うまみのかたまり! 話題の京都・『一休寺納豆』の食べ方を紹介【榎本美沙さん連載】

この連載では、出張で立ち寄った醸造所、旅先の道の駅……などなど、私がさまざまなところで出会った、魅力的な〈発酵フード〉を紹介しています!
気になる発酵フードがあれば、ぜひぜひお試しいただけたらうれしいです。
うまみのかたまり!『一休寺納豆』/京都・酬恩庵一休寺

今回ご紹介したいのはその名も、「一休寺納豆」!
‟納豆“とついているので、ねばねばのあの納豆を思い浮かべるかたも多いと思いますが、
こちら、全然違うのです。
私自身が一休寺納豆と最初にどこで出会ったのかは、正直覚えていないのですが……、ちょっとかじったとき「う、うまみ!!!」と、強いうまみと深いおいしさに感激したのは覚えています。
納豆菌を使っていないので、いわゆる納豆とはまったく別物。
蒸した大豆にこうじ菌などを混ぜて発酵させたもので、京都の京田辺市の酬恩庵というお寺で作られています。
ひと言で表すと、みそのうまみを強く凝縮させたような味わい! 中華料理に使う豆豉(トウチ)に似ているので、中華料理にはもちろん、調味料代わりに炒めものやトマト系の煮込みに入れると、うまみとこくがアップしますよ。
いろいろ使える! 一休寺納豆のおいしい食べ方
先ほど書いたように、中華料理や炒めもの、煮込みなど幅広く使える一休寺納豆。
私は、ねぎと卵の炒めものに入れるのが大好き! ねぎと卵の甘みにこくが加わり、絶品に仕上がります。簡単な作り方をご紹介しますね。
ねぎたまの一休寺納豆炒め

材料と作り方
溶き卵2個分に一休寺納豆小さじ2くらいを刻んで混ぜ、卵液を作る。
フライパンに米油小さじ2を中火で熱し、斜め薄切りにしたねぎ1本分をとろりと炒める。卵液を加えてさっと混ぜ合わせる。
味つけは一休寺納豆だけ!
シンプルな『ねぎたまの一休寺納豆炒め』ですが、一休寺納豆のふかーく濃い味わいで、絶品に仕上がります。
おかずにもおつまみにもぴったりな味わいです。
もちろんこれだけでなく、ふだんの炒めものにきざんで加えるだけでもこく深く仕上がります。
春巻きの具に少し入れたり、から揚げのころもに混ぜてみたり、魚の蒸しものに合わせても◎。ハヤシライスやグラタンのこく出しにもよさそう……!
なんと、おやつにも一休寺納豆!
一休寺納豆をお送りいただいた際、同封のお手紙に「あんこともよく合いますよ」と書いてくださっていました。
あんこ好きとしては、これは試さずにはいられない!
ということで家にあったゆで小豆で、あんバタートーストを作り、一休寺納豆を刻んでパラパラ。

あんことはもちろん、バターとの相性も抜群で、甘じょっぱさがたまらない、あんバタートーストになりました!
そして今、一休寺納豆はスタンダードなもの(右)と、黒豆を使った「BLACK」(左)もあるそうです!

「BLACK」は黒豆の深い味わいが加わっていて、これまたおいしい……。
普通の一休寺納豆と同じようにも使えますし、よりうまみが強いので、焼いた豚肉ときざんだ「BLACK」を合わせて食べても◎。
パッケージもかわいいので、手土産にすると話題になりそうです! ぜひお試しくださいね。
さて、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
次回は4月27日更新の予定です。また次回も楽しみにしていただけたらと思います。
今回紹介した発酵フード
『一休寺納豆』/酬恩庵一休寺
https://ikyuji.thebase.in/
榎本美沙
料理家・発酵マイスター。発酵食品、旬の野菜を使ったシンプルなレシピが好評で、テレビ、雑誌や書籍へのレシピ提供、イベント出演などを行う。 YouTubeチャンネル「榎本美沙の季節料理」、 Instagram(@misa_enomoto)も人気。最新刊『二十四節気の心地よい料理と暮らし』(グラフィック社)が好評発売中。その他の著書に『ゆる発酵』(小社)、『発酵あんことおやつ』(主婦と生活社)、『榎本美沙の発酵つくりおき』(家の光協会)など。
写真・文/榎本美沙