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ツレヅレハナコの「この駅、この店。」

【西荻窪「サレカマネ」】ツレヅレハナコが選ぶ呑める名店【この駅、この店。】

2023.09.11

カニミソグラタン

こんにちは。食と酒と旅を愛する文筆家・ツレヅレハナコです。
ついに日常が戻ってきた今日このごろ、そろそろお酒を呑みに出かけませんか?
それも「いつもの近所のお店」ではなく、あまり行ったことのない知らない街へ!
長年、東京じゅうを呑み歩いている私が厳選した、電車に乗って行ってほしい「呑める名店」をご紹介します。

「西荻窪らしさ」を映し出す立ち飲み酒場「サレカマネ」


数ある東京の沿線内でも、独自のサブカルチャー色を強く残す中央線。
特に中野~三鷹の各駅は個性豊かで、飲み屋街の雰囲気もさまざまです。

私がよく訪れるのは西荻窪駅。
個人で経営する小さな飲食店が多く、昔ながらの安くておいしいザ・居酒屋からおしゃれなビストロまでよりどりみどり。店主の個性が反映された「ここにしかない店」ばかりだから、その日の気分でめぐるのがなんとも楽しいのです。

ほかの駅に比べてどこか懐かしい、いい意味で「村」のようなのんびりとした空気が流れる街。
そんななかでも特に、「西荻窪らしいお店だなあ」と私が思う酒場「サレカマネ」をご紹介します!

ハナコのマストオーダー
濃くてフレッシュな特製レモンサワー


南口にある闇市跡地の飲み屋街をはじめ、昭和の空気を感じる居酒屋も多く立ち並ぶ西荻窪駅前。
北口から路地を入り、さらに活気のある八百屋の角を曲がった細い道へ入ったところに「サレカマネ」はあります。
お店の楽しそうなムードが外観からも伝わる。

いつも前を通りかかると、大きなガラス窓から見える店内にはお客さんがぎっしり。気候のいい時期にはこの窓も開け放たれ、外で立ち飲みしている人も。

店内に入ればドーンと立ち飲みカウンターがあり、カジュアルだけれどセンスあふれる楽しげな雰囲気にワクワクします。いいなあ、私も早く何か呑みたい!
ピーク時には、みんなでスペースを譲り合うほど盛況!毎日、内容が替わる黒板メニュー。別途、定番メニューもあり。

黒板メニューを見ると、お酒と本日のおつまみのラインナップがずらり。
まず呑兵衛としては、このお酒の種類にときめいてしまう……生ビールに2種のびんビール、サワー類に本格焼酎、ナチュラルワイン、日本酒、スピリッツ、紹興酒。すごいな、何でもある!
人気のサワー類はレモンのほか、すだちなど季節のかんきつがあるときも。

まず頼みたいのは、店の名物でもあるというレモンサワー(税込み500円)。
惜しみないたっぷりのレモン汁と炭酸で「金宮焼酎」を割ってあり、なんともさわやかな飲み口。そして、メニューにも「濃!」と書いてあるとおり、かなりの焼酎量。これは、ぐいぐい吞んでいると、立ち呑んでいられなくなるやつ……。

「だからオーダーのときに、わざわざ『薄めで!』というお客さんもいますよ」と笑うのは、カウンターに立つオーナーの佐藤格之さん。
サッカーのユニフォームがよく似合う名物店主で、いつもお客さんたちと楽しそうに話しているのが印象的です。
開催のたび、店を1カ月休んでワールドカップを見に行く「超」がつくサッカーファン!

ハナコのマストオーダー
メキシコとベトナムの融合!? バインミータコス


おつまみのメニューも多彩で、和洋中エスニック何でもあるなあ。
日替わりの黒板を眺めていると「バインミータコス(税込み550円)」なるものを発見。ベトナムのバゲットサンド「バインミー」とメキシコの「タコス」がいっしょになっているのかしら。気になるのでいってみよう!
トルティーヤからはみ出しそうなほど具がぎっしり!

やってきたのはタコスのトルティーヤに、豚チャーシュウ、野菜のなます、レバーペースト、パクチーなどがのせられたもの。なるほど、具がバインミーなのね。

くるっとまるめて食べれば、肉のうまみとシャキシャキのなますにナンプラーの香りがふわっと広がります。
バゲットではなくトルティーヤで食べることで、より酒のおつまみ感が増すんだなあ。
店内には、座って呑めるカウンター席もあり。
さとうきびのお酒にさわやかなライムの香り「カイピリーニャ」!

ここで、さらに異国情緒あふれるものが呑みたくなり、カクテル「カイピリーニャ(税込み750円)」を。
さとうきびでつくられたブラジルのお酒「カシャーサ」に砂糖やライムを加えたもので、アルコール度高めながら口の中がスッキリします。好みだわあ。
レコードの音楽だけでなく、客席のざわめきもよきBGMに。

そうするうちに次々とお客さんがやってきて、気づけばワイワイと立ち飲みでにぎわう店内。
おもしろいのは、みんな1人や2人でやってくるのに「こんばんは」「久しぶり」とお客さんどうしで会話をしていること。

「毎日のように来てくださる、ご近所の常連さんも多いですね。さっとやってきて数杯呑んで軽く食べて、歩いて家に帰るみたいな……。僕もそうですが、西荻窪に住むと長いんですよね。居心地がよすぎて、もう他の街には住めないかもしれない(笑)」と佐藤さん。
音楽ジャンルはロックからジャズ、昭和歌謡、民謡まで幅広い。

アナログレコードでの音楽がのんびり流れる中、おいしいお酒と日替わりのおつまみを気軽に楽しめる酒場。たしかに、こんな店が近所にあったら理想的だな。とはいえ常連さんだけでなく、外からやってくる一見さんも多いところが間口の広い西荻窪ならでは。

ハナコのマストオーダー
クリーミーなカニミソグラタン


そろそろこってりしたものをと、定番の人気メニューだという「カニミソグラタン(税込み850円)」を。
カウンターにはお燗ができる機械も設置されていて、日本酒を呑むか迷うなあ。
こんがりとろ~りチーズがたまらない!

やってきたのは、ねっとりふわふわなホワイトソースに濃厚なカニミソを混ぜ込んでチーズをのせて焼いたグラタン。たっぷりすくって、バゲットにのせていただきます。こ、これは……日本酒以外でも何でもいけそう。
しっとり食感の「ねぎだれ塩鶏」(税込み500円)も追加で。
お酒なのに、ふんわりコーヒーのいい香りが!

そこで、気になっていた「自家製コーヒー焼酎(税込み550円)+豆乳(税込み50円)」を。「金宮焼酎」にコーヒー豆を漬け込んで風味を出したものに、豆乳を加えてあるのです。これは、まさに大人のコーヒー牛乳!

夜も更けて、入れ代わり立ち代わり訪れるお客さんのなかには「近くで焼きとりを食べてきた帰り」「別の街で友人と呑んでいたけど、もう一杯呑みたくて」なんて声も。
人と会う前の0次会にも、一人になってからの2次会にもたしかにぴったり。ちょっと立ち寄りたくなることこそ、愛されている酒場の証拠なのだろう。
そんなお店が身近にある西荻窪の人々が、なんだかうらやましくなった夜なのでした。


店舗情報
「サレカマネ」

西荻窪駅から徒歩1分
東京都杉並区西荻北3-20-9
TEL:03-6915-0400
17:00〜23:30(月・木曜)/17:00〜24:00(金曜)/16:00〜24:00(土曜)/16:00〜23:00(日曜※翌日が祝日の場合~24:00)/16:00〜23:00(祝日※連休初日の場合17:00~)
火・水曜定休
※お酒だけの利用も可
※最初のフードの注文は2品まで(2名様以上は3品まで)
※追加の注文はフード1品につきドリンク1杯をお願いします
※メニューは日替わりです



ツレヅレハナコ

ツレヅレハナコ
食と酒と旅を愛する文筆家。著書に『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳』(扶桑社)、『お酒好きに捧ぐ ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』(世界文化社)など多数。instagram @turehana1

取材・文/ツレヅレハナコ 撮影/よねくら りょう 編集協力/JR東日本「FUN!TOKYO!」

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