みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。メンバーにおいしいものを紹介してもらうこの連載も第11回、初回が遠い昔のようです。
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あんりちゃんから
「ピッツェリア ルメン(新宿歌舞伎町にあるイタリアン)」
あんりちゃん
「フレッシュな甘みのトマトと水牛モッツァレラのマルゲリータ
石窯で焼かれたピッツァは耳までおいしい、具材も素材のおいしさが生かされたシンプルな味で最高!」
ある日、劇場の隙間時間にぼる塾のみんなでごはんの話で盛り上がっていました。
あんりちゃん「そういえば、この前はるちゃんと行ったイタリアンがとてもおいしかったんですよ」はるちゃん「あそこすごくおいしかった!」田辺さん「どこ! 教えて! 言いな!」私「田辺さん落ち着いて」私は荒ぶる田辺さんを落ち着かせ、あんりちゃんに話の続きをお願いしました。
あんりちゃん「その日ははるちゃんと新宿を歩いていて、お腹減ったねってなったんですよ」私「うんうん」あんりちゃん「それで、『そういえばこの近くにかなでが教えてくれたおいしいイタリアンがあるなー』って思い出して」田辺さん「かなでが!? それはもう絶対においしいイタリアンじゃない!!」あんりちゃんの親友の女芸人、
「3時のヒロイン」のかなでちゃんは、ぼる塾の中で食のヒロインでもあります。(田辺さん曰く
「かなでが焼く焼肉は世界で一番おいしい焼肉」らしいです)
あんりちゃん「それで行ったんですけど、もう滅茶苦茶においしいイタリアンでした」はるちゃん「最高だったー!」田辺さん「あんた達ずるいよ!」はるちゃん「だって田辺さんいなかったんだもん」田辺さん「何で私はいないのよー!」私「何食べたの?」あんりちゃんは
「ちょっと待ってくださいね」と言って、スマホを取り出し、それはそれはおいしそうなピザの写真を見せてくれました。
あんりちゃん「見てください! このマルゲリータ! これが絶品でした!」私「わーおいしそう!」あんりちゃん「このトマトとモッツァレラがとんでもなくおいしくて! マルゲリータを選んだ自分を褒めてあげたいです」田辺さん「シンプルな物がおいしい店は本物だよ」あんりちゃん「この生地を見てください! 生地が薄めで、でも耳の部分はもっちりしていてクリスピーまではいかないんです!」私「これは私大好きな生地だわ」田辺さん「酒寄さんバカだね。この生地嫌いな人いないよ!」あんりちゃん「これ石窯焼きです」田辺さん「かっー! 石窯焼き!」私たちは
「石窯焼きを最初に考えた人は天才だ」と言って、石窯焼きを最初に考えた人はもっと評価されるべきだと言い合いました。
あんりちゃん「実は私、昔は石窯焼きが嫌いだったんですよ」田辺さん「え! 石窯焼き嫌いなんて人いるの!? なんでよ!?」田辺さんの質問にあんりちゃんは
「私も昔は若かったんですよ……」と言い、恥ずかしそうに話し始めました。
あんりちゃん「石窯焼きってなんかかっこつけてて嫌だったんです。だから、石窯焼きって見ると、『かっこつけやがって!』って思って、『私、石窯焼き嫌いなんだよね』って言って避けていたんです。それはもう毛嫌いしていました」私「それがなんで好きになったの?」あんりちゃん「ある日、試しに石窯焼きのピザを食べてみたら、びっくりするほどおいしかったんです! 石窯焼きってかっこつけてるわけじゃなくて、おいしくなるから石窯焼きだったんです!」
私「そりゃそうだよ」田辺さん「あんり、あんたドジだね!」あんりちゃん「本当に私はドジです! タイムマシーンがあったらやり直してもっと早く石窯焼きピザを食べ始めたいですよ!」あんりちゃんのドジによって、私はタイムマシーンの新しい使い方を学びました。
あんりちゃん「しかも、このお店、ピザ以外もおいしいんですよ! サラダとかもおいしいし、骨付き鴨のコンフィが絶品でした! 黒板に書いてあったから選んだんですけど、いつもあるのかな? あれも絶対にまた食べたいです!」田辺さん「黒板メニュー! 私あれずっと読んでられるよ!」はるちゃん「しかもお店の人もすごいんですよ! 私とあんりが注文したとき、『それだと少し足りないかもしれません』って言ってきて! 何でこの人は足りないって私たちの胃の容量を知ってるの? ってびっくりしました!」私はそれに関しては恐らくお店の人は一般的な量の基準で言ったのでは? と思いました。
あんりちゃん「小桃のピクルスとかもあるんですよ」私「えー! 素敵!」あんりちゃん「新宿って仕事とかで行くことが多いから、こんなにおいしいイタリアンがあるのは本当に助かります!」はるちゃん「しかもお店がすごくオシャレなんです!」あんりちゃん「なんで私はこんなオシャレな店にはるちゃんといるんだろうって落ち込むくらい素敵でした。ああ、デートで行きたい」はるちゃん「私はあんりと一緒で幸せだったよーん! っていうか? あれはデート? きゃっ!」あんりちゃん「今度、酒寄さんと田辺さんも行きましょうよ!4人で行ったらもっと沢山食べられる!」はるちゃん「他にも気になったメニューいっぱいあったもんね!」私「はるちゃんいま完璧に無視されたのに心が強いね」田辺さん「今度じゃ遅いのよ!!」田辺さんの悲痛な叫び声によって、とっても楽しかった空気が静まり返りました。
田辺さん「今度じゃ遅いよ……」私「田辺さんどうしたの?」田辺さん「私は今ピザが食べたいっ!!」あんりちゃん「田辺さん……」田辺さん「ピザはね……伝染するの」田辺さんは涙こそ流していませんでしたが、どこからどう見ても泣いていました。
田辺さん「ピザの話をこれだけ聞かされたらピザ食べたくなるよ!」はるちゃん「田辺さんごめんね!」私「いや、謝らなくても良いと思うよ」田辺さん「無性にピザが食べたい…この気持ちどうしてくれるの?」あんりちゃん「田辺さん……今夜ピザしますか?」田辺さん「あんり!」あんりちゃん「どうやら私にも田辺さんのピザ欲が伝染したようです」田辺さん「あんり!!」あんり「今夜はピザです!」そこから二人は劇場から近いおいしいピザの食べられる店を検索し始めました。
あんりちゃん「本当はピッツェリア ルメン行きたいですけど、一刻を争いますからね」田辺さん「ええ。一度ピザ欲を満たして改めてそこも行きましょう」あんりちゃん「ピザは続いても大丈夫ですしね」田辺さん「まさにその通りよ。ねえ、ここ良くない?」あんりちゃん「お、良いですね!この店もどうですか?」田辺さん「あら、そっちも素敵!」私たちは4人とも舞台前は緊張するのですが、そのときの舞台前は、私とはるちゃんが
「緊張するねー」と言っている中、
田辺さん「ねえ、何注文する? 私とあんりなら結構いけるよ」あんりちゃん「マルゲリータは外せませんね」なんと二人はピザによって緊張を吹き飛ばしていました。
田辺さん「お疲れ様!」あんりちゃん「お先に失礼します!」はるちゃん「え、はやっ!」本番後、私とはるちゃんはまだ衣装姿のままなのに、二人はもう着替え終わって荷物をまとめて楽屋から飛び出していきました。
私「ピザが二人をスピードスターにした!」その後、田辺さんから
「うますぎてピザの写真撮る前に食べ終わった」というメッセージと共に芋料理の写真が送られてきました。
……ここまで書いて、私は今無性にピザが食べたいです!
ピザ欲が伝染するって本当です! 早急にぼる塾4人でピザデートの日程を取り決めたいと思います!
※これはピザデートが待ちきれなくて私が勝手に食べたピザ
ぼる塾 酒寄希望(さかより のぞみ)
お笑い芸人。1988年4 月16日生まれ・B 型。東京都出身。お笑いカルテット・ぼる塾のリーダー。1児の母。著書に『酒寄さんのぼる塾日記』『酒寄さんのぼる塾生活』(ヨシモトブックス)など。
今回登場したのは……
〈東京〉Pizzeria LUMEN
マルゲリータ 2090円
公式食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13025499/