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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.114】『親愛なる君へ』

2021.07.30


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。台湾カステラが最近人気ですが、この夏、台湾映画も良作揃いの予感! 公開中の『親愛なる君へ』は、台湾アカデミー賞で3部門を受賞した話題作です。同性のパートナーを失った主人公と、亡きパートナーの家族が織りなすストーリーは、そこだけ切り取るといわゆるLGBT映画というカテゴリー。でもそれだけではなく、血の繋がらない者どうしの絆、シンプルな人間同士の愛などいろいろなものが描かれています。どうしようもないほど悲しく、切なく、それでも温かいものが心を満たす作品です。


差別や偏見の裏にあるのは、恐れや不安。自分が知らないことへの恐れ、そして違う価値観を認めることで自分の地位が脅かされるのでは、という不安。ジエンイー(モー・ズーイー)は、年配の女性シウユー(チェン・シューファン)と、彼女の孫のヨウユー(バイ・ルンイン)と暮らす青年です。3世代の家族が同居しているのかと思いきや、女性の青年に対する態度はそっけない。彼女は、今は亡きジエンイーの同性パートナーの母親で、子どもはパートナーの息子なのです。
愛する人の家族と暮らすことで、彼は心の中で生き続ける。そんなジエンイーの気持ちを打ち砕く出来事が次々に起こります。シウユーが急死し、その死因について彼にその疑いが向けられてしまうのです。あまりにも無神経な質問をしてくる捜査官に対し「僕が女性でも、同じ質問をしますか?」と返すジエンイーの言葉には、悲しみと怒りが詰まっています。愛する人を失った上に、大切な思い出までも汚されるのですから。


この映画には、色んな愛がある。ジエンイーと、この世を去ったパートナー・リーウェイ(ジャック・ヤオ)の間にある愛。亡き息子を想う、母としてのシウユーの愛。そのシウユーとヨウユーの面倒を見続けたいと願う、ジエンイーの気持ちもやはり愛。こんなに愛が溢れているのに、偏見のせいで全てが悪い方へと向かってしまうのがやるせない。
全体がミステリー仕立てになっていて、シウユーとリーウェイの死にまつわる出来事がだんだんと明かされていき……。そこには美しい感情だけでなく、不安や嫉妬という醜い感情もきちんと描かれています。その人間くささが、ストーリーをより魅力的にしています。ジエンイーは愛するヨウユーとこれからも一緒に暮らせるのでしょうか?


2019年に、アジアで初めて同性婚が合法化された台湾。この映画は少し前の時代設定なので、多様性を認める社会に向かう過渡期だったのでしょうか。制度が整うだけでは差別や偏見はなくなりません。そこからさらに一歩進もうとしているんですね、台湾は。
同性間の愛だけでなく、シンプルに人と人の結びつきを描いている今作。血の繋がりを越えた結びつきが確かにあるのだと、教えてくれます。


『親愛なる君へ』シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開
配給:エスピーオー、フィルモット
©2020 FiLMOSA Production All rights

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

編集部・小松正和

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