
2016.01.14
『オレンジページ1/17号』の「ご当地鶏つまみ」T-1グランプリでご紹介したのは、グルメの街・福岡で「いつも満席!」と地元っ子を騒がせている、焼きとりの「かわ屋」。看板メニューの「鳥皮」は、外はカリカリ、中はブリッとした食感、バターにも似た独特のコクで、多くの人がやみつきに! ここでは誌面で伝えきれなかったシーンを、お見せします。
午前9時から仕込み開始と聞いていたので「ちょっと早めに……」と、朝8時30分に店の扉をそーっと開けてみると……
すでに、この光景!!!
営業は夜ですが、鳥皮だけで1日に100kgの仕込みがあるため、早朝からフル回転しないと間に合わない!10人の女性スタッフが黙々と作業を進めます。その手元に注目してみると……
まず、皮をの余分な脂を取り除いて1枚ずつ広げる(これだけで既に気が遠くなりそう……)
皮を串にグルグル巻きつけて、
はみ出した皮をカットして整えます。
こちら、この道十数年のベテラン・矢野さんの作った1本!美しい!一見簡単そうに見えるかもしれませんが、堅さも形もさまざまな皮を均一に美しく、しかもスピーディに巻きつけるのは至難のワザ。「〈これは80点!〉とか心の中で点数をつけながらね、楽しいもんですよ~」なんて親しみやすいなかにも、キラリと光るプロ根性を、わたしは見た!
ここからは男性陣にバトンタッチして「火入れ」。
焼いては1日ねかせる工程を7回も繰り返し、「6日間」かけて余分な脂を落とします。一度に脂を落としすぎても食感が損なわれるため、絶えず串を回転させながら、絶妙な頃合いをみはからって火からおろします。この厨房の中、冬でも汗が吹き出すほどの熱気です。
焼いたらたれをドドーッ!と注ぎ入れて浸します。
1回目の火入れの後、たれに浸してひと晩。こんな巨大な桶に4~5個分が1日に売れてしまうそうです……。圧巻!!
この火入れをあと6回繰り返し、ようやく完成するわけです。これだけの手間暇をかけながら、1本108円!「安すぎませんか!?」と思わず問いかけると、「気軽に食べてもらいたいんで」と男前の返答。
「安くて、ウマイ」人気メニューの影には、作る人のたゆまぬ努力があるのですね~(しんみり)。明日も明後日も、お客さんの期待に応えたい一心で、『かわ屋」の仕込みは続くのです!!究極の1本を求めて、福岡に行く価値アリですよ♪
『かわ屋 警固店』福岡県福岡市中央区警固2-16-10吉武ビル1F
(編集・前田)
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