
発酵なしの簡単レシピ。憧れの「シュトーレン」がおうちで作れる!【味&見た目は本格的!】

〈2022年12月6日更新〉
近年、クリスマスシーズンになるとお店でよく目にするようになった「シュトーレン」。
「シュトーレン」って何? 手作りできるの? そんな気になる疑問にお答えします!
「シュトーレン」とは?
ナッツや洋酒漬けのドライフルーツを練り込み、たっぷりと砂糖をまぶしたドイツの菓子パン。
ドイツやオランダでは、クリスマスを待つアドべント(クリスマスイブまでの約4週間)に少しずつスライスして食べる習慣があります。
日がたつほどに砂糖やフルーツがなじんでおいしくなるので、「クリスマスがだんだん待ちどおしくなるお菓子」ともいわれています。
菓子パンということは、手作りするとなると、発酵させたり、たくさんの材料が必要だったり、ちょっとむずかしそう……。
そこで!
発酵不要&材料も超シンプル、しかもわずか90分で作れるレシピを菓子研究家の下迫綾美先生に教えてもらいました。
イースト菌を使わず、発酵したような風味を出す秘密は、なんと少量の「クリームチーズ」。
さらに、本格的な味わいになる「フルーツのラム酒漬け」は、電子レンジで手軽に作れるのに、長く漬けたような豊かな香りになりますよ。
さっくり、しっとり食感で、日がたつほどフルーツがなじんでおいしくなる「シュトーレン」。常温で約2週間もつので、少しずつ変わる味わいを楽しんでみて。
発酵いらずの「シュトーレン」のレシピ
材料(約10.5×18×高さ5cmのもの1個分)
〈粉類〉
強力粉……80g
薄力粉……40g
ベーキングパウダー……小さじ1
シナモンパウダー……小さじ1/4~1/2
バター(生地用、食塩不使用)……40g
クリームチーズ……20g
塩……ひとつまみ
グラニュー糖……50g
溶き卵……1/2個分
〈ラム酒漬けフルーツ〉
レーズン……40g
他の好みのドライフルーツ(オレンジピール、いちじくなど)…… 30g
レモン(国産)の薄い輪切り……2枚
ラム酒……20g
アーモンド(無塩)、くるみ(無塩)……各20g
〈仕上げ用〉
バター(食塩不使用)……50g
グラニュー糖……40g
粉砂糖……60g
【下準備】
・生地用のバターとクリームチーズは室温にもどして柔らかくする。
・粉類を混ぜ合わせる。
・アーモンド、くるみは粗く刻む。・耐熱の小さめの器にレモンを敷き、残りのラム酒漬けフルーツの材料を加える。ふんわりとラップをかけて電子レンジで50秒加熱し、かるく混ぜる。表面にラップをぴっちりとはりつけ、粗熱を取る。レモンを取り出し、1cm四方に切っておく。
・オーブンを200℃に予熱する。
【作り方】
【1】バター、チーズ、グラニュー糖を混ぜる
ボールに生地用のバター、クリームチーズ、塩を入れ、ゴムべらで練り混ぜる。なめらかになったらグラニュー糖を加え、泡立て器で白っぽくなるまで(写真参照)すり混ぜる。
【2】粉類、フルーツ、ナッツを加えて混ぜる
溶き卵を3回に分けて加え、そのつどよく混ぜる(写真・左)。粉類を加え、ゴムべらでさっくりと混ぜる。ラム酒漬けフルーツ、アーモンド、くるみを加え、生地がひとまとまりになるまでしっかり混ぜる(写真・右)。次ページの「成形STEP」を参照し、生地を成形する。
–{あの独特の形の作り方は? 成形と仕上げは次のページから}–
【成形の仕方】
〈1〉天板の大きさに合わせて切ったオーブン用シートに生地をのせる。同じ大きさのシートを重ね、上からめん棒でのばし、縦14×横12×厚さ2.5cmくらいにする。生地の向こう側1/3を手前に折り(写真参照)、折った部分の先端をめん棒でかるく押さえる。
〈2〉生地の手前を、めん棒で押さえた部分の少し手前まで折る。折った部分の先端をめん棒でかるく押さえる。
〈3〉さらに向こう側半分を手前に折る(写真・左)。盛り上がった部分の少し後ろをめん棒で押さえ(写真・右)、くぼみを作る。
〈4〉折った部分の合わせ目を指で押さえてなじませ、さらに表面全体を手で押さえてなめらかに整える。レーズンが生地の表面に出ていると焼いている間に焦げるので、内側に入れ込む。
【3】オーブンで焼いてバターを塗る
シートごと天板にのせ、オーブンの下段に入れる。200℃で15分焼き、170℃に下げてさらに35分焼く。焼き上がる直前に仕上げ用のバターを耐熱のボールに入れ、ボールの底を湯(50~60℃)に当てて溶かす。生地が焼き上がったら、熱いうちに刷毛などで溶かしバターをまんべんなく塗る。
【4】砂糖をまぶして仕上げる
シュトーレンをバットに入れ、仕上げ用のグラニュー糖を手で全体にまぶし、そのままさます。別のバットに移し替え、粉砂糖を手でたっぷりとまぶす。バットに残った粉砂糖を集め、茶こしを通して全体にふる。
これで完成。この雪が降りつもったような真っ白な姿こそ、シュトーレン!
シュトーレンの食べ方と日持ち期間
少しずつスライスして少しずつお召し上がりください。あえて真ん中から食べて、切り口をぴったりつけて保存すると乾燥を防げますよ。
常温で約2週間保存可能です。
今年のクリスマスはぜひ、発酵なしのこのレシピでシュトーレンに初挑戦してみませんか?
(『オレンジページ』2019年12月17日号)
料理/下迫綾美 撮影/高杉純 スタイリング/阿部まゆこ 文/編集部・堀部