
あの物語が食べたい!ごはんが魅力的な本5選【読書の秋】

子供の頃、『ぐりとぐら』に出てくるホットケーキや、『からすのパンやさん』に出てくるたくさんのパンが大好きでした。小学校の図書館で必ず借りていたのは可愛らしいファンタジーとたくさんのお菓子のレシピが載った『わかったさん』シリーズ。
そんな私が最近、毎夜お腹を鳴らしながら読んだ食べものにまつわる物語をご紹介します。
『ひき石と24丁のとうふ』 - 大西 暢夫
岩手県の山奥で24丁のとうふを作る90代のミナさんの暮らしを撮影した写真絵本。やすみやすみ1日かけて作られる手作りとうふとミナさんの人生を垣間見られる一冊です。
『東京近江寮食堂』 - 渡辺 淳子
失踪した夫を探しに東京へやってきた滋賀県民のおばちゃんがつくる、美味しそうな家庭料理が次々登場します。発酵食が有名で個性的な郷土料理が多い滋賀県ですが、それゆえの近江料理に対する親しみにくさを小説のなかで上手く昇華してくれています。
『八朔の雪 みをつくし料理帖』 - 高田 郁
ドラマ化された『みをつくし料理帖』の原作第1巻。私がお店をやるならこんな食べもの屋をやりたい!と思った原点はこの時代小説でした。こんな小料理屋が自宅の近くにあったらなァ…。ぴりから鰹田麩、ほっこり酒粕汁。これからの季節にぴったりの一品が登場します。
『生まれた時からアルデンテ』
『ショートケーキは背中から』 - 平野 紗季子
美味しかったお店、雰囲気、味を小学生の頃からノートに書き溜めてきたフードエッセイストの平野さん。実際に存在するお店での体験が出てくるので、エッセイというより美食記を読んでいるような気分になります。読み終わってすぐ、私は今現在の平野さんがどんなご飯を食べているのか気になってInstagramで検索していました。

【番外編】大人も楽しい!食べものが出てくる最近の絵本
私にとっての『からすのパンやさん』のように、息子はいま『パンどろぼう』が大好き!子どもに読み聞かせているなかで、読んでいて大人も楽しいと感じた食べものが登場する絵本をご紹介します。
『おかしになりたいピーマン』
絵がポップでカラフル!好かれたいがために、いろいろなお菓子に擬態するピーマンについつい肩入れしたくなります。文字が少ないので読み聞かせしやすく、じっくり絵を楽しみながら読めます。
『ぎょうざがいなくなりさがしています』
お店から忽然と消えた餃子のラストに、子どもは「ええっ!」大人は「おおっ!」。
『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』
ごはんの出番はほとんどないのですが、食事シーンのあるあるから大きく飛躍していく擬音のオンパレード!大人の読み聞かせ次第で子供の爆笑をかっさらえる一冊です。
秋の夜長にお腹をぐうぐう空かせながら、ぜひ読んでみてください。
