あの紀ノ国屋の工場に潜入!人気パンの美味しさの秘密と直売店のおトク情報を徹底レポ
1910年の創業以来、高品質な商品で食通を魅了し続けるスーパー「紀ノ国屋」。その心臓部ともいえる製造工場が、東京・三鷹の住宅街のなかにあります。今回は、普段は入ることのできない工場を特別に取材! 長年愛される人気商品のおいしさの秘密とともに、一般客もお買いもの可能な工場直売店ならではのおトク情報もあわせてレポートします。
まるで巨大な厨房!「約1000店舗分」を支える人の力

「直営店のほか、提携する1,000以上の店舗へ、約200種類のパンを届けています」と聞くと、ベルトコンベヤーが流れる機械化された大工場を想像する方も多いのではないでしょうか。ところが、「紀ノ国屋」の現場はそんなオートメーションの世界とは真逆。一歩足を踏み入れると、そこには人の手が主役の巨大な“厨房”のような光景が広がっていました。
例えば、1日に最大約3,000個も作られるクリームパン。自家製のなめらかなカスタードを薄皮の生地で一つひとつ丁寧に包むのは、職人による手作業です。鮮やかな手つきで、瞬く間に包み上げられていく様子は見ているだけで思わず見入ってしまいます。


さっくりとした歯ざわりがたまらない「リュネット」。パイ生地にグラニュー糖を挟むのも、生地を折り込むのも手作業です。

製造担当の方によると、「こだわるからこそ、機械化できない工程がとても多い」とのこと。ひと手間の積み重ねが、長年愛され続ける「紀ノ国屋」の味を支えていました。
1958年誕生、ロング&ベストセラーの「イギリスパン」

「紀ノ国屋」の代表商品である「イギリスパン」の製造工程も見学しました。原材料は小麦粉や自家製ホップス種、イーストなどきわめてシンプルですが、完成までに丸2日もかかるといいます。

イギリスパンのさっくりと軽い口当たりを引き出すのに欠かせないのが、1958年の発売時から使い続けているという特注の窯。一般的な窯よりも高さがあり、生地がのびのびと膨らむのを妨げません。生地そのものはもちろん、長年大切に使い続ける道具にも、おいしさの理由がありました。

リピーター続出の「カスタードプリン」
パンの製造スペースの隣には、生菓子や焼き菓子などを手がけるパティシエ室があります。見学時は「珈琲ゼリー」の製造中で、クリームを絞る工程も一つひとつ手作業で行われていました。

このパティシエ室で製造する商品のなかでも、不動の人気を誇るのが1978年に誕生した「カスタードプリン」です。

そのルーツは、「紀ノ国屋」のシャルキュトリー職人がフランス・リヨンで出会ったプリン。その味に感動し、現地からMOF職人(フランス国家最優秀職人章)を招いて直伝のレシピを教わったことがはじまりです。
スプーンを押し返すような固めの食感と、卵のコク、ほろ苦いカラメル。流行に左右されず、自分たちが信じる味を作り続ける姿勢が人気を支えているのですね。
ミートセンターにもおじゃまします
パン工場から少し離れた場所には、精肉の処理や加工を行うミートセンターがあります。ここでも、おいしいものへの妥協のない姿勢は同じです。
取材日に入荷したA5ランクの山形牛は、競りを通さず生産者と直接取引で仕入れたもの。「贈答用にお求めになる方が多いので、A5ランクの中でも選び抜かれた『とっておき』だけを仕入れています」とのこと。

加工場では、国産豚のもも肉を丸ごと一本使ったスモークハムも製造。「濃厚な燻製の香りと肉本来のうまみ、脂の感じがたまらないんです」と加工担当の方も太鼓判を押す自慢の品です。
「紀ノ国屋」に並ぶ商品の裏側にあるのは、機械任せにしない人の手の力。作り手のこだわりを知ると、いつものひと口がより特別に感じられそうです。
アウトレット価格で人気商品が買える! 直売店情報

工場見学は一般公開されていませんが、工場のすぐ隣には一般客も利用できる直営売店が併設されています。 最大の魅力は、製造過程で出た規格外の商品をアウトレット価格で購入できること。形が少し不揃いなパンなど、味わいはそのままに「宝探し」のような一品に出会えるかもしれません。

なお、店舗は有料の紙袋のみで、保冷剤の用意はありません。必要な方は持参を。また、営業時間が短く行列ができることもあるため、平日かつ早めの時間帯の来店がおすすめです。
編集部・長谷川








