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〈日本一の居酒屋〉のいか刺しが絶品すぎ!島根県・西部のマニアック旅レポ

かの出雲大社を擁する島根県。旅行に行くとなれば、出雲大社周辺で予定を組むかたが多いかもしれません。ですが島根県にはさらなる魅力的なスポットがたくさん! 今回は島根県を西から東へ大横断するプレスツアーに参加して知った、ぜひみなさまにおすすめしたい場所・グルメを全3回でご紹介します。

地味な見た目でお上の目をごまかした⁉「沙羅の木」さんの〈うずめ飯〉

島根県南西部、山口県にほど近い場所に位置する津和野町。山間にある小盆地として独自の文化を築き、山陰の小京都とも呼ばれる歴史的な町です。江戸時代には小藩ながら熱心な教育がなされ、藩校「養老館」には森鴎外も通ったのだそう。

津和野の町並み

美しい白壁の土塀が続く通り沿いにある堀には、色とりどりの鯉が涼しげに泳いでいます。なかにはびっくりするような大きさのものも。

沙羅の木

沙羅の木

津和野藩家老邸跡に佇む「沙羅の木」さん。ここでは津和野の郷土料理「うずめ飯」がいただけます。

見た目はただの白いご飯に、ポツンとわさびがのっているだけ。とても質素な料理に見えますが、じつは……?

三つ葉、しいたけ、にんじん、豆腐、のりなどがうずめられていました! だし汁をかけていただきます。これは江戸時代の倹約令の際に、地味なご飯のように見せかけてこっそり具材もおいしく食べていた庶民の知恵によって生まれた郷土料理。歴史情緒のある町並みを見ながらいただくと、よりいっそう当時のことがしのばれます。

「沙羅の木」には国の登録記念物に登録された庭園を臨む「松韻亭」という建物もあり、事前予約制のコース(写真は「山菜つづり 琴」、税込3300円)をお願いすれば、そこで食事をいただくこともできます。

沙羅の木
〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田ロ70
営業時間:本店は9時~17時30分、松韻亭は10時~16時(昼食の提供はともに11時~15時〈LO.14時30分〉)
TEL:0856-72-1661

津和野の銘菓「源氏巻」作りに挑戦!焼きたては格別のおいしさ

津和野の名産品として知られるのは、カステラ生地でこしあんを巻いたお菓子・「源氏巻」。町内に数軒お店がありますが、もっとも古く店舗が多い「(有)山田竹風軒本店」さんにお邪魔しました。

「山田竹風軒 本町店」では、5~12月中旬まで新山口駅から津和野駅までを走る「SLやまぐち」の運行日に合わせ、源氏巻作り体験(13~15時、税込800円)ができます。鉄板の上にカステラ生地をスッと引き、こしあんをのせて、へらで生地を返して巻くのですが、職人のかたがサポートしてくれるので初心者でも安心。なによりほかほかの源氏巻は皮が香ばしくパリッとして、ほかでは味わえないおいしさ。ぜひ挑戦してみてください。

(有)山田竹風軒本店 本町店
〒699-5605  島根県鹿足郡津和野町後田240
営業時間:7時30分~18時
TEL:0856-72-1858

津和野の町を一望する「太皷谷稲成神社」。見事な朱塗りの千本鳥居も必見!

町から少し高台に向かったところにある壮麗な神社が、「太皷谷稲成神社」。通常「稲荷」と書くところ、ここは全国でも珍しく「稲成」と書きます。

小盆地である津和野の町を一望! 石州瓦(せきしゅうがわら)といわれる、この地域特有の赤い瓦の家々が美しく広がっています。

お供えものとして、油揚げとろうそくが置いてあります(200円)。願いごとが叶う「願望就」から「稲」となったとされるパワースポット、しっかりお願いごとをしてきました。

美しい朱塗りの千本鳥居も見どころ。少し町から足を伸ばして、ぜひ訪れたいスポットです。

太皷谷稲成神社
〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田409
TEL:0856-72-0219

あの名曲でも歌われた〈えんとつ〉。寛政3年(1791)から続く老舗酒造でお土産を

寛政3年(1791年)創業の醸造元・財間酒場として、名酒「高砂」などを販売するこちらのお店。なんと、さだまさしさんの名曲「案山子」で、「橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突」と歌われたのが、このえんとつなんだそうです。

江戸から昭和初期までの酒造りに関する道具、酒器などを展示する「高砂酒蔵資料館」も併設。こちらの見学も随時受付しています。

ぷりん酒

「高砂」のほか、いろいろな素材を使った焼酎や、女性でも飲みやすいリキュールなども扱っていて、お値段も手ごろ。「ぷりん酒」(税込500円)は甘くミルキーな味わいで、ついついすすんでしまいそうです。自分土産にもぴったり!

財間酒場/高砂酒蔵資料館
〒699-5612 島根県鹿足郡津和野町中座ロ34
営業時間:9時~16時
TEL:0856-72-0039

とろとろの美肌の湯で旅の疲れを癒やして。アートなホテル「MASCOS HOTEL」

津和野から益田まで移動してやってきた本日のホテルは、「MASCOS HOTEL」。ただの宿泊施設にとどまらず、この地ならではの芸術を取り入れ、カルチャー発信の施設となるべく生まれた新しいタイプのホテルです。

館内のデスクやいすは、地元の木材を使ったもの。地産地消であるとともに、時を経ることによる〈経年変化〉を楽しみたい、という思いが込められています。

そしてなによりすばらしかったのが、天然温泉「益田温泉」! まるで美容液のようにとろーっとした質感のお湯が、いかにも美肌に効きそう。浴室は明るく広々としていて、サウナもついています。汗とともに旅の疲れがスーッと落ちていくようです。

MASCOS HOTEL
〒698-0024 島根県益田市駅前町30-20
TEL:0856-25-7331

〈日本一の居酒屋〉といわれた名店「田吾作」で近海の海の幸を堪能

益田の夜は、こちらに。居酒屋探訪家・太田和彦さんが「日本一の居酒屋」と評したお店です。古民家風の店内には生け簀があり、新鮮な魚が泳いでいます。

最初に出てきたのは、左上から自家製豆腐、炊き合わせ、きゅうりの酢の物、卯の花。心と体にしみわたるような、素朴な味わいが地酒に合います。特に、自然な豆の甘みを感じる豆腐は絶品。卯の花は、この豆腐を作るときに出たおからで作っているのだそうです。

なんといっても名物料理は、このいか刺し。益田から車で30分ほどの須佐町であがったいかを生け簀に入れ、直前にさばいているとのこと。テーブルにきたときにはまだ動いていて、その新鮮さがうかがえます。歯ごたえがあるのに柔らかく、とろっと甘いいかの味、今でも忘れられません!

刺し身、あゆのから揚げ、めし(ご飯、みそ汁、漬け物)、どれもとてもシンプルながら、しみじみとおいしい。旅先で食べる夕食として、パーフェクトすぎる名店でした。

田吾作
〒698-0034 島根県益田市赤城町町10-3
営業時間:12時~14時、17時~
TEL:0856-22-3022

ここまででまだ島根県の西側、4分の1ほど。まだまだディープな島根の魅力を、お届けします。

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編集協力/島根県 写真・文/編集部・平