お客さんの悩みや気持ちに寄り添う本を、ちょっと世話焼きな書店員たちが心をこめて選書いたします。どうか素敵な本との出会いがありますように。
3連休に読みたい!おうち時間が楽しくなる人気本6選/図鑑・推し活・ゆるスポーツ

今月のお客さまのご依頼は……
おうち時間を楽しむヒントがいっぱいの本で、家でのひとときをより楽しく過ごしたいです。
今回の選書担当

俳優・エッセイスト 美村里江さん
俳優としてドラマ、映画、舞台等で幅広く活躍。無類の読書家でもあり、新聞や雑誌でのエッセイ・書評の寄稿や連載も多数。

ブックディレクター・good and son代表 山口博之さん
旅の本屋「BOOK246」、選書集団「BACH」を経て独立。オフィスや病院等、書店にとどまらないさまざまな場所のブックディレクションを手がける。
紹介する本 一覧
俳優・エッセイスト 美村里江さん
ブックディレクター・good and son代表 山口博之さん
俳優・エッセイスト 美村里江さん
おすすめ3選
知識満載の図鑑で暮らしを見直す

生活図鑑 『生活図鑑 『 生きる力』を楽しくみがく(Do!図鑑シリーズ)/
文:おち とよこ 絵:平野恵理子 福音館書店 1760円
おこもりの時間、いつもとちょっと違う手芸や、時間のかかる凝った料理をするのもよいですが、「ふだんの家事」をとことん見直してみるのはいかがでしょうか。この本に出会って驚いたのは、毎日の「生活」と専門知識満載の「図鑑」という、ふだんは並ばない単語のドッキングの妙。いざ開いてみれば、「生活って専門知識の集合体だったんだ!」という、二重の爽快な驚きがありました。食器洗いや掃除のやり方とその理由、効果的に清潔にするワンポイントアドバイスまで。料理にいたっては実用の嵐です。知ったつもりのことも「そうだったのか!」と目からうろこがハラハラと落ちて止まりません。わかりやすい図画が多く、漫画的に楽しめるのも大きなポイントです。
生活、遊び、冒険など、「なんでも自分でやってみる」ためのガイドとなる図鑑シリーズ。7 冊目となる本書は、衣食住にまつわる知恵を、実践的なイラストとともに収録。
名パティシエの菓子への情熱にふれる

「イデミ スギノ」進化する菓子 TASTE IN PROGRESS/
著:杉野英実 柴田書店 7480円
かつて私の必殺手土産(?)として、「イデミ スギノ」のコンフィチュールがありました。レモングラスと黄金桃、ミントと桃など、季節ごとの組み合わせが素敵で、どんな年代のかたにも喜ばれたものです。とくに冬のドライプルーンと赤ワインのコンフィチュールは、「冬の楽しさ、美しさ」を感じさせる華やかなスパイスの香りで、何度口にしてもうっとり。なんと本書の第5章にレシピあり! ぜひ作ってみてください。惜しまれつつ閉店したこの名店。営業中は、イートイン限定の生ケーキがのったお皿を前に、菓子職人の後進と思われる男性たちが真剣な顔で味わい、議論する姿を何度も見かけました。そんな城を作り上げた城主の製菓への情熱を、レシピとコラムでご堪能ください。
名店「イデミ スギノ」を率いたトップパティシエ・杉野英実氏は、どう考えて菓子を作りつづけてきたのか。その繊細で多彩な菓子世界に迫るプロ向けのレシピ書。
北欧の色彩感覚でキッチンを彩って

北欧のキッチン・アルバム /
著:ジュウ・ドゥ・ポゥム 主婦の友社 1980円
フランスのキッチンの特集は雑誌等でも多く見かけますが、素敵すぎて「ほえー」と眺めて終わってしまったりします。北欧はもう少し実用的。それでいて、日本人の色彩感覚にはない色合わせなどが楽しい一冊です。複数のキッチンに共通していて意外だったのは、カラフルな毛糸で編まれたスポンジ! おばちゃんが派手な余り毛糸で作るだけ作って周囲に配っているような、アレです。一枚だと台所で浮いてしまいどうしよう、とわが家では持て余していましたが、複数並べると飾りとして抜群にかわいいのだと、この本で最適解を得ました。長い冬を乗り越えるための、心を照らすさまざまな工夫。日本で手に入る既製品の登場も多いので、部分的にまねしてみませんか。
フィンランド、スウェーデン、デンマーク。おうち時間を大切にする、北欧3カ国の人々の素敵なキッチンとおいしい食卓を集めた、ぬくもりあふれるフォトブック。
ブックディレクター・good and son代表
山口博之さん
おすすめ3選
自分の言葉で「好き」を伝えるレッスン

「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに 「やばい!」しかでてこない/
著:三宅香帆 ディスカヴァー・トゥエンティワン 1320円
自由に使える時間が存分にあるおこもりシーズンこそ、好きな「推し」にひたってください。映画やドラマ、アニメ、ライブにSNSと「好き」を追いかけると大忙しですが、好きになったものを楽しむとそのよさを人に伝え、仲間を増やしたくなるのは人間のさがです。大ヒット中の本書は、「好き」という気持ちをどのように書き、人と共有するかについて、技術とマインドセットをていねいに教えてくれます。いかに人の言葉に左右されずに自分の気持ちと感想、妄想を大切にした言葉を書き、世に放つことができるか。三宅さんはそのために、まずは孤独になり、公開しない場所に書ききってみることをすすめます。じっくりゆっくり時間のあるときこそ、孤独になってみませんか。
好きな本や漫画、アニメ、アイドルetc.「 自分の言葉で推しを語りたいけど、うまく言葉が出てこない」人のためのちょっとしたコツを、文芸評論家の著者が指南。
「風味の魅力」を通じて自炊と向き合う

自炊者になるための26 週/
著:三浦哲哉 朝日出版社 2178円
せっかく家にいるときこそ自炊のチャンス。映画研究者であり食に関するエッセイにも定評がある著者は、自炊によって「なんでもおいしがる」こと、言い換えれば「ふつうのすばらしさを再発見する」ことが本書のメッセージだとします。めんどうに思われがちな自炊における「感動>面倒」を成り立たせるため、著者は「風味」をキーに、自のススメを一週(一章)ごとに提案。便利でおいしいデリバリーもコンビニも充実したいま、それでも自炊したくなる理由を、そのときどき一回限りの体験となる〈においの個性〉に据え、規格化された食から一回ごとに異なる食体験へと誘います。急にはなれない、自炊者への道。おこもりシーズンを、少しずつ慣れていくそのスタートに。
技術以前の「どうすれば料理したくなるか」を、「風味の魅力」について理解を深めながら探ってゆく一冊。26 週をかけて楽しく自炊を続けられる〈自炊者〉をめざす。
垣根を越えて楽しむ!「ゆるスポーツ」のすすめ

ガチガチの世界をゆるめる/
著:澤田智洋 百万年書房 1870円
老若男女の親戚が集まってくる年末年始。寒くてこたつに入ったり、あったかい部屋でぬくぬくしたりしてばかりでは体が鈍ってしまいます。でも、おじいちゃんおばあちゃんを「バスケやろうぜ」と誘うわけにもいきません。そこで、みんなでいっしょに「ゆるスポーツ」はいかがでしょうか。スポーツが苦手だった著者が、生まれた息子の目が見えないことを契機に考えることとなった、「老・若・男・女・健・障」のだれしもが楽しめる新しいスポーツとしての「ゆるスポーツ」。勝ち負けの基準自体を変え、うまい人を下手にし、経験が不利に働くようにする。それっていったいどんなスポーツ!? と思うような新しいスポーツは、きっと集まったみんなの体を温めます。
コピーライターであり、「世界ゆるスポーツ協会」代表理事でもある著者が、すべての人が生きやすい世界をつくるためのルールや心の「ゆるめ方」を提案。
⃝商品の価格は、特に記載のない限り消費税込みの価格です。改定される場合もありますので、ご了承ください。
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イラスト/河原奈苗












