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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.135】『エッシャー通りの赤いポスト』

2022.01.07

こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。本年もどうぞよろしくお願いします。
映画館では、たまに舞台挨拶やトークショー付きの上映がありますね。僕は作品の余韻にひたったまま帰りたい方なので、いつもはそこまで興味はないのですが、年末に今作を見たときは上映後に役者さんたちが挨拶にみえて、その熱い姿勢が伝わってきてすごく感激したのです。
鬼才と呼ばれる園子音監督の最新作は、思わず「これこれ!」と言いたくなるような、監督らしさ全開の内容。監督の、そして役者さんたちの映画愛がこれでもかというくらい込められた、笑って泣いて(?)元気が出る作品です。


ポストに投函するのは、応募用紙と熱い気持ち。大人気のカリスマ映画監督・⼩林正(⼭岡⻯弘)の最新作『仮面』へのキャストが広く募集され、いろいろな素性を持ったキャラクターがそれぞれの思いを応募用紙に託します。そんな、映画自体がテーマとなったストーリー。俳優志望だった亡き夫の意思を継ごうと決意した切子(⿊河内りく)や、とある事情によって常に殺気をみなぎらせている安子(藤丸千)など、出てくる登場人物の誰もがキャラ立ちし過ぎ。小林監督を愛してやまない「⼩林監督⼼中クラブ」という不思議な人たちでさえ、特段には目立たないほど。そうそう、こういう人たちが出てくるんだよな~この園子音督の作品は……(嬉)と、のっけから一気に引き込まれてしまいました。
前述の切子や安子、そして小林監督の恋人である方子(モーガン茉愛羅)たちがヒロインという設定のようですが、なんせ登場人物が多いため、きっとみなさんのお気に入りキャラが見つかると思います。個人的には、二股をかけたりと一見ダメ男風ながら映画にかける思いは人一倍強い、助監督のジョー(⼩⻄貴⼤)がなんだか好きでした。


小林監督の『仮面』に出演するべく、登場人物たちはオーディション会場へと集まるのですが、この設定はある意味リアルなんです。というのも、この映画に出演している役者さんたちは、園子音監督が行う映画ワークショップに応募し、書類審査や面談を経て選抜された精鋭たち。そのワークショップのために用意された脚本こそ、この『エッシャー通りの赤いポスト』でした。「実践的ワークショップ」と題し、受講者全員がきちんと映画出演も果たせるように、という園子音監督の粋過ぎるはからいだったそうです。
この映画、あまり知っている役者さんはいませんでした。演技経験がなかったという方も含め、園子音監督の作品に出たいという強い気持ちがまさに映画にそのまま現れていて、そんな事情を知るとますます面白く感じます。若い役者さんが多い中、ベテランながら自らワークショップに応募したという藤田朋子さんや、『冷たい熱帯魚』出演の吹越満さんや渡辺哲さんなど、さすがの存在感です! それぞれのキャラの面白さや、予想の斜め上をいく展開など、伝えたい魅力は尽きませんが、ぜひ劇場で体感してください。


エッシャー通りの赤いポスト』渋谷ユーロスペースほかにて公開中
配給・宣伝:ガイエ
©2021「エッシャー通りの赤いポスト」製作委員会

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

文/編集部・小松正和

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