はじめまして! 谷中松寿司三代目・料理家の野本やすゆきです。このたび、オレンジページnetで連載をさせていただくことになりました。みなさんに魚の魅力、魚料理をちょっとでも身近に感じていただけるよう、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介したいと思っています。私も楽しみながら、みなさんに楽しんでもらえる連載になるように頑張ります!さて、初回のレシピは『しめ鯖』です。初回なのにレベル高すぎ……なんて思ったりしてませんか?心配御無用! 今回はなんと〈鯖缶〉を使って超簡単しめ鯖を作ります。 其の一:鯖缶は酢でしめるべし! 鯖缶に酢をどぼどぼ注ぐだけ。これだけで、新感覚のしめ鯖になっちゃいます。さすがに寿司屋で鯖缶は使いませんが(笑)、本当においしくできるから、まずはだまされたと思ってやってみてほしい。 其の二:寿司屋おすすめの鯖缶はコレ! じつは私、鯖缶の本を出しているのです。 そのときにいろんな鯖缶を食べ比べてみたのですが、私のいちばんはセブン‐イレブンの鯖缶ですね〜塩梅もちょうどよく、肉厚でほどよく脂がのっていて◎!全体的に身がゴロっとしているので、盛りつけやすいのも魅力です。国産の鯖を使っているので、残った汁はおみそ汁などのだしに使うのもおすすめ。今は高級鯖缶もありますが、コンビニで手軽に購入できるのがうれしいですよね! セブンプレミアム 国産さば水煮 190g238円(税込257.04円) 其の三:米酢を使うとよりおいしい! もちろん、穀物酢を使ってもおいしくできますが、おうちにあれば米酢を使うのがおすすめ!米の甘みとうまみ、まろやかな酸味が、鯖缶ともよく合うんです。 『超簡単しめ鯖』のレシピ 材料(1人分) さばの水煮缶詰(190g入り)……1缶酢……適宜みょうが……1個青じその葉……2枚ブロッコリースプラウト……適宜しょうゆ……適宜練りわさび……適宜 作り方 まずは、鯖缶の汁をきり……、 酢をひたひたになるまで注ぎ、10分ほどおく。みょうがは縦半分に切ってから横に薄切り、青じそは縦半分に切ってから、縦にせん切りにブロッコリースプラウトは根元を切る。みょうが、青じそ、ブロッコリースプラウトを混ぜて……さばを缶から取りだし、汁けをきったら皿に盛って。薬味をどっさりのせて、しょうゆとわさびを添えたら『超簡単しめ鯖』のでき上がりで〜す♪これはしめ鯖じゃない⁉ 思ってたのと違う⁉いろいろなご意見あるかと思いますが。寿司屋がしめ鯖って言ってるんだからこれは立派なしめ鯖です(笑)まずは一口食べてみて。酢がよーくしみ込んだ肉厚のさばに、香り豊かな薬味をあわせることで、よりさっぱりとした味わいが楽しめます。おかずやおつまみとして食べるのはもちろん、ほぐして、ちらし寿司やサラダなんかに混ぜても最高‼新感覚しめ鯖、めちゃくちゃ簡単なんでぜひ作ってみてください! 谷中松寿司の旬ネタ 最後に松寿司での旬の魚の話などをしていきます。初回は〈まぐろ〉! 私のいちばん好きな寿司ネタです。松寿司では生の天然本まぐろをお出ししています。春のまぐろは冬のまぐろに比べると脂は落ちますが、ほどよい上品な脂とさわやかな香りを楽しめます。ここだけの話、寿司屋の仕込みでいちばんテンションが上がるのはまぐろをおろすときです!その日のトップクラスのまぐろが豊洲市場から届いて、おろすときには寿司屋冥利に尽きるな〜と。素晴らしいまぐろを扱えることに感謝です。次回の更新は4/28(金)。ぷりぷりの旬の〈ほたるいか〉を使ったレシピを紹介します!野本やすゆき料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。YouTube:野本やすゆきチャンネルInstagram:nomotobase谷中松寿司:yanakamatsusushi