明珍火箸風鈴【おすすめひんやりグッズ】
「風鈴のひとつ鳴りたる涼しさよ」高浜虚子
カルノブログNo.008「明珍火箸風鈴:みょうちんひばしふうりん」
七月テーマ「おすすめひんやりグッズ」
今年の鹿児島は梅雨時期も暑く、
明けるとさらに暑い昨日今日です。
来月八月再来月九月が思いやられます。
先日朝、坐禅中に「リーン」と鳴りました。
坐禅道場(本堂)は夏暑く冬寒く、戸は開けてあり冷暖房無し、
早朝とはいえ坐っていると次第に汗がにじみます。

画像は姫路の
明珍本舗「火箸風鈴」
雑誌「サライ」で知りました。
かれこれ30年以上前のことです。
シンセサイザーの巨匠冨田勲氏が、この音に感動して、
スティービー・ワンダー氏に贈ったとか。

この明珍家、はじまりは平安時代で御当主は53代目。
連綿と「鉄」を生業にされてこられたのですが、
約九百年の歴史を紡いだのは、
鉄の触れ合う「音」であったようです。

目の前で鳴っているのに遠くから聞こえてきます。
まさに悠久の時を経て、今、耳に届いたかのような音。
じっくり寝かせたウイスキーを口に含んだ時のような感動。
明珍火箸風鈴は昭和四十年頃、五十二代目宗理(むねみち)氏の考案ですが、
風鈴に使われている火箸、火箸の触れ合う音には何百年もの歴史があります。

坐禅中に聞こえた音に
「
心頭滅却すれば、火自ずから涼し」が浮かびました。
熱い炭を扱う「火箸」が涼やかな「音」を生む。
火箸風鈴を考案された五十二代目宗理氏は
「キレイゴトなどありゃしません、食うために必死でした」とおっしゃいます。
この暑い暑い夏、悠久の音に「涼」を感じてみてはいかがでしょう。
ご参考までに、五十二代目宗理氏についての拙記事は
こちら。
皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。