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チリの家庭料理を習って作り、食べてみよう!
先日、J.P.モルガンとオレンジページで共同開催したのは、親子で料理を楽しむ「難民ごはんプロジェクト~親子で習うチリの家庭料理~」。オレンジページとしては8回目となる「難民ごはんプロジェクト」のイベントです。2021年に始まり、シリアやクルド、ミャンマー、ウクライナなど、迫害や戦争など様々な理由で日本に避難してきているかたに故郷の料理を教わってきたプロジェクト。今回は、南米のチリ出身のクラウディオさんから、エンパナーダの作り方を教わりました。
こちらが「エンパナーダ」。ピザのような生地で具を包んだスペイン発祥の料理で、食べごたえ抜群。野菜たっぷりのサルサソースを添えます。世界各地にいろいろなバリエーションがありますが、今回クラウディオさんに教わったチリのエンパナーダは、牛ひき肉と玉ねぎ、にんじんなどをスパイスと炒めたたねと、ゆで卵やブラックオリーブを包んだもの。じつはクラウディオさんは料理の国際コンテストで優勝したこともある一流の料理人。彼の作るエンパナーダはファンも多い一品なのです。
チリってどんな国?
調理実習の前に、チリについてのクイズタイム!世界地図を見ながら「チリの場所はどこ?」「チリで人気のスポーツは?」など問題をいくつか出題。子どもたちが元気よく手を挙げて答えてくれました。
ちなみに、チリで人気のスポーツは、断然サッカーだそう。さすが南米ですね!
チリについて理解が深まったところで、いよいよエンパナーダ作りです。
生地をのばして、包むのが楽しい! 親子でエンパナーダレッスン
エンパナーダの生地をめん棒でのばす工程。「きれいにのばすのはちょっとむずかしい……」。みんな真剣な表情です。「いいじゃない! きれいにできてる!」とクラウディオさんから合格をもらい、ひと安心。次はたねを包みます。
具がはみ出してこないように、端をしっかり折ってぎゅっぎゅっと押さえて……
包んだら、卵液を塗り、いよいよオーブンで焼きますよ~。
みんなきれいに包めてる!
エンパナーダのほかに「エンサラダ ルサ(ビーツ入りポテトサラダ)」「レチェ アサーダ(チリ風プリン)」のデモンストレーションも。
大人も子どもも興味津々!
でき上がり! さあ、いただきます
そして、お待ちかねの試食タイムに。いただきまーす♪
チリの料理は日本人の口に合うことを新発見!
難民のこと、どのくらい知ってる?
こちらが「命のメジャー」。栄養失調が危機的な状況の国で、5歳未満の子どもの上腕に巻いて太さを測り、栄養状態を診断するのに使われているものだそう。深刻な栄養失調状態の子どもの上腕の太さはペットボトルキャップくらいしかないのだとか。今すぐ支援が必要な極限状態の子どもたちのことをリアルに実感できます。故郷に帰れない難民、じつはクラウディオさんも……
そして、料理を作ってくれたクラウディオさんにインタビューも。チリでの子ども時代のこと、料理の仕事をしたいと思ったきっかけをたずねたり、「仮放免」という現在の状況をお話ししてもらいました。
クラウディオさんは、1996年に来日し、日本でもシェフとして働いていました。2011年、東日本大震災をきっかけに保証人がいなくなり、在留資格を失ったクラウディオさん。じつは政治的な事情によりチリで弾圧を受け、命の危険にさらされていたこともあり、現在も帰国ができない状況なのです。日本で難民申請をするも認められず、今は「仮放免」という不安定な状態。
プロの料理人でありながら飲食店に勤めるなどの就労が認められないクラウディオさんですが、不定期でイベントに出品する料理の評判はとても高く、料理を通して遠く離れたチリと日本をつないでいます。
「今日はたくさんの人といっしょに料理や食事ができてとても楽しかったよ。私は長く日本で暮らしていて、また日本で仕事をしていきたいので、『難民申請』をしています。こんなふうに故郷に帰れず避難を続けている人が世界中にたくさんいる、ということを知ってもらえたらうれしい」とクラウディオさんは話してくれました。
子供たちにはむずかしい話もあったと思いますが、みなさん、驚きやいろいろな思いを持ったよう。
参加してくれた親子の声(アンケートより抜粋)
「チリについての知識がなかったが、今日いろいろ知ることができてよかった」(大人)
「自分に何ができるかまだわからないけど、できることがあるならしたい」(大人)
「クラウディオさんが日本でずっと暮らせますように」(子ども)
「エンパナーダがおいしかった」(子ども)
クラウディオさんとすっかり仲よくなった子どもたちは、わいわいとクラウディオさんを追いかけ、最後のお見送りまでしっかりと。「クラウディオさん、またね~」「ありがとう~」と彼が乗った車に元気に手を振っていたのが印象的でした。この日のような体験が、子どもたちが外国の社会や文化に関心を持つきっかけになるかもしれません。
おいしい食事を通して、また直接実体験のお話を聞くことで、子どもも大人も、世界をより自分のこととして感じられた一日でした。
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