50歳パート。実家の介護家事で夫婦仲が険悪に。両親を助けつつ夫の理解を得るには?
実母の介護で1日おきに実家へ。夫が理解してくれず、夫婦関係が険悪に。

家から電車で30分ほどのところに両親が住んでいます。母が認知症になり、日中はデイサービスに通っていますが、父は家事が得意でないため、私が1日おきにパートの仕事が終わったあと、料理作りや掃除、洗濯などの家事をしに行きます。夫はそれが不満のようで、帰りが遅くなると機嫌が悪くなったり、「そんなに頻繁に行かなくてもいいんじゃないか」「ヘルパーさんに頼めばいい」と言ってきます。ときには言い合いになって夫婦関係が険悪になることも。私は自分ができる範囲で両親の面倒をみたいと思っていますが、どうしたら夫の理解を得られるでしょうか。
(50歳・女性)
犬山紙子さんの回答
夫婦という〈チーム〉として、この状況をどう乗り越えるか、お互い納得できる着地点を探して。

私も介護経験がありますが、子育てとは違って、介護は先の見通しが立たないぶん、心身ともにすごく消耗するんですよね。メンタルヘルスを保つのがむずかしい状況で、夫は妻をケアすべきですし、むしろねぎらいの言葉をかけてもいいくらいです。相談者のかたにはまったく非はないので、ご自身を責めないでくださいね。
一度、この件についてきちんと夫と話し合う機会を設けたほうがいいと思います。夫はどういう思いでこういった発言や態度をとるのか冷静にきいてみましょう。そのとき、「私はあなたの味方だし、あなたは私の味方だよね」と、お互いが味方どうしであることを確認することがとても大切。ただ不満を言い合うのではなく、〈チーム〉として、どうしたらこの状況を乗り切れるか、納得できる着地点を探してみてください。
話し合いがうまく進まないときは、「カップルカウンセリング」※1を受けてみるのもおすすめです。私も通ったことがあるのですが、カウンセラーという第三者を入れることで自分のこと、夫のことが冷静に見られるようになります。「今、介護でメンタル的にしんどくてカウンセリングに行きたいけど、一人だと不安だからいっしょに来てほしい」とお願いしては?
あとは、夫を実家に連れていって、介護する様子を実際に見てもらうのもいいと思います。介護の大変さを目の当たりにすれば、少しはいたわりの気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。
※1 カップルカウンセリング
カップル間で起きた問題の解決や関係改善のために、カップルがそろって受けるカウンセリングのこと。カウンセラーを交えて伝え合うことで、お互いへの理解が深まったり、将来に向けて二人の関係性を見つめなおしたりすることができる。
お悩み回答者 犬山紙子さん
エッセイスト・コラムニスト。1981年生まれ。ファッション誌の編集者を介護離職し、2011年『負け美女』(マガジンハウス)を出版。執筆活動のほかテレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。近著は『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
石塚元章さんの回答
ほかの問題が根底に潜んでいる可能性も。夫婦間のコミュニケーションを密にとることが重要。

仕事と介護、ご実家の家事までこなされていて本当に大変だと思います。「夫はそれが不満」とのことですが、もしかすると、夫はこの問題以外に言いたいことや感情のわだかまりがあって、いちばんクレームのつけやすい相談者さんに不満を言っている可能性はないでしょうか? 介護の時間が長くなるほど夫婦間の会話が減り、お互いの気持ちが伝わりにくくなりがちです。その結果、言葉足らずになったり、誤解が生まれたり。「わかっているはず」ではなく、お互い思っていることを言葉にして伝え合うことが重要。コミュニケーション不足を解消すると、案外気持ちよく送り出してくれるかもしれません。
それに、不満を言っている夫側のご両親も、いつ介護が必要な状況になるともかぎりませんし、今後、双方の親の介護が重なる可能性も出てきます。そうなったときにどうするか、やはりこれも話し合っておく必要があるでしょうね。
実家の家事は、すべて相談者のかたが担うのではなく、少しだけお父さんに協力してもらうのはどうでしょう? お父さんの年齢だと「食事は嫁や娘が作ってくれるもの」と思い込んでいる人が多い世代。でも今はコンビニに行けばすぐに食べ物が手に入りますし、高齢者向けの配食サービス※2もたくさんあります。そういった便利なサービスを利用しながら、お父さんの選択肢を増やしていく。今後のためにも、一人で抱え込まない環境をつくっていったほうがいいと思います。
※2 高齢者向けの配食サービス
食事の調理が困難な高齢者に対し、栄養バランスのとれた食事を自宅に訪問して提供するサービス。かむ力が弱くなった高齢者や持病により食事の制限が必要な人のための食事も用意されている。配達時に安否確認を行ってくれる配食業者も。
お悩み回答者 石塚元章さん
CBC特別解説委員。1957 年、愛知県生まれ。81年、中部日本放送(CBC)入社。報道局記者として活躍後、JNN海外特派員、ニュースキャスターなどを歴任。現在、情報番組「ゴゴスマ~GO GO!Smile ~」(TBS系)、「石塚元章ニュースマン!!」(CBCラジオ)などに出演中。
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取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子






