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酒井若菜の 若菜さん、いっしょに考えて!わたしの肌の「第二の人生」
気づけば20代のころとは明らかに違う、肌や見た目。でも一人で悩んだとて結局、迷宮入り……。そこでコスオタ女優・酒井若菜さんが、あなたの肌と美容の「これから」をいっしょに考えます!

40代女性のお悩み「人のおすすめ美容を参考にしていますが、ほぼ効果ナシ」酒井若菜さんのお返事は……テンション!

2024.09.25

今回のお悩みは……?

ネットの口コミや美容系YouTuberさんなどを参考に、さまざまなスキンケアアイテムを取り入れてみたりするのですが、「わあ! すごく効果があった!」という経験がほぼ皆無です(泣)。

自分のチョイスのしかたがそもそもおかしいのか、アイテムのセレクトがまずいのか……。導入美容液、シートマスク、拭き取り化粧水etc. スキンケアの種類も多すぎて、気づけばまねして取り入れたはずのアイテムの順番も自己流になってしまっています。自分に合ったスキンケアアイテムの選び方や、どうやって人のおすすめを取り入れるといいのか、若菜さん教えてください!

Hitomikoさん(49歳)

心と肌の状態は必ずつながっています。
スキンケアで最も優先すべきことは「テンション」。

まず直球でお答えしてしまうと、すごく効果が出ますなど言うと、もれなく薬機法に引っかかってしまいます。スキンケアアイテムは、あくまで肌づくりの補助をしてくれるもので、劇的な変化をもたらしてくれるものではありません。

もちろんブランドによって、使用している成分の特徴はかなり異なってくるので効果はそれぞれ期待できますし、合う合わないも個人によって違います。そこでこちら側に必要なのが、「テンション」です。雑な言葉でお伝えするならば、プラシーボ効果です。

見た目が好き、という直感は侮れません。

母にスキンケアアイテムをプレゼントしたことが何度かあります。それまでに私自身が使用してよかったアユーラ、エリクシールなど。それまでプチプラのアイテムで満足していた母は、何度も自分でそれらの商品をリピートしていました。

特にアユーラに関しては「もうアユーラ以外は使えないの」なんて何年も言っていました。母の肌はそれまで以上にハリが出てピッカピカで美しくなっていました。
温かみとやさしさを感じるピンク色が特徴の「アユーラ  バランシングプライマー」。現在「バランシングプライマーα EXⅡ」「バランシングプライマーセンシティブⅡ」「バランシングプライマーセンシティブEX」の3種類が発売中。
https://www.ayura.co.jp/topics/products/2019/0201/

母に、なぜそこまでアユーラが好きなのかと聞いてみると、ひと言目は「ピンクのボトルがかわいいし」でした(もちろん二言目以降は正確なアユーラ情報を挙げていましたが)。母は、メイクボックスも鏡もドライヤーもブラシも、すべて控えめなピンクでそろえています。母は、アユーラさんのピンクのボトルを手にとることで、気持ちが上向きになり、自信のある肌になっていたのです。もちろん言うまでもなくアユーラはストレスケアに着目したブランドですから、成分もかなり厳選されているし、日本人向けだし、優秀なアイテムしかありません。なので私も大好きです。

ただ、もしもアユーラのボトルがピンクじゃなかったら、母はテンション高めにリピートしつづけられたか。それは私にもわかりません。アユーラだって商品の見た目にはこだわっているはずです。何万色とあるなかから、やさしく温かみのあるあのピンクを採用した理由が必ずあるはずなのです。特にアユーラは、五感にアプローチすることの大切さを教えてくれるブランドなので、母の受け取め方はあながち間違っていないと思うのです。

このスキンケアを使うとテンションが上がる」。これはとてもとても大切な感受性です。

自分好みの「素敵」を明確にすることから始める。

美容系YouTuberや口コミは、私は特定のものは見ません。自分でブランドの歴史を調べます。

たとえばエスティ ローダーは、第二次世界大戦後の1946年に正式にスタートしたブランドです。当時のアメリカは日本とは違い悲惨なムードではなかったにせよ、そしていくら自由の国アメリカであるにせよ、いずれにしても、女性の社会進出はまだ珍しい時代でした。創始者であるエスティ・ローダー氏の言葉は、すべての女性を励ましてくれるものばかり。私はエスティ ローダーさんの商品を使うと、「よし!」と気合が入ります。
そんなふうに、ブランドの歴史をたどれば、見えてくるものがあるかもしれません。

Instagramでもたびたび登場する「エスティ  ローダー」の商品。
しばらく実際に使用してよさをわかってからじゃないと紹介はしません。


また、私はロールモデルとして作家の向田邦子さんを挙げていますが、向田さんがどんなスキンケアをしていたのかはもちろんわかりません。

しかし、向田さんに抱くイメージと、エスティ ローダーに抱くイメージは、どこか合致していると感じています。どちらも凛としていて、女性ならではのクリエイティビティを確立させ、かつ性別を言い訳としない印象が強いからだと思います。だから、エスティ ローダーの商品を使用すると、私も働く大人の女性として、本当に心強い気分になります。

自分好みの『素敵』を明確にすることからはじめる。

スキンケアとメンタルは必ず繋がっている、というのが私の考えです。

現代ではたくさんのインフルエンサーが活躍していますね。なので、自分に合う人を見つけるのはとてもむずかしい。ましてや私のような深読みしがちなタイプは、「でもさー、高級美容医療もやってるって言ってるしさー、結局それがいちばん効果が大きそうだしさー」とつい考えてしまいます。
なので、私は特定のインフルエンサーや口コミには頼りません。

もちろん優秀なアイテムがあまりにも多いのでランダムに情報は仕入れますが、うのみには決してしません。まずは自分が思う「素敵」を明確にすること。そして、その「素敵」に合致するブランドの歴史やコンセプトを探っていくことをおすすめします。

自己流でもなんでも
心地よくスキンケアできてるかが大切。

自己流のスキンケアになってしまうとのこと。
ご自身の心の声を聞いてあげているということですから、そのままでいいと思います。提唱されているメソッドに従わなくてもいい。順序を吹っ飛ばしてもいい。結局自己流に戻ったとしても、ストレスを感じずにラクに続ける方法をとっくにわきまえている、ということではないでしょうか。

「かったるいな」と思いながら工程を重ねるより、「私はこれくらいが心地よい」と思いながらシンプルケアをするほうが、個人的には良いと思います。
そのためにも、自己流こそベスト!  という思い込みを持つこともまた、〈肌が堂々としてくれる〉きっかけになるかもしれません。
私が必ず毎日使ってるシートマスク。こちらは、大容量だし、液がヒッタヒタなので、めーーーっちゃくちゃおすすめです!
ビタペアC デイリーシートマスク 30枚(350ml) 2380円/NATURE REPUBLIC
https://naturerepublic.co.jp/shop/products/NF0256

そのうえで。
49歳とのことですが、「スキンケアアイテム、20年前からなんにも変えてないの」というかたもいるなかで、新しいアイテムにトライしつづけているって、かっこいいですよ。
知識も経験も豊富な女性が、新しい情報を素直に参考にして、素直に取り入れて、素直に学ぼうとしているその姿こそが、何よりも美しいと、私は思います。

心を喜ばせることがいちばんのスキンケア方法です。
自分に親切にしてあげましょう。


PROFILE
酒井若菜(さかい・わかな)

俳優。1980年9月9日生まれ、栃木県出身。A型。グラビアアイドルとして活動後、俳優へ転身し、数々のドラマや映画に出演。小説、エッセー集を発表するなど文筆業でも活躍中。近作にNHK「Shrink(シュリンク)―精神科医ヨワイ―」など。
現在放送中のMBS「スメルズ ライク グリーン スピリット」に出演。また日本テレビ系新日曜ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(10月6日22時30分スタート)への出演も決定している。
『酒井若菜の わたしの肌の「第二の人生」』毎月20日更新・過去の連載はこちら

文/酒井若菜 撮影/天日恵美子 写真3枚目/本人提供

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