【12月の歳時記】冬至・晦日(つごもり)って?昔ながらの行事で年の瀬を楽しむ
いよいよ12月がスタートしました。大掃除や年賀状など、新年を迎えるための準備のほか、クリスマスや忘年会などもあり、忙しく過ごす月です。
12月は、旧暦の月の名前では「師走(しわす)」。
一般に「師」は「僧」をさし、お経を上げるために「師がはせる(走る)月」であることから「師走」をあてたとか。ちなみに「はせる」とは急いで行くという意味です。「歳極、歳終(としはつる)」が「しはつ」となり、さらに「しわす」になった、という説も。そんな師走(12月)を代表する、昔ながらの行事を紹介します。
冬至

「冬に至る」日。北半球では昼がもっとも短く、夜がもっとも長くなります。太陽の角度が低くなり、その力が弱まるとして、昔は冬至の日に厄払いをしたとか。冬至にかぼちゃを食べるのも、弱まる生命力を強くするためといわれます。また、ゆず湯もかぐわしい香りで邪気をはらいます。実際にかぼちゃにもゆずにも抵抗力をつけるビタミンCが豊富。理にかなった風習といえます。
晦日(つごもり)

月の最終日をさし、「みそか」とも読みます。12月は一年の最後の月なので、「大」をつけて区別したのです。「大晦(おおつごもり)」とも。大みそかには年越しそばがつきものですが、そもそも江戸時代にはみそかにそばを食べる習慣があり、現在では大みそかだけになったという説も。また、大みそかに神社などで夜明かしをし、初日の出を拝んで帰ることは「年ごもり」といいます。
昔ながらの行事を改めて学んだり行ってみると、体だけでなく、なんだか心もぽかぽか温まりそうですね。この寒い時期を楽しみながら、乗り越えていきましょう。

(オレンジページ刊行『旬のおかずカレンダー』より)
教えてくれたのは……広田千悦子さん
日本の行事室礼研究家。北海道出身。歳時記やしきたり、年中行事、四季折々の暮らしなどを、エッセイを通して表現しつづける。日本の行事や習わしの由縁などにふれ、自分らしいしつらいを試みていく稽古「季節のしつらい稽古」を主宰。中日新聞・東京新聞の生活面で「くらし歳時記」を連載中。
あわせて読みたい
歳時記監修/広田千悦子 イラスト/北原明日香 文/編集部・谷本、藤澤








