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独身・子なしのお墓問題。 今から何か準備したほうがいい?【安藤優子さんが回答】

2025.01.22

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/孤独

独身・子なしのお墓問題。
今から何か準備したほうがいい?


現在独身で、パートナーもいません。両親も後期高齢者になり、ふとお墓のことが心配に。お寺関係のことは両親にまかせきりで、私自身お寺とのおつきあいはありません。お墓を継ぐ人がいないので、私の代で「墓じまい」をしなければならないのはもちろん、自分が亡くなったときのお墓はどうなるのか不安です。親戚に迷惑をかけないよう、今から永代供養の墓を買うなど準備が必要でしょうか。最近よく耳にする「樹木葬」や「散骨」なども気になっています。
(50歳・女性)

安藤優子さんの回答

今の人生を「どう生きるか」。その延長線上に、「どう閉じるか」が見えてくると思います。

ふきだし
安藤優子さん
お悩み回答者

安藤優子さん

お墓をどうするかという問題は、「今」と切り離して考えがちですが、決してそうではなく、そのかたの人生の延長線上にあるものだと私は思うんですよね。「どんなふうに生きたいか」「何を大切にしたいか」を考えた先に、「どう閉じたいか」が見えてくるのではないかと。

「自分らしい人生のしまい方」というのは、本当に人それぞれです。私の叔父は海辺に暮らしていたので、海洋散骨※1を希望しましたし、先祖代々のお墓に入って子孫に供養してほしいと思う人もいるでしょう。私自身は、お墓に対してこだわりがなく、きれいさっぱりなくなりたいタイプです(笑)。

「準備しなくては」とあせる気持ちもわかりますが、まずはこれからの人生、どう生きたら楽しいのか、どうしたら自分らしく生きられるかを考えてみてはどうでしょう? きっとその先に答えはあるはずです。

墓じまい※2も検討されているということですが、「両親が守ってきたお墓を自分の代で終わらせるのは忍びない」と心を痛めることがあるかもしれません。でも今は、少子化や核家族化などで、お墓を代々継承することが物理的に不可能な時代です。日本全体が抱える問題ですから、ご自身を責める必要はありません。

たとえお墓がなくなったとしても、供養の形はいろいろあります。私は自宅に両親の写真と位牌を飾って、毎日手を合わせています。暮らしの中で故人を思い出すだけでも立派な供養になると思いますよ。

※1 海洋散骨
遺骨をお墓に埋葬するのではなく、自然に返す「自然葬」のひとつ。遺骨を粉状にしたうえで海へまき、献花や献酒などを行って供養する形式をさす。

※2 墓じまい
墓石を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還すること。墓じまい後は、遺骨を他の墓地や永代供養墓地に改葬するのが一般的。厚生労働省の「令和4年度衛生行政報告例」によると、2022年度の改葬件数は過去最大の15万件超。10年前と比べると、約2倍に増加している。


安藤優子さん
キャスター・ジャーナリスト
1958 年生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科(現・国際教養学部)卒業。同大学院にてグローバル社会学博士号取得。数々の報道番組でメインキャスターを歴任。現在はメディア出演や講演活動のほか、椙山女学園大学の客員教授を務める。
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『オレンジページ』2024年8月2日号より)

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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