鳥取市内のスーパーにずらりと並ぶ、ちょっと変わった練りものをご存じですか?
鳥取県民の日々の食事だけでなくおやつとしても親しまれているこちらは、その名も
「とうふちくわ(豆腐竹輪)」。
豆腐なのか?ちくわなのか?
なぜ鳥取名物……?
気になるその謎を調べてみました!
歴史150年以上、由緒正しき食べ物だった!

パッケージには
「鳥取名物」そして「創業慶応元年」の文字が。
そう、謎めいたこの練りものの歴史は、江戸時代末期から始まります。
当時、鳥取では漁港の開発が遅れていたため、魚はぜいたくな食べ物。藩主はその貴重な魚の代わりに、たんぼのあぜ等でも栽培していた大豆に着目。藩の財政が厳しいことから、魚の代わりに豆腐を食べるよう、質素な食生活を推奨しました。
そこで誕生したのがこの「とうふちくわ(豆腐竹輪)」。
しだいに祭りや結婚式などにも食べられるようになり、現在はおやつに、おかずにと親しまれているんだそうです。
さて、その「とうふちくわ」、はたしてどんな味なのでしょうか…?
ちくわの形をしているが色と香りは豆腐
こちらが、「とうふちくわ」です。老舗メーカーのひとつ「ちむら」のもの。漢字で「豆腐竹輪」」と書かれています。サイズは大きめのちくわと同じくらいです。
鳥取県産大豆を100%の手作り木綿豆腐を7割、白身魚を3割使用。化学調味料や保存料は使わず、昆布やカツオ、しいたけなどの天然素材を使用しているそうです。
形はちくわですが、色は真っ白で豆腐そのもの。食感は柔らかめですがちくわに近くふっくらしており、風味はまさにその名のとおり、木綿豆腐に魚介のだし風味がほんのり漂います。
わさび醤油をつけて食べましたが、ちくわのような、冷ややっこのような不思議な感覚に。
しみじみとしたやさしい味わいは、長年愛されるのも納得です。
鳥取市、ちくわが好きすぎて支出金額1位!
なんと、鳥取市のちくわの年間支出金額は21年連続1位。(「平成7〜27年家計調査結果」総務省統計局 より)
食事だけでなくおやつにもとうふちくわを食べるという市民の、ちくわ好きがこのデータからわかりますね。
今では「鳥取とうふちくわ総研」が組織され、「世界とうふちくわ会議」も開催。鳥取の大事な文化となっているんだとか。
豆腐とちくわのいいとこどり、鳥取県民に愛される「とうふちくわ」は、質素倹約から生まれた江戸時代から続くヒット商品だったのです。