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飛田和緒さんの「月に1度のさもない昼ごはん」

冷蔵庫に入らないまるごと白菜を買って、やったこと【料理家・飛田和緒さん】

2024.01.17

人気料理家・飛田和緒さん。この連載は飛田さんの飾らないお昼ごはんをのぞき見させてもらいます。使うのは20年近く住む神奈川県・三浦半島の旬の食材! さて今日はどんな「さもない」お昼が見られるのでしょうか……?

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年が明けましたね。みなさんどんな年末年始でしたでしょうか。わが家は娘がなかなか戻ってこず(ただいま地方で一人暮らし)、家族のスケジュールが合わずに、ただグタグダしたお正月になりました。おかげで体はよく休んだと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。

今月の買い出しは……

さて、今月の買い出しは、立派な白菜から。
寒さに当たってますます甘みが増して、柔らかくおいしくなってきました。出かけた直売所ではもちろんカットした野菜は売ってませんので、まるごと一株買い。それでも、買ったらすぐにあれこれと下ごしらえすれば冷蔵庫にも入りますし、それだけでこのまるごと白菜があっという間になくなってしまうんですよね。

それから春菊、小松菜、ブロッコリー、花ゆずを買いました。
青菜もおいしい季節ですね。鍋に入れたり、ゆでておひたしにしたり、あえものにしたり……。冬野菜は色みが地味なので、青菜を積極的に使って彩りよくしたいものです。
ブロッコリーは娘のお弁当作りが終わってから、なかなか買うことがなかった野菜のひとつ。それでも今が旬ですから、味わっておこうとかごに入れました。

ところで、私は柔らかな白菜を見かけると、ついつい買ってしまうんです。

というのも、仕事柄撮影の際にはまだ旬を迎えていない野菜を使って調理することがほとんど。季節はずれでも通年野菜はあるものの、調理をしてみると思ったように柔らかくならなかったり、火が通るまでに時間がかかったり……。
雑誌やテレビでご紹介するころ、旬の季節になっておいしくできることを頭に入れながら、材料や調味料の分量を調整しているんですね。

だから、旬の白菜は巻きも柔らかく、見たとたん味が想像できてしまって、つい手が出ちゃうんです。大根も夏大根と冬大根では切ったときの感触が違いますしね。仕事をしていると旬の大切さをひしひしと感じるんです。

さっ、話が飛びました。もとに戻りましょ。

まるごと白菜を下ごしらえ

白菜はまず外葉をはずして、写真のように横半分に切ります。いつもこうするわけではないんですが、今日はこの切り方。あとあとどう食べていくかで縦に切ったり、葉を一枚一枚はずしたり、そのときによっていろいろです。
この横切りのいいところは、葉先の柔らかい部分と、葉もとの食べごたえがある白いしんの部分を分けられること。葉先はサラダなど生食に。

それでも今日は早くお昼に食べたかったので柔らかな葉先だけでさっと煮にしましたよ。思っていたよりも本当にさっとでした……。ほかのつけ合わせの準備が間に合わなかったくらい、10分くらいでクッタクタ! とろけるようでした。
鍋に白菜の葉先とベーコンをほんの少し入れ、ブロッコリーも少し入れてオリーブオイルを回しかけ、塩をひとつまみふって、ふたをして蒸し焼きに。
途中一度返して、そのときに水分が少なければ少し水をたし、充分出ていればそのまま、春雨をもどさず入れてもう一度蓋をして春雨が柔らかくなるまで火を通します。味をみて塩こしょうをし、花ゆずをぎゅっと絞って食べました。

残りの白菜はまず葉先の柔らかな部分は大きく手でちぎって重さの1%の塩をしておき、絞ってドレッシングであえてサラダにしたり、コチュジャンやみそとあえて即席キムチにしたりするのがおすすめ。
葉もとはさらに横半分に切りました。半分は洗って鍋にそのまま詰めて豚の薄切り肉をところどころに詰めて、塩をふり、酒とごま油を回しかけ、干ししいたけをもどしたものをのせ、もどし汁も少し入れて、ふたをしてぐつぐつ煮るだけ。今晩の夫のつまみにもう鍋にセットしました。

残りのしんの部分は、縦に幅2cmくらいに切って、葉先同様塩をしておきます。これは甘酢を合わせて花椒や唐辛子、しょうがを加えて中華風の甘酢漬けにしようかなと思っています。

パーッとここまでやってしまえば、まるごとの白菜は冷蔵庫に納まりますよ。ちなみに、はがした外葉はよく洗って干しています。今の時期なら外葉も柔らかいのですが、干すことでより柔らかさが増すのです。干してから炒めたり、スープに入れて食べるとおいしいですよ。

春菊のおいしい食べ方

春菊は葉を摘んで、下側の葉は鍋ものやあえものに。
上側の柔らかなところは、しらす干しをのせ、ポン酢をかけてサラダに。昼の一皿に添えました。
いかの刺し身と合わせたり、柿とサラダにするのも好きなのですが、今日は冷蔵庫にあったしらすで。

生の春菊は火を通した春菊より独特な味がややおだやかです。不思議ですね。ゆでたほうが香りが強く感じます。口にほんのり広がるほろ苦さがおいしい。葉がシャキッとしている春菊を見かけるとまずはサラダを作るくらい、好きな食べ方です。

そして残った茎はおみそ汁に入れたり、炒めたり、ゆでてあえものに。

なぜ、こんなふうに分けるかというと、サラダを作る目的もありますが、茎と葉のゆで時間の違いがいちばんの理由。
茎に合わせると葉がくったりしすぎるし、葉に合わせると茎がまだ堅めだったりすることがあって、このようにひと手間かけることにしています。新鮮な春菊なら茎も柔らかなので、ここまでしなくてもよいかもしれませんが、何度かうまくいかないことがあって……。このやり方をするようになって葉と茎、それぞれのおいしさがあると知りました。

小松菜はご飯のお供に

小松菜はまぁ野沢菜かと思うくらい、茎も葉も立派でしたので、漬けものにしました。ザクザク切って、まず塩漬け。水が上がったら、さっと洗って水けを絞って、にんじん、切り昆布と合わせて、酢、砂糖、しょうゆの漬け汁を作って、浸します。2~3日後ご飯のお供になりました。
長野で「野沢菜の切り漬け」を教わってから、冬の間はこの漬けものをよく作ります。こちらではなかなか野沢菜が手に入らないので、お仲間の小松菜で。茎がおいしいので、茎が太い小松菜が手に入ったときに必ず作る漬けものです。

おいしかったものだから、一気に食べ方を書きましたが……、そうそう白菜の蒸し煮にはお餅も1つ入れたんだった。冷蔵庫からベーコンを取り出すときに、1個だけ丸餅があったんで、いっしょに放り込みました。
白菜にとろーんとからんでこれもおいしかったな。餅入りなのに、ご飯も添えて、少々食べすぎた昼ごはんでした。

暖冬もあって、春野菜が早めに出てきそうな予感がしています。なんとなく旬が少しずつ早め早めになっている気がしていましたが、昨年の猛烈な暑さが、年が明けてもまだまだいろんなところに影響を及ぼしているようです。

毎年続けているみそづくりも今年は早めにスケジュールを組みました。保存の場所も冷暗所が家の中になくなりつつある……。梅干しを漬けたり、らっきょう漬けをしたり、冷暗所で保存するレシピを考えなおさないといけないなと。今年はそんなレシピの見直しをしつつ、お仕事を続けていこうと思っております。

また来月元気に会えますように。

少し春めいているか、それとも2月はいちばん寒さが厳しいから凍えているかしら。みなさん、お正月でごちそう続きでしょうから、温かい野菜料理を食べて体調を整えてくださいね。

飛田和緒

飛田和緒(ひだかずを)

料理家。神奈川県・三浦半島に夫・娘と住みはじめてから18年になる。海辺暮らしならではの魚料理や、地元の食材を使ったシンプルな野菜レシピが人気。繰り返し作りたくなる常備菜は、幅広い層から支持されている。お弁当や朝ごはんの記録をつづったインスタグラム(@hida_kazuo)も話題。著書に『いちばんおいしい野菜の食べ方』(小社)など。

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文・写真/飛田和緒 撮影/大森忠明(バナー、プロフィール画像)

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