つのですが、
今回出会ったこの本はストーリーも、ちょっと切ないところはありますが、
最後は収まるところに収まって、読後感が心地よかったです。
良い本に出会えると、気持ちの良いものですね。









