ポルトガル風『たことじゃがいものホットマヨソース』の作り方【馬田草織さんのレシピとエッセイ・じゃがいも】

［第28回］【塾前じゃないごはんJK編】陰キャか、陽キャか、それが問題だ。

［第27回］【塾前じゃないごはんJK編】JK弁当ニューステージへ。スープジャーでなに作る？

母娘で久々の「東京ディズニーシー」へ

平日のとある休校日、JK娘と久しぶりにディズニーシーに出かけることにした。最近できたばかりの、うわさの新しいエリアをのぞいてみようよ、という軽い気持ち。それにしても、何年たってもランドもシーもまったく詳しくなれない。アプリをダウンロードして予約するだけでひと仕事終えた気分になるぐらいで、そもそも楽しみ方を心得ていないのだ。昨今の、情報戦のような準備が苦手、ということもある。案の定その日は寝坊して、シーに着いたときは開園から2時間近くたっていた。当然新エリアに入るためのパスやチケットは完売で、結局私たちは新エリアには入れなかった。

でも、それが意外にいい方向に作用した。従来のエリアが驚くほどすいていたのだ。平日ということを差し引いても、アトラクションに乗る待ち時間がいちいち短い。それは驚くほど。レストランも難なく入れる。すいてるって素晴らしい。これまで私が経験したなかでも、飛び抜けて快適だった。そもそもシーはアルコールも飲めるし、緑も多くて水辺エリアだから風も涼しい。かなり楽しい休日になった。

JK娘独特のキャラクター分析

その後シーを出て、夕ごはんはとあるフードコートで食べることにした。平日の早い夜は、学校帰りのJKやDKもいてにぎやか。料理を買ってテーブルに運び、さあ食べようと席に着く。するとJK娘が、遠くの席に座る数人のJKグループを見て、「あそこに陽キャ勢がいますな」とひと言。そうなの、お母さんから見ると普通のJKに見えるけど、彼女たちは陽キャなの。で、おぬしの分析ポイントはどこに。
「陽キャはね、人前でも自撮りがぜんぜん平気なの。誰かといっしょの自撮りだけじゃなくて、一人自撮りとかも平気かどうか、そのへんが見極めポイント」

へえ、そんなポイントがあるんだ。なんだか妙にいまどきっぽい分析だね。あの学校は陽キャが多い、あの子はうちの学校でいちばんの陽キャだよ。JCのころから現在に至るまで、毎日聞いているこの独特な表現方法。いつの時代も必ずある、性格や性質を表す独特の言い回しだ。特大の自意識をうまく飼い慣らせないティーン時代は、自分がどんなキャラクターなのかという認識や立ち位置のようなものが、ある意味最も重要なことなのかも。楽しいけど忙しく、悩み多きティーン時代。陰でも陽でもどっちでもいい。楽しめ、若人たち。

月1回お届けしてきたJK娘ライフのエッセイは今回が最終回。そして7月31日に、これまでご愛読いただいた連載「塾前じゃないご飯」の書籍を刊行いたします。現在絶賛製作中。書籍には、新たなコラムや日常の愛用品情報なども収録。新刊発売イベントも企画しております。お楽しみに！。

今回のJKごはん

「たことじゃがいものホットマヨソース」

ポルトガルではじゃがいもとたこは鉄板の相性。今回はさっぱり冷たくいただきます。ゆでたじゃがいもに薄切りのゆでたこをのせてマヨネーズソースをかけるだけの、あっという間にできるおつまみです。

じゃがいも2個は皮つきのままかぶるくらいの水とともに鍋に入れ、柔らかくゆでる。粗熱が取れたら皮をむき、薄切りにする。ゆでたこの足1本も薄く切る。玉ねぎ1/8個と青唐辛子1/4本はみじん切りにする。ボールにマヨネーズ大さじ2と玉ねぎ、白ワインビネガー大さじ1/2、青唐辛子を入れ、混ぜる。青唐辛子の代わりにハラペーニョソースでもよし。辛さは好みで調節を。器にじゃがいも、たこを盛りつけ、ソースをこんもりのせ、仕上げにパプリカパウダーをひとふりで完成。ワインがすすむ、けしからん初夏の一皿です。

馬田草織
文筆家・編集者・ポルトガル料理研究家。出版社で雑誌編集を経て独立。ポルトガルの食や文化に魅了され、家庭料理からレストラン、ワイナリーなど幅広く取材している。ポルトガル料理とワインを楽しむ教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ムイト・ボン！ポルトガルを食べる旅』（産業編集センター）、『ホルモン大航海時代』（TAC出版）などがある。一児の母。
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