長引くコロナ禍で、テレワーク化が進むなど働き方も変わってきている昨今、家で食事をする機会が以前よりも増えた、という家庭も多いのでは。
とくに子育て世代では、「おなかすいた~」「ごはんまだ?」「もっとおかわりないの?」攻撃を浴び続けている人も多いでしょう。」
「いつも時間に追われてバタバタ」「今日何作ろう? うかばなーい」「も~ごはん作りは私ばっかり!」などプチストレスを感じているお父さんお母さん、ぜひメルボルン流の子育てを取り入れてみてはいかがでしょう?
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メルボルン? どこだっけ?
と思ったあなた。地図を見てみましょう。メルボルン流の子育てとは?

メルボルンがあるのはこちら、オーストラリア。
シドニーに次ぐオーストラリア第二の都市で、世界一住みやすい街にも選ばれたこともあるんです。
3人のお子さんを育てるかたわら、現地でフードコーディネーター業や貿易会社での勤務をこなすアンダーソンあけみさんに、メルボルンでの子育てについてうかがいました。
「自立心を育てる」メルボルン流の子育て
あけみさんによれば、メルボルンに移り住んで日本との違いで最も驚いたのが、「自立心を育てる子育てカルチャー」だったそう。例えば……。

お弁当作りは自分で!
う~んでも、お弁当って子どもへの愛情表現の一つなのでは?とあけみさんに聞くと、「もちろん親が手間暇かけて作るお弁当は、子どもにとって嬉しいもの。でも、毎日それを続けていると親も疲れてしまいますよね。簡単なものでいいから、なるべく自分で作ることを覚えてもらうのが大切だと思っています。作り方を教えてあげる時間が、親子のコミュニケーションになりますよ」という答えが返ってきました。とはいえ、いきなり明日からじゃあ自分で作ってね、というのは難しいですよね。そこであけみさんが教えてくれたのが……。

「自分で作る」応援セット!
「食べるシーンやメニューごとに食材をまとめておくことで、子どもが一人で食事の準備ができるようになります。時間がある週末に仕込んでおくのがおすすめですね」とあけみさん。なるほど。サンドイッチ用、パスタ用、おやつ用など、お弁当だけでなく朝食やランチも自分で作れるようサポートしてあげるんですね。
こちらが、アンダーソン家のサンドイッチセット。作る回数が多いので、冷蔵庫に常備しているのだとか。
あけみさんの3人のお子さんたちもみな、自分で自分のサンドイッチを用意するそう。小さな頃からの習慣なので、すっかり身についているとか。

週末のランチは庭に家族が集まって「ガーデンランチ」にすることもよくあるそう。

チーズやクラッカー、ナッツなどを盛り合わせた「チーズプラッター」はガーデンランチの定番。こちらの盛りつけも、こどもたちの担当で、庭で育てているハーブを摘んで、組み合わせたりも。料理を食べやすく、そして美しく盛りつける練習になるのだそう。
「自分のことは自分で」の精神が身に付きやすいのは、メルボルンという街の特性とも関係があるのだとか。
「メルボルンはオーストラリアの中でも移民が多い都市。長く続く伝統や習慣が少ないぶん、個人主義が発達しているように感じます。こどもと言えど、それは一緒。家族で食卓は囲むけど、みんなが同じものを食べる必要はなく、自分が食べたいものを自分で用意するという考えなんです。」
日々の食生活や子育ての考え方は国によってさまざまですが、自分たちの生活に取り入れられるヒントやアイディアもたくさんありそうですね。
(『こどもオレンジページ No.2』より)
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