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【フードテック最前線レポ】和食の未来を変える、酢酸菌とは?にごり酢に大注目!

最近、健康志向の人たちの間で注目されている「酢酸菌(さくさんきん)」。実は、新しく生まれた成分ではなく、日本の伝統的なお酢「にごり酢」に豊富に含まれているものなんです。

今回は、その魅力を学ぶイベントが、オレンジページが運営するK, D, C,,,で開催されたので参加してきました!

「酢酸菌の事例から見る、日本の美食テック」という今回のイベントは、フードテック官民協議会美食テックWTというチームが主催で開かれました。

農林水産省や食品メーカー、一流シェフなど、食の最前線で活躍する人たちが集まり、これからの食のあり方をともに考えるチームです。

酢酸菌とは何かから、和食の可能性や日本の飲食店の事例など、登壇していただきお話を伺いました。

酢酸菌・にごり酢とは

キユーピー株式会社 免疫・認知プロジェクト次長の奥山 洋平さんによると、「酢酸菌」は酒を発酵させて酢をつくるそう。かつて江戸時代のお酢は、製造工程で「粗ろ過」するのが一般的だったため、酢酸菌が残っていたのだとか。この粗ろ過でつくられたお酢が「にごり酢」です。

その酢酸菌は、風邪、花粉症、疲労、倦怠感など免疫4大トラブルをケアします。

さらに酢酸菌が、乳酸菌や納豆菌には押せない免疫スイッチを押すことで、免疫細胞を活性化させる効果があることが分かっています。いわば免疫の司令塔を活性することで、全身に働きかけ、強い体をつくることができるということ……!

肝心の味ですが、しっかりろ過された一般的な酢より、粗ろ過されたにごり酢は、「昆布だしと同じくらいのうま味」があることが分かっています。

今回、にごり酢を使った料理も試食させていただきました!

にごり酢を使った料理を試食!

「鮭のにごり酢南蛮漬け」、「にごり酢むすび」、「スーパースウィッチェル(にごり酢×はちみつ×しょうが×炭酸水)」でした。

どれもにごり酢のうまみの効果なのか、酸味がきつくなく、さっぱりおいしくいただきました!

特に暑い日だったので、スーパースウィッチェルはジンジャーエールのようで、一気に飲み干しました……! これは暑い日の疲労回復用に常備したいです。

にごり酢&酢酸菌の可能性はまだまだ広がる

さらに管理栄養士、食生活アドバイザー、アンチエイジング料理スペシャリストの堀 知佐子さんからは、近年の健康志向で和食が海外からも注目されていて、和食の「食物繊維」と「発酵」を意識した食事は今後どんどん需要が高まっていくとのこと。

酢酸菌は今後注目が高まり、一般的なお酢よりにごり酢を求めるかたが増えるかもしれません。

にごり酢がきっかけで和食が海外からさらに注目され、大人気になる未来も近いかも……!

会の最後には、農林水産省 政策情報分析官である勝野 美江さんが

日本の食文化には、お酢だけでなく、現代では少なくなった”にごり”があった。健康を考えた際に、にごり酢はこれから拡がりがある』と締めくくりました。

これからもフードテックのイベントに出席し、新たな食の魅力をレポートしていきます。お楽しみに!

写真・文/編集部・小笠原