
宿坊 in 京都 妙心寺「東林院」??

もう10年も経つのか。 ヴィーガンで一躍有名になったドイツ生まれのトルコ人の
アテンドをし、出版社の女性カメラマンとテレビ局の男性2人を率り、2週間ほど
日本を訪れたことがある。
夫の旧友が出版社のボスだったことから貴重な機会を得ることができました。
生涯忘れることの無い旅路となった。中でも私の心に深く刻み込まれたのは京都、
妙心寺「東林院」での宿坊です。身体の隅々にまで行き渡る美味しい西川玄房和尚の精進料理、今も舌が覚えています。
その味と共に西川和尚のお話は、今も頭に時々浮かんで来る。
奥様もハイカラな女学生を想わせる、魅力的な女性で一瞬にして心奪われた。
TVチームの撮影、カメラマンの女性と離れ、しばし縁側で西川玄房和尚と
猫や故郷、昨今の子育て話。今でも思い浮かべるだけで涙腺が緩んでしまう。革製品に至るまでの動物由来のものや全てを排除するという
「ヴィーガニズム」の彼、そしてベジタリアンをも肯定しつつ
西川和尚は静かに話し始めました。
植物に痛覚があるか否かは別として、野菜も生きている。
畑を耕すことで、どれだけ多くの虫達の命が犠牲になっているか。
その小さな虫と牛や豚、大きな鯨であれ、命の大きさは全く同じで変わりない。
命を無駄なく頂戴する。感謝の気持ちが何よりも
大切なのであって、少し捉え方を変えてくれたら
他人にも自分自身にも優しく、肩の力も抜けて楽になれるように思うのです。
そんな風に仰られました。
通訳も忘れ、カメラが回っているのに、堪えきれずに
私が泣いてしまった為、そのシーンはカットされた。
シャベルで土を掘り起こしていると、
ゴマ粒よりもずっと小さい鮮やかなピンクの蜘蛛が私の手元までツタって来ました。
見たことの無いような美しさです。
お元気でいらっしゃると良いな。
私が、もう一度、どうしても訪れたい場所。そして会いたい人。
これを読んだら、我が家の男衆は手を叩いて笑うだろう。
ナメクジを見つけたら目の色を変え、鼻息荒く、様々な方法で駆除。
家にハエが入ってこようものなら、息の根を止めるまで
追いかけ回してるのは、どこの誰だよってね。