
魚のプロ直伝。お買い得な〈魚のあら〉を使った、本格「ぶり大根」のレシピ

この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は【本格ぶり大根】です!
以前ご紹介したスピードぶり大根も手軽に作れておいしいですが!
今回はぶりの〈あら〉でじっくりていねいに作る本格ぶり大根をご紹介します!
では、さっそく作っていきまーす!
【其の一】
あらの下ごしらえをていねいにするべし!
あらは下ごしらえが肝心! ていねいにやれば生臭さが取れておいしく仕上がります。
【其の二】
あらはたっぷりの酒入りの煮汁で煮るべし!
酒入りの煮汁で冷たい状態から煮ることで、アルコールが揮発するときに魚の臭みもいっしょに取ってくれます。
野本流『本格ぶり大根』のレシピ
材料(2~3人分)

ぶりのあら……600g
大根……1/3本
ゆずの皮……1/4個分
米(大根の下ゆで用)……小さじ1/2
【煮汁】
〈A〉
水……400ml
日本酒……200ml
砂糖……大さじ4
しょうがの薄切り……1かけ分
みりん……大さじ4
しょうゆ……大さじ4
下準備
・ゆずは皮を薄くむき、せん切りにする。

作り方
(1)あらの下処理をする
鍋にたっぷりの湯を沸かし、あらを入れて色が変わるまでさっとゆでる。

冷水にとり、手で血わたやうろこを素早くていねいに取る。水けをペーパータオルでしっかり拭く。

(2)大根を下ゆでする
大根は幅2〜3cmの輪切りにし、皮をむいて面取りする。片面に厚みの半分くらいまで十字に切り目を入れる(かくし包丁)。

小鍋にたっぷり水を入れ大根、米を入れて強火にかける。

煮立ったら弱火にし、20~30分ゆでる。大根にすっと竹串が入るまで柔らかくなったら、ゆでこぼす。


※米を入れることで大根がより甘く仕上がります。米のとぎ汁を入れてもOK。
(3)
口径20㎝の厚手の鍋に鍋に、大根、ぶり、Aを入れて強火にかける。煮立ったら中火にして5分ほど煮る。

途中アクが出たらていねいに取り除く。

みりん、しょうゆを加えたら、落としぶた※をして15分煮る。
※オーブン用シートを鍋の口径よりもひとまわり小さめの円形に切り、中央に直径2cmくらいの穴をあけたもの。

落としぶたを取り、さらに5〜10分煮る。
火を止め、そのまま粗熱がとれるまでおいて味をしみこませる。
器に盛り、ゆずの皮をのせて完成。

『本格ぶり大根』のでき上がりです!

ぶりは冷たい状態から煮ることで、酒のアルコールが揮発するときに魚の臭みもいっしょに取ってくれます。
うまみたっぷりの煮汁を少しご飯にかけて、ぶりをオン! なんてのも最高ですね!
味がしっかりしみ込んだ大根も、とてもおいしいです!

この時期は、ぶりも大根もおいしいので、ぜひ作ってみてください!
谷中松寿司の旬ネタ

最後に松寿司の旬ネタをご紹介!
今回は『大間のまぐろ』です。寒くなってまぐろもとてもおいしい季節になってきました。

初回のときに春のまぐろをご紹介しました。
春のまぐろももちろんおいしいですが、
やはり冬の津軽海峡で水揚げされたまぐろは脂がのり、香り、味ともに最高です。
そのなかでも大間のまぐろは特に有名ですね。
松寿司では豊洲市場のまぐろ仲卸、樋長さんがこだわりぬいた最高のまぐろを仕入れております。
赤身はさっと3秒ほどづけに。中とろ、大とろはまぐろの脂と香りを楽しんでいただける温度に上げてにぎっております。写真は赤身、血合いぎし、中とろです。
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は12/27(金)、年越しそば&だしをとったあとの昆布で作る天ぷらです。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき プロフィール写真/吉澤健太