今回は「台湾」に暮らすファミリーをご紹介します。
家族の中心に「食」がある台湾の暮らし
時差は1時間しかなく、日本ととても近い台湾。一年を通して温暖で、気候的に日本の沖縄に似ているなどといわれることもあります。今回取材したジョニーさんファミリーは、台湾の首都・台北で家族4人で暮らしています。王中銘(ジョニー)さんと妻の許維葳(ウェイウェイ)さん、4歳の王沐睦(ムム)ちゃん、2歳の王貝蓓(ベベ)ちゃん姉妹の4人家族。電子部品関連マーケティングマネジャーのジョニーさんは大学では日本語学科を専攻するなど日本通です。
ジョニーさん夫妻は子育てと仕事に全力投球のザ・子育て世代。そんな夫妻を日々サポートしているのが近所に暮らす夫妻の両親、つまりおじいちゃんやおばあちゃんたち。そしてこどもを大事にする台湾社会の文化です。
家族の集まりに欠かせない、台湾の伝統食
「季節の行事では必ず親族が集まり、伝統食を食べて過ごすことを欠かしません。また、忙しい私たちに代わっておばあちゃんが夕飯を作るなどサポートしてくれているんです。レストランはこども歓迎のところが多く、外食がしやすいのもありがたいです」とジョニーさん。
「台湾の人々は行事ごとに必ず親戚や家族で集まり、食事をともにします。清明節(先祖のお墓参り)、中秋節(伝統的な中華圏のお月見)などの伝統行事や、こどもが1歳を迎えた誕生日など家族の節目の行事もとても大切にしているんです」とジョニーさん。
働く両親の強力な助っ人・おばあちゃんが毎日のおいしいを支える
完全共働きの家庭が多い台湾。ジョニーさんは会社員、ウェイウェイさんは中学校教師として、多忙な日々を送っています。そんなジョニーさん夫妻に代わり、夕方の忙しい時間帯はウェイウェイさんの母チョンハさんが夕飯の支度を担当。市場への買い出しなどもチョンハさんが大活躍しています。
ムムちゃんもベベちゃんもおばあちゃんが作ったおいしいごはんが大好き。みんなで楽しく食べる夕飯の時間。おいしい食卓の立役者は、料理上手のおばあちゃんというわけなんですね。
「台湾では両親に頼るのは普通のことで、兄弟や姉妹が近くに住んでいれば、さらにその家族もいっしょにごはんを食べたりすることも日常ですね。僕の両親や兄弟家族と夕飯を食べることもありますし、ふだんから行き来するのは当たり前なんです」(ジョニーさん)
台湾での子育ては核家族単位の閉じたものではなく、おじいちゃん、おばあちゃん、兄弟などの親戚をはじめ、街の人などさまざまな人がつながり、社会に開かれたもの。そして人と人とがつながる場所には温かな食事があります。台湾の食をめぐる豊かな文化は、何気ないこの日常の景色がとっても大切なものだということをあらためて気づかせてくれますね。
(『こどもオレンジページNo.5』より)
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