最新号のNo.4でも、こどもに(そして大人にも!)大切な5つの〈生きるチカラ〉を紹介しています。
発想転換力
~うまくいかないときにも「じゃあ別の方法を試そう」と頭と心をしなやかに切り替える力~くよくよいじけたり、かんしゃくを起こすのではなく、失敗からも「こんなことが学べた!」とプラスにとらえ、次に生かすことができる。
あきらめない力
~自分に合った方法を見つけ、目標に向かって粘り強く前に進む力~必要のないがまんはしなくてOK。とにかくやり続ける、というのではなく、目標を達成するための方法を前向きに探せることが大切。
クリエイティブ力
~自由な発想やアート感覚で新しいアイディアを生む力~日常生活の「当たり前」を見直し、「もっと楽しくしよう」「もっと便利になるかな」と枠にとらわれず自分なりの工夫をする。人と違っていたっていい!
共感コミュニケーション力
~相手の気持ちを想像して寄り添える力~上手に話すことより、お互いを理解するために対話を重ねようとする姿勢が大切。
探求力
~興味をもったことにどんどんトライする力~「おもしろそう」「やってみたい」「行ってみたい!」。自分の好きなこと、興味がわいたことを調べたり試したりすることで知識やスキルを高められる。
〈生きるチカラ〉のお話をしてくださったのは、1号めからの総合監修、東京大学名誉教授の汐見稔幸先生。
「こどもたちが未来を切り開くのには、テストやIQでは測れない〈生きるチカラ〉が大切なんです。」と汐見先生。
「近い将来、多くの仕事をAI(人工知能)が担い、育った国や考え方の異なる多様な人々と働く時代がやってきます。そんな未知の世界を生きるこどもたちには、算数や読み書きなどの学力だけでなく、コンピューターが思いつかないアイディアを生み出したり、人の気持ちを想像して心を通わせたりといった〈生きるチカラ〉を育ててあげたいですね。」
そしてそれは、じつは身近な「食」を通してはぐくむことができるんです。
たとえば、いっしょに買い物に行って新鮮な野菜を選んだり、料理中に味見をしてもらったり。「どれがいいと思う?」「何がたりないと思う?」などときいてこどもが考えるとき、意識がぐっと集中するもの。いっしょに料理をすることで、作業を分担して相手と気持ちよく協力できるようになり、会話する力も育ちます。「なぜ卵はゆでるとかたまる?」など、自分で問いを作って考える機会も自然に生まれてきます。
料理や食を通してのさまざまな体験が、こどもの〈生きるチカラ〉につながっていくんですね。
時間のできるお休みの間に、いつもより少し余裕をもって、こどもといっしょに料理や食事をしてみましょう。こどもが泣いて、騒いで、散らかして……カオス状態になっても、気にしない!
気にせず笑えば楽しくなり、楽しく食べれば、きっと〈生きるチカラ〉につながります。
「こどもオレンジページ No.4」より