気軽に始められる全身運動として人気の高いウォーキング。
ウォーキングのダイエット効果といえば、なんといっても「脂肪燃焼効果」。
ウォーキングをはじめとする有酸素運動は、酸素を取り込みながら体内の糖や脂肪をエネルギーに変えるため、ダイエットには不可欠な運動のひとつといえます。
しかし、巷でよく聞くウォーキングの常識は、じつは間違っていたということも……。そこで、最新版「やせウォーキングの新常識」をフィジカルトレーナーの関さんに教えてもらいました。
やせるウォーキング7つの新常識
やせたいなら、〈一日1 万歩〉が目標↓
①大切なのは、歩数よりも心拍数
「一日1 万歩」は、健康習慣としてはとてもいいのですが、ただ1 万歩歩くだけでは、ダイエット効果はそれほど期待できません。そもそもウォーキングの消費カロリーは1 時間で200kcal程度(体重50〜60kgの人の場合)で、ランニングや筋トレなどに比べると負荷の少ない運動です。ダイエットを目的とするなら、キビキビ歩き=速歩が必須。息が上がるくらいの速さで心拍数※を上げ、酸素を
多く取り込むと、効率よく脂肪が燃焼します。※心拍数とは、心臓が1 分間に動く回数のこと。脈拍と心拍数はほとんど同じ。歩行速度が上がるほど心拍数も上がる。ウォーキングは毎日やったほうがいい↓
②毎日歩かなくてもOK。続けることのほうが大事です
歩くのは、週に2~3 回でも、週末だけでもかまいません。何より大事なのは、継続すること。ウォーキングなどの比較的負荷の軽い運動は、継続することではじめて結果が出てきます。毎日やらなければ意味がないと考えるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた継続しやすいメニューを考えていきましょう。
ウォーキング前には準備運動のストレッチ↓
③ストレッチは、「ウォーキング後」がおすすめ
ウォーキングの場合、ランニングとは違い、ゆっくりと歩きだすようにすれば、それ自体がウォーミングアップになるので、必ずしも準備運動が必要というわけではありません。ストレッチを推奨しているのは、むしろウォーキング後。静的ストレッチ※で、筋肉をほぐしておけば、疲れがたま
りにくく、「また歩こう」という気持ちも起きやすくなります。
※反動をつけずにゆっくり行うストレッチ。ウォーキングなどの有酸素運動は、20 分以上続けないと脂肪が燃焼しない↓
④継続時間は無関係。小刻みウォーキングでも効果あり!
かつてスポーツ医学会ではそのようにいわれていましたが、最近の研究では、10 分の有酸素運動を一日のうちに2 回行っても、20 分連続で運動するのと同じ効果があることがわかってきました。まとめて20 分の時間がとれなくても、10分×2 回でもOKと考えると、継続しやすいのではないでしょうか。
たくさん汗をかくから、長そで+長ズボンでウォーキング↓
⑤暑い時期の厚いウェアは、逆にやせにくくなる
暑い時期に大量の汗をかくと、脱水症状を引き起こす危険性が。また、体温が上がりすぎると、脂肪を分解する役割を持つ「リパーゼ」という酵素の働きが悪くなり、脂肪燃焼効率が下がります。ダイエットのために汗をかくつもりが、かえってやせにくくなるということに。真冬以外は、通気性のいいウェアで歩くのが正解。
食後すぐウォーキングすれば、太りにくい↓
⑥すでについている脂肪を落としたいなら、空腹時が効果的
有酸素運動をするときのエネルギー源として、おもに糖分と脂肪が使われますが、食後はとったばかりの糖分が優先して使われるため、脂肪燃焼にはつながりにくいといわれています。食べすぎたときの対策や糖尿病予防なら食後30 分以内、脂肪燃焼をねらうなら血中の糖分が減っている空腹時にウォーキングをするのがベスト。
正しいウォーキングフォームは、かかとから着地する↓
⑦意識すべきは、フォームよりも姿勢&歩幅
ウォーキングはもっとも簡単にできる運動のひとつなので、必ずしも細かいフォームを気にする必要はありません。自分が歩きやすいようにしていれば、自然とベストフォームができています。意識してほしいのは、姿勢と歩幅。上体を少し前に傾け、歩幅を広くとることで、自然とスピードが上がり、運動強度を高めることができます。走っているときの姿勢に近い状態をイメージして歩くといいでしょう。
「〈普通のウォーキング〉と〈やせウォーキング〉は違います。まずは、ウォーキングの正しい知識を得ることが大切。」と関さん。
やせたいなら、こちらの最新の考え方を参考に歩いてみてくださいね。
教えてくれたのは……
関 守さん
PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。会員制パーソナルジム「スポーツモチベーション CLUB100」トップトレーナー。ダイエットやボディメイク、陸上競技のパフォーマンスアップを得意分野としている。
(
『オレンジページ』2022年6/2号より)
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