思春期の男の子と1歳の女の子のかけあいが心あたたまる一冊【読書の秋】
こんにちは!朝のコーヒーと読書が至福の時間のAkikoです。
今日は大好きな瀬尾まいこさんの本、“君が夏を走らせる”を紹介します。

不器用だけどまっすぐな高校生・大田くん
主人公の大田くんは、高校に通いながらも何かに夢中になれるわけではなく、
どこか空っぽな日々を過ごしている16歳の男の子。
そんな彼のもとに、1歳10ヶ月の女の子の子守をしてほしいという、先輩からの突然のお願い。
最初は戸惑いながらも、引き受けた大田くんは、泣いてばかりの女の子に翻弄されながら、
少しずつ彼女と心を通わせていく…。
子育て経験のある人なら「わかる!」がいっぱい
食べない、ごはんをこぼす、なかなか寝てくれない…。
子育てをした人なら思わずうなずいてしまう“あるある”がこの本には詰まっていて。
一つひとつのやり取りがとてもリアルに描かれています。
思わず、我が子が小さかった頃を思い出しながら読んでしまうような、
そんな懐かしさとあたたかさが詰まったお話です。
少年の心が少しずつほどけていく
最初は「仕方なく」だった子守の仕事も、
鈴香ちゃんと過ごすうちに、大田くんの心が少しずつ変わっていく。
お料理を工夫してみたり、一緒に走ったり、
小さなことの積み重ねが彼の中に“誰かを想う気持ち”を育てていく。
そんな小さな心の変化がやさしく描かれています。
描かれている情景がすごく自然であたたかくて、
読んでいるこちらの心まで優しくほどけていくようなそんなあったかい気持ちがつまっています。
劇的ではない、でも確かに心に残る物語
この本には、派手なシーンや衝撃の展開はでてきません。
でも読み終わった時には、静かに胸の奥が温かくなる。そんな、やさしい余韻が残ります。
誰かとの出逢いから始まり、出逢った相手と向き合いながら成長していく。
そして、「誰かのために動く」ということの尊さ。
瀬尾まいこさんの作品には、相手を思うやさしさが詰まっています。
読み終えたあとに感じる、懐かしさとあたたかい気持ち
『君が夏を走らせる』は、
青春小説でもあり、子育て小説でもあって。
高校生と1歳の女の子という意外な組み合わせの中に、
人と人とが心を通わせることのあたたかさがつまっています。
読み終えたあと、大好きな人に会いたくなる。
心があったかくなる。
そんな1冊です。
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