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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.92】『天空の結婚式』

2021.01.22


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
コロナ禍で世界中が大変な状況ですが、中でも不利な立場に追い込まれているのが、移民や難民などマイノリティと呼ばれる人たち。格差がさらに広がっていると聞きます。
この映画は男性カップルの結婚がテーマで、彼らもまたマイノリティと呼ばれる存在。世界中がみんな自分のこと以外に余裕がなく、不寛容になっている今、差別や偏見がまた広がってしまうのかなあと思っていました。
でもこの作品を見ると、そんなネガティブな気持ちも吹っ飛びます! 社会の問題を的確に切り取りつつも終始ユーモアに溢れた、良質なコメディです。


同性愛を扱ったドラマや映画で、「同性愛に理解がある女性」が出てくるのは割と典型的な展開ですが、理屈としては当然なのかな……。国や宗教によって差はあれど、女性は抑圧を受けやすい存在。不当な差別や偏見の対象となる同性愛者に寄り添う人が多いのは、納得がいきます。
この映画も一緒。ベルリンに暮らすイタリア人のアントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)は、「この人と一生を共にしたい」と、同じくイタリア人の恋人パオロ(サルヴァトーレ・エスポジト)にプロポーズ。アントニオの実家に出向き、両親にカミングアウトと同時に結婚の報告をするのですが、味方になってくれたのは母親のアンナ(モニカ・グェリトーレ)でした。対して、この地で村長を務める父親のロベルト(ディェゴ・アバタントゥオーノ)は猛反対。そんな夫をアンナは家から追い出し、さらには最高の結婚式を息子カップルに提供しようと、今をときめくウェディング・プランナーに依頼をするのです(ちなみにこの人は実在の人物で豪華にも本人出演)。


アントニオの故郷はイタリア・ラツィオ州にある「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」という集落。ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」の舞台となったと言われている、風光明媚な土地です。アントニオ達の結婚に対して祝福ムードの村人たちを見て、「田舎の人たちがこんなに寛容かな?」とやや疑問に感じましたが、父ロベルトのキャラクターを際立たせるためなのかなと思いました。
村長として村に難民を積極的に受け入れようとする彼は、人権意識の高い人物。それなのに、息子の人権は尊重できないという矛盾がとってもリアルで、こういう人は多いですよね。他人には寛容になれるけど、身内となるとそうはいかない。誰もが持っているずるい部分を、このお父さんが悪者になって映し出してくれているのだと思います。


ところで、この映画はサブキャラクターの設定もなかなか細かい。アントニオとパオロの大家&同居人であるベネデッタ(ディアーナ・デル・ブッファロ)は異様に歌が上手く、新たに2人のルームメイトとなったドナート(ディーノ・アッブレーシャ)には女装好きの一面が。「こんな細かい設定要る?」と思いましたが、ラストで見事に回収されます(笑)。 
同性愛を扱った作品は、どうも変に美化されたり、逆にコミカル過ぎるものが多いなーと思っていたので、気持ちの良い前向きなハッピーエンドがとても好きでした。

「天空の結婚式」 
1月22日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
©Copyright 2017 Colorado Film Production C.F.P. Srl


【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

次回1/29(金)は「私の叔父さん」です。お楽しみに!

文/編集部・小松正和

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