気になるトピックスを毎日お届け!!

【真野恵里菜さん】夫のふるさと・青森の調味料「源たれ」を、スペインでも愛用しています

真野恵里菜さんインタビュー後編

プロサッカー選手の柴崎岳さんと結婚し、スペインでの暮らしも5年目に突入した女優の真野恵里菜さん。
自身のブログやInstagramでは、彩りよくバランスがとれた料理投稿が大人気です。

オレンジページnetでは、2023年3月より、日々の料理や、スペインでの外食などを綴る連載、真野恵里菜の「ふたりごはん日記」in Spainがスタート! 
連載を記念したインタビューの前編では、 ガラリと変わった結婚前と結婚後の食生活や、慣れないスペインの地での奮闘記を語ってくれた真野さん。

後半は、日々の食事のことを、より詳しく教えていただきました。

「卵健康法」「みそ汁一杯健康法」など、勝手に名づけて意識してます(笑)

――ふだんの食事で、気をつけていることは何ですか? 

まず、たんぱく質をきちんととるように心がけています。

わが家では「卵健康法」と勝手に名づけていて、できるだけ卵を使ったおかずを作るようにしていて。
ほかに「みそ汁一杯健康法」も(笑)。一日に1回は必ずみそ汁を取り入れるようにしています。みそって発酵食品だからいいのかな、と。

真野さん流「みそ汁一杯健康法」
真野さん作のみそ汁

自己満足なんですけど、名前をつけると意識するようになりますよね。言葉にすることで、プラシーボ効果もあるような気がしていて。夫にも「今日は疲労回復で豚肉だよ」「元気をつけるために牛肉だよ」と伝えるようにしています。

――なるほど! 名前をつけたり、効果を口にするというのはとてもいいですね。品数が多いのですが、具体的にどのように料理を進めていますか?

まず、献立を考えてスマホにメモをしたら、どういう順番で作るかを考えます。最初のころは、同時に何品も作れなかったので、1品ずつ時間をかけて作っていました。
真野さん料理メモ
真野さんのスマホ内の料理メモ

今は、ルーティン化できていて、午前中に作りおきできる副菜を何品か作っておくようにしています。あとは、食べる1時間前くらいからみそ汁を作りはじめて、具材に火を通している間に、主菜に使う食材の下ごしらえをするようにして。合間に卵焼きを作ったりする感じです。

ルーティンといっても、毎日必死ですよ。

自分の料理が誰かのプレッシャーになってはいけないなという気持ちも

――品数の多さの秘密は、作りおきのおかずだったんですね。そういうものがあると気持ちが楽ですよね。

品数が多くてすごいねとよく言われるのですが、私、ずるいんですよ(笑)。卵焼きとほうれん草のおひたしと、分けて作るんです。そしたら2品。ほうれん草入りの卵焼きにしたら1品になっちゃうじゃないですか。皿数でごまかしてるんです。

作り置きも活用。卵焼きとほうれん草のおひたしがある、ある日の食卓 Instagramより

でも、最近は、それが見ている人のプレッシャーになってはいけないなという気持ちも出てきていて。

――と、いうと?

「アスリート飯」と検索すると、本当にすごい食卓の写真がたくさん出てくるんです。私もそうだったんですが、初心者にとって、それってすごくプレッシャーになるな、と。こんなに作らないといけないのか、と思わせてしまうのはよくないなと感じています。

必ずしも、品数が多いことがいいわけじゃなくて、栄養がとれていればいい。たとえば、先ほどのほうれん草入り卵焼きだっていいわけだし、サラダにいろんな野菜を入れて、鶏肉をのせて一皿で完結でもいいですよね。みそ汁も、いろんな野菜を入れて豚汁にすれば、それ一杯でも充分だったりするし。「使う食材の数が同じであれば、一皿で完結する料理でもいいんだ」と思っています。

真野恵里菜さん
お皿の数が減ると写真を撮ったときにちょっと寂しく感じてしまうけど、それでも今後は「一皿料理でもしっかり栄養はとれる!」ということも、SNSで伝えていけたらな、と思っています。

――たしかに、そういうお話を聞くと安心するかたは多いかもしれません。ちなみに、和食を作られていることが多いですよね。

日本の味つけに慣れているから、というのが理由かもしれません。

あとは、スペインに来たばかりのころ、外食するとおなかの調子が悪くなることがあって。オリーブオイルに慣れていなかったんだと思います。それで、家では食べ慣れたものを口にするのがいいね、となったのが続いているのかも。

でも、今では家で使う油はオリーブオイルだけになって、私の体も慣れてきていると思います。外食もすっかり大丈夫です。

――写真を拝見して、それぞれのおかずの味つけにも気をくばっているのだな、と感じました。

和食を作っていると、どうしてもしょうゆベースの味つけが多くなってしまうので、気をつけています。

しょうゆ、みりん、酒を使えばなんとなく味が決まるじゃないですか。でも、そればかりにならないように、酸っぱいものも取り入れるようにして。

夫が酢のものが大好きなんですよ。毎日あってもいいって言われるくらい。

柴崎さんも好きだという酢のものがある、ある日の食卓 Instagramより

ただ、「酢は体にいいから」と言って、漬け汁も飲み干しちゃうんです。まさか飲むとは思わなくて(笑)。砂糖とか入ってるから、飲むなら飲むで分量変えなくちゃと思って、考えました。少し控えめにして。

とはいえ、似たような味が多くなる日もありますよ。気をつけているけれど、まだまだだし、がんばっている最中です。
–{野菜の大きさも全然違う! スペインの食料事情}–

スペインのピーマンはにんじんくらい大きいんです

――そういえば、スペインの野菜は大きいという話も投稿していましたね。レシピの分量も変えていますか?

そうなんですよ! ピーマンだと、にんじんくらいの細長い形だし、玉ねぎは倍くらいの大きさがあるので、加減しながら使っています。

スペインのピーマンは、にんじんくらい大きい!
スペインのピーマンは、長くて大きい!

なすは大きいうえに皮も堅いので、できるだけ切り目をたくさん入れて、皮から火を通して味がしっかりしみるようにと工夫しています。

3年ほど前に、日本のお野菜を育てている農家さんと知り合うことができたので助かっています。季節によりますが、大根やかぶ、ごぼう、水菜、オクラなども手に入るのでありがたい。夏にはゴーヤーもありました。

日本人農家さんの日本野菜
スペインの日本人農家さんが作った日本野菜

このかたの作っているお野菜は無農薬なので、ときどきカタツムリがついていたりするんです。私、虫が苦手だったんですが、このお野菜のおかげで平気になりました。おいしい証拠なんだって思えて。

日本人農家さんにもらったレモン
野菜を頼んだら、おまけでたくさんのレモンが!

月に1〜2回くらいの頻度で注文しているのですが、スーパーでは手に入らない野菜ばかりなので、モチベーションが上がります。何作ろうかなってすごくうれしくなるんです。

夫がチームで結果を出す姿を見たいから、料理をがんばれる


――テンションが上がることがあると、料理もやる気が出ますよね。ほかに、モチベーションを保つコツはありますか?

毎週末の試合かもしれません。夫がチームとして結果を出せる姿を見たいので、そのためにならがんばって作れるんだと思います。

毎日の練習内容も教えてくれるんですよ。今日は走り込み中心だったよ、今日は筋トレ重視だったよ、と。がんばって努力している姿を目の当たりにしていると、少しでも体が楽になる、コンディションが上がる食事を作りたいと思えてきます。

もちろん、食事がすべてを占めているわけではないですが、少しでも手助けになったらいいな、と。

――前編でお話ししていたように「だれかのために」というのが、パワーになっているんですね。ちなみに、和食以外も作ることはありますか?

スペイン風オムレツはよく作りますね。「パタタ・トルティージャ」というものなんですが、バカラオ(たらを塩漬けし、さらに天日干しにしたもの)とじゃがいもが入っているんです。それを自分なりにアレンジしています。玉ねぎやにんじん、ほうれん草も入れて、小さいフライパンでじっくり焼いて。アヒージョもよく作ります。

夫の得意料理はボンゴレ

――柴崎さんも料理はされるのですか?

たま~にですが、休みの日に夫がボンゴレを作ってくれます。それがすごくおいしいので、私はボンゴレは作らないって決めてます。夫はプライベートをあまり表に出さないので(この話をしていいか)確認したのですが、この話は大丈夫です(笑)。定期的に作りたくなるみたいで、回を重ねるごとにおいしくなってるんですよ。

真野恵里菜さん

――事前のご確認、ありがとうございます(笑)。ボンゴレ、いいですね。お二人で料理することもあるのですか?

それが、いっしょに作ることはないんです。

私が作っているときに「手伝うよ」と声をかけてくれるのですが、私は自分のやり方で順番にやりたいので。決して夫が足手まといになるわけではありませんが(笑)。一人で集中するほうが向いてるのかなと思います。

だから「大丈夫だよ、おなかすかせておいてー」と言ったり、作りおきのおかずを器に盛るところだけお願いしたりしています。

夫も同じで、ボンゴレを作っているときに「手伝おうか?」とキッチンに行ったのですが「自分のやり方で作りたい」と。ごめんごめんってなって、お互いに呼ばれるまではキッチンに入らないって決めました(笑)。
–{日本から持っていく、青森のあの調味料}–

青森の「源たれ」を使うと、「うまいわ、これ」って、すぐ反応します(笑)

――日本の調味料なども、スペインで手に入るんですか?

 はい。だいたいは、日本の食材を扱うお店に行くとあります。でも、高いんですよね。倍以上するかと思います。なので、日本に帰った際にできるだけ買って持ち帰るようにしています。

しょうゆ、みりん、酒といった基本の調味料のほかに、顆粒だしやコンソメ、鶏ガラスープの素も。オイスターソースも買いますね。調味料以外にも、かつお節やのりなどの乾物、梅干しなども。

あとは「源たれ」! ご存じですか?

――たしか、青森の……

そうです! それです! 青森の家庭では、必ず冷蔵庫に入っているそうで、私は夫と出会って初めて知った味でした。夫の実家に行くと、いつもお義母さんが持たせてくれるので、スペインにも持ってきています。

真野さん実際に使っている「減たれ」
真野さんが実際に使っている「源たれ」

これで焼くと、お肉がすごくおいしいんですよ。にんにくやりんごが入っているのですごく手軽に味つけできるのでおすすめ! いろいろな味があるんですが、わが家では「スタミナ源たれ」や「プレミアム」、「スタミナ源塩焼のたれ」をよく使います。魔法のたれだと思ってます。

ちなみに夫は、すぐわかるんですよ。源たれで味つけしたことは言わずに出すと「うまいわ、これ」って、すぐ反応します(笑)。

――スペインにいても日本の味を楽しめるっていいですね。これから挑戦したい料理はありますか?

魚料理のレパートリーを増やしたいなと思っています。脂質を考えて揚げものは控えているので、フライができないんですよ。なので、どうしても塩焼きか照り焼きが多くなってしまって……。

あとは、素材の味をきちんと生かした料理ができるようになりたいです。スペインで外食に行くと、ただお肉を焼いただけなのにすごくおいしい! と感じることが多くて。シンプルな味つけなら、素材そのものの味を引き出せるんだな、と感じました。素材の選び方や、火の通し方など勉強したいなと思っています。

夫がストイックになりすぎないよう、休みの日はカフェに行こうと提案も

――連載では、そういった外食のお話も出てくる予定ですよね。楽しみです。

外食については、今までSNSでもごくたまにしか載せていなかったので、私も楽しみです。

夫がオフの日は、私も料理を休む日にしていて、二人で出かけるようにしているんです。というのも、彼はとてもストイックで、寝る時間や家での過ごし方などルールがあって。心配になるくらい「こうしなきゃ」って考えてしまうところがあるんですよ。

その気持ちもすごくわかるんです。アスリートと比べるのもおこがましいですが、私もアイドル時代は、これだけ練習しないとライブで成功しないと思い詰めていた時期もあったので。

でも、当時、つんく♂さんに「そんなにいつも力を入れていたら壊れるよ、ゆるめる期間を設けてメリハリをつけないといけないよ」とアドバイスをいただいてから、うまく気持ちの切り替えができるようになりました。

休みの日には、ふたりで気なっていたカフェに Instagramより

なので、夫がストイックになりすぎないよう、カフェに行ってお茶しようと提案しています。休みの日には、レストランを予約しておいてくれることもあって、二人でゆっくり過ごせるようになってきていると思います。

今回の連載の話をしたら、じゃああの店に行ってみようか、あの店もいいかも、と盛り上がっているんですよ。自由に行き来できる日が戻ってきたら、このお店に行ってみようって思ってもらえるといいなと思います。

――盛り上がっていると伺って、うれしいです! 外食も、お料理も「日々のふたりごはん」の様子を楽しみにしています。

ありがとうございます。せっかく料理をする毎日を過ごしているので、少しでも皆さんのヒントになれたらいいなと思っています。

「アスリート飯」ではなく、「わが家の食卓」を楽しんでいただけたらいいなと思うんです。スペインに住む日本人女性が、こんな料理を作っている、こんなところで外食をしている、という感じで楽しんでいただけたらうれしいです。


真野恵里菜(まの・えりな)

1991年4月11日生まれ、神奈川県出身。B型。2006年、ハロー!プロジェクトのメンバーに加入し、アイドル、歌手、俳優として活動。13年のハロー!プロジェクト卒業後は、主に俳優として活躍。18年プロサッカー選手・柴崎岳との結婚を発表し、同年、スペインに拠点を移す。

写真/本人提供 文/晴山香織