子育て中なら誰もが思い当たる、「こどもの食」にまつわるお悩み。
「どうしたらいいのかな」と一人で抱えていたら、ブルーになっちゃう……。そんなときは、まわりの人にどんどん相談してみるといいかも!
子育てと教育学のスペシャリスト、汐見稔幸先生に相談してみました。
今日のお悩みはこちら!
「幼稚園ではパクパク食べていると聞くのに、家ではなかなか食べません……」
外ではよく食べるというので、少食というわけではなさそうですね。先生、理由は何か考えられますか?
食事をするときの「雰囲気」が食欲を左右します
汐見先生「食欲というのは、まわりの雰囲気や気分にかなり影響されます。家庭でも、親が楽しそうに食べていると、こどもも楽しくなって自然と食がすすむことは多いです。食卓での「~しなさい」「~しちゃだめ」などの命令・指示・禁止はなし!
……はっ、言われてみると、「早く食べなさい!」「食べ物であそばない!」など、こどもに言っちゃてるかも……。
汐見先生「食事の時間を楽しく彩るのは、会話のキャッチボールです。こどもに『今日幼稚園どうだった?』と質問するのではなく、『あのね、ママ今日こんなうれしいことがあってね』と、親のほうから話をするようにしてみましょう。
たしかに、質問するほうが多くて、自分の話はしていないような……。自分から今日の楽しかったことの話をしてみることにします!
汐見先生「子どもが食事を楽しんでいないな、あまり食が進まないな、というとき、料理の内容に気を向けがちですが、その前に、大人が楽しそうに食べたり、会話をしたり、雰囲気づくりのほうに重点を置いてみると、案外すんなり子どもも食べだす、ということはよくあります。『食事をする』ということは、〈食材〉といっしょに〈楽しさ〉を食べる行為でもあるんですよ」
汐見先生、ありがとうございました!
早速トライしてみたくなりました。
お話をうかがったのは……
汐見稔幸先生
東京大学名誉教授、日本保育学会理事、一般社団法人 家族・保育デザイン研究所代表理事。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。NHK Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみ。世界中の知見を集め、「これからの保育」を提言しつづけている。
(『楽しく食べれば、生きるチカラが身につく! こどもオレンジページ No.3』より)
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