
自分で作れるなんて…プロに教わる、感動ものの『えびの濃厚ビスク』/出がらし活用も

この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は【ビスク】です!
ビスクとはえびやかになどの甲殻類で作る濃厚なスープです!
今回はスーパーなどでも売っているお得なアルゼンチン赤えびを使って、濃厚でおいしいビスクを作ります!

では、さっそく作っていきまーす!

【其の一】
えびをしっかりつぶしながら炒めるべし!
えびを殻ごとしっかりつぶしながら炒めることで、うまみを出しきるのがおいしく仕上げるポイントです!
【其の二】
しっかりとこすべし!
えびや野菜をしっかりこして、濃厚でなめらかなスープに仕上げます。
ざるの外側についたペーストもうまみの宝庫なので、余すところなくスープに入れましょう。
野本流『えびのビスク』のレシピ
材料(2人分)

有頭赤えび(アルゼンチン赤えびなど)……400g (8尾)
玉ねぎ(粗みじんにしたもの)……80g
にんじん(粗みじんにしたもの)……80g
セロリ(粗みじんにしたもの)……30g
白ワイン(なければ酒)……50ml
トマトペースト……大さじ1
オリーブオイル……大さじ2
生クリーム(乳脂肪分47%のもの) ……大さじ4
だし汁……400ml
塩、こしょう……各適宜
イタリアンパセリ……適宜
お好みでバゲット……適宜
作り方
(1)えびは殻ごと流水でかるく洗う。ペーパータオルで水けをしっかり拭く。

(2)口径20cmの厚手の鍋に、オリーブオイルを中火で熱し、玉ねぎ、にんじん、セロリを入れて炒める。

野菜がしんなりしてきたら、えびを頭をちぎって加える。

うまみが出るよう、えびの頭と身を木べらなどでつぶしながら炒める。
※潰えびのみそやうまみをだしきるような気持ちで、しっかりつぶす。
トマトペースト、白ワインを加えたら、

さらに炒め合わせて調味料をなじませる。

だし汁を加えて、ひと煮立ちさせる。

※途中、アクが出たら適宜取る。
ふたをして中~弱火で30分ほど煮込む。

火を止め、ハンドブレンダー(またはミキサー)で撹拌する。
※ミキサーを使う場合は、粗熱を取ってからかける。

(3)ざるや万能こし器を耐熱のボールで受け、(2)を流し込む。ゴムべらなどで上からしっかり押さえるようにしてこし入れる。

ざるの外側についたペーストも、こそげ取ってボールに入れる。

(4)(3)を鍋に戻し入れて火にかける。

ひと煮立ちしたら生クリームを加えて、

塩、こしょうで味をととのえる。


(5)器によそってイタリアンパセリをのせ、オリーブオイル少々(分量外)をかける。お好みでバゲットを添える。

【野本流ビスク】のでき上がり!
濃厚な本格ビスクは満足感も抜群です!
バゲットはもちろん、ご飯にかけてもおいしい!
生クリームも乳脂肪分の高いものを使うのが、リッチな味わいになるポイントです。

ビスクをこしたあとのペーストの活用方法
ざるに残ったえびと野菜のペーストは食べられないの?
そんな声が聞こえてきましたw。
スープにえびと野菜のうまみをしっかり出しきったので、スープだけでも充分なのですが……、
それでも食べたいというかたにはコレがおすすめ!

ざるに残ったペーストをフライパンでしっかりいって、フードプロセッサーにかけて塩を加えると【ふりかけ】になっちゃいます。
ご飯はもちろん、から揚げや天ぷらなんかにかけてもおいしいですよ!
今回は本格ビスクをご紹介しました!
ぜひ作ってほしいレシピです!
谷中松寿司の旬ネタ
最後に松寿司の旬ネタをご紹介!
今回は『きんき』です。

地域によっては【きちじ】とも呼ばれます。
脂ののりが抜群の高級魚です。

松寿司ではかるく塩でしめてからあぶってにぎります。
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は2025年3月28 日(金)お花見にもぴったり「密閉容器押しずし」です。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき プロフィール写真/吉澤健太