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「調理室池田」の簡単でリッチな味わい『自家製ツナ』のレシピ・作り方

2024.03.01

調理室の自慢のサンドイッチ「ツナメルト」にも使用している、ツナの作り方とアレンジレシピを2回にわたって紹介します。店のテーブル家のテーブル第6回は、自家製ツナのお話です。
ツナといえば缶詰のイメージが強いですが、私たちの店では市場内の仲卸から調達したまぐろを、店内でオイル煮にしています。自分で作るまぐろのオイル煮は肉質がしっかりしていて、満足度が高く、料理の主役として使うこともできるでしょう。いっしょに煮たオイルもとてもおいしく、さまざまな料理にひと味もふた味も奥行きをもたらしてくれます。
毎回ターレーでどさっと運ばれてくる冷凍まぐろ。4kgほどを週に数回仕入れる。
毎回ターレーでどさっと運ばれてくる冷凍まぐろ。4kgほどを週に数回仕入れる。

まぐろ屋のおじさんとの出会い

私たちが市場に行くようになる前から、じつはまぐろ屋とは縁がありました。さかのぼること15年以上前、毎週スーパーでまぐろの催事をしていたおじさんがいました。おじさんから買うまぐろはおいしかった。当然、毎週のように通うようになりますが、しだいに興味はおじさんとの料理の話になります。

刺し身を買うと、時折あらのおまけをつけてくれるようになり、そのつど食べ方をよくよく教えてもらうように。家に戻ってすぐに言われたとおりに作ることが本当に楽しかったし、勉強になったものです。

話は毎回盛り上がり、あるときなぜか真鯛のあらを持っていかないか、という話に。大きな包丁を持っていないと言うと、出刃包丁までも渡してくれたときがありました。新聞紙に包まれた出刃包丁を持ってスーパーの中を歩くのは少々気が引けたのですが、とてもうれしかったことを覚えています。
おじさんからいただいた出刃包丁。今も大事に使っている。
おじさんからいただいた出刃包丁。今も大事に使っている。
おじさんに教えてもらったように、かまをオーブンで焼いたり、尾をから揚げにしたりするうちに、私の料理の腕は上がっていきました。そして、刺し身だと噛み切れないような筋目の部分が、じつはコラーゲン質で、加熱によって柔らかく至極おいしくなるということを知ります。
それから好んで筋の多い部分をわけてもらい、オイル煮を作るようになりました。おじさんとはしだいに会えなくなるのですが、この出会いには今でも感謝しています。

自家製ツナに合うまぐろの選び方/火の通し方

前述のとおり、まぐろを加熱したときにおいしいのは筋目の部分です。店ではめばちまぐろの刺し身にならないような部分をわけてもらってツナを作っています。スーパーなどで購入する際は刺し身用のさくでもいいのですが、赤身部分は比較的堅くなりがち。手ごろな切り落としなども上手に利用してください。
また、堅くならないためにも火はやさしくじんわりと通します。身が薄く小さいものは火が通りやすいので加熱しすぎに注意しましょう。
それでは、詳しい作り方を紹介します。

『自家製ツナ』のレシピ

材料(作りやすい分量)

まぐろ(あれば筋目が多い、かたまりのもの)……350g
塩……小さじ1強
にんにく(大)……2かけ
オリーブオイル……適宜

〈スパイス〉
黒粒こしょう……小さじ1
フェンネルシード(ホール)……小さじ1
コリアンダーシード(ホール)……小さじ1

〈ハーブ〉
ローリエ……2~3枚
ローズマリー(フレッシュ)……1枝
タイム(フレッシュ)2~3枝


作り方

(1)材料の下ごしらえをする
まぐろは大きければ鍋に入る長さに切り、塩を全体にすり込んでなじませる。にんにくは包丁の腹でつぶす。
(2)鍋に材料を入れる
口径20㎝の鍋に、にんにく、スパイスを入れ、まぐろとハーブをのせる。オリーブオイルをひたひたに注ぎ、アルミホイルを鍋の口径よりひとまわり小さい円形に切ってのせ、弱めの中火にかける。
(3)オリーブオイルで煮る
ふつふつと小さい泡が立ち、まぐろの表面が白っぽくなってきたら、ごく弱火にして上下を返す。トングや箸を刺して身が簡単にほぐれるくらいになったら火を止め、そのままさます。清潔な保存容器に入れ、冷蔵で4日ほど保存可能。
エキストラバージンオリーブオイルは冷えると固まって扱いにくくなるので、私はオイルを溶かす程度に温めてから使っています。このとき、鍋を出すのは少々手間がかかるので、じか火が使えるステンレスやホーローの容器(※)などにツナを保存しておくと便利です。容器は加熱すると熱くなるので、必ずミトン等を使用してくださいね。
※商品によってじか火が使えないものもあります。お手持ちの商品の取扱説明書に従って使用してください。

次回は3/15(金)更新。サラダやパスタなど、「ツナのアレンジ」レシピを紹介します。ぜひ、次回の配信に合わせて作って待っていてくださいね。

撮影よもやま話

調理室が店を構えるここ北部市場には、毎朝たくさんの料理人が買い出しに出入りします。いちばん多いのはすし屋ですが、パティシエや西洋料理のシェフも訪れます。今は市場を介さず生産者や漁師から直接仕入れるスタイルがトレンドになりつつありますが、やはり新鮮な食材を前に目ききの仲卸とあれこれ話をしたり、自分の目で一つ一つ吟味する作業は、料理人にとってクリエイティブの原点なのだろうと思います。私たちは幸せなことにそれが当たり前に行える環境に身を置いていて、毎日それを繰り返します。食のプロが集まる市場で店を営むことができるのは、とても刺激的で楽しく幸せなことであり、私たちにとってここはパラダイスなのです。あるシェフに言われた言葉をときどき思い返すことがあります。「長年この市場に通っているけど、ここで店をやろうなんて考えたこともなかったよ」。(文/池田講平)

調理室池田
調理室池田
2018年12月に川崎市にある中央卸売市場北部市場内に開店。アンティークショップ・アートギャラリーを兼ねた、市場には珍しいスタイルのカフェ。早朝から働く人がコーヒーを片手に手軽に食べられるようにと作った焼き菓子や、ツナサンド、フリットといった市場で仕入れる新鮮な魚介類を使ったランチが人気。
公式HP 公式インスタグラム 

神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1 川崎市中央卸売市場北部市場 関連棟 45 
営業日/月・火・木・金・土曜
営業時間/7:00~13:30
(ラストオーダーは13:00、土曜日のみ14:00)
ランチタイムは 11:45~ 休みは市場に準ずる(原則、水・日曜と祝日) 
※一般のかたの市場への入場は8時から。来店の際は必ず上記HPかインスタグラムを確認してください。

調理室池田 過去の連載はこちら

料理・文/池田宏実 撮影・スタイリング/池田講平 編集/小林

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