
2016.11.13
「トマトきらーい!」「なす、イヤー!」
子どもの野菜嫌い、悩ましいですよね。でもこれって、本能的なものなのだそう。
●子どもの野菜嫌いは、健全な成長のあかし
たとえば、子どもが嫌がるトマトの酸味やなすの苦み。
管理栄養士・成田崇信さんによると、酸味は腐敗をあらわし、苦みは毒を感じさせることから、これらの味を嫌いだと思うのは、自然界で暮らす生き物として本能的な感覚。幼い子どもはこの危険センサーがとくに敏感だそう。逆に成長するにつれ、食べられるようになるのは、何度も繰り返し食べて「食べても大丈夫」と脳が学習するため。つまり、野菜嫌いを直すには食経験を重ねることが重要なんです。
●「食べなきゃダメ!」は野菜嫌いを悪化させる
とはいえ、食経験を積むために、嫌いな野菜を無理やり食べさせようとするのはNG。叱られた記憶とその野菜が結びつき、もっと野菜嫌いを悪化させてしまいます。同じ理由で「食べるまでテレビ禁止」「食べないと大きくなれないよ」などと脅すのもいけません。それよりも、子どもの好奇心を刺激するのがポイント。ここでは、トマトを例にとって説明しましょう。
●野菜を「食べてみたい!」と思わせる3つのテクニック
【1】野菜の栄養を説明する
野菜を「食べなきゃダメ」なものではなく、「食べるといいことがあるもの」と思わせるのがポイント。たとえば、「トマトの中のゼリーみたいなところを食べると、うんちがするっと出るようになるんだって(ペクチン)」「暗いところでもよく目が見えるようになるパワーがあるんだって(ビタミンA)」など、子どもにわかりやすい言葉で説明しましょう。
【2】子どもに野菜を選ばせる
野菜の図鑑などを見せて、「トマトは赤が濃いほうがパワー(栄養)いっぱいなんだって!○ちゃん、選んでくれる?」と買い物のときに頼んでみましょう。夢中で選ぶうちに、その味にも興味がわいてくるはず。
【3】野菜をつかった簡単な料理や実験をする
たとえば、トマトの皮が噛みにくくて嫌がる子どもには、こんな簡単クッキングを。
1、プチトマトを洗って冷凍庫で凍らせる。
2、へたを取って水道水をかけると皮がむける。
3、トマトシャーベットのできあがり!
このように、さまざまな方法で野菜に興味を持たせ、「食べてみようかな」と思わせられたら、しめたもの。実際、これらの方法を親子モニターに試してみてもらったところ、野菜嫌いが改善したとの報告が続々編集部へ届いたんですよ。
「食べなさい!」以外の方法、ぜひ試してみてください♪
イラスト/KAMAKIRI 文/編集部・清
(『すごいぞ!やさいーズ~子どもと野菜をなかよしにする図鑑』(オレンジページ刊)より)
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