オレンジぺージnet編集部・ホーリーです。
編集部メンバーの個人的な推しやちょっと役立つネタを、リレー方式で紹介するこちらのブログ。
>>前回「うっとりモーニング!世田谷『titoten』の朝食がおいしすぎ、2週連続行ったハナシ」はこちらから今回は、私が長年夢に見続けていた、憧れのメニュー
『佛跳牆(ファッチューチョン・ぶっちょうしょう)』に挑戦できたので報告します。
(きっと同じ夢を抱いている人もいるはず……)
『佛跳牆(ファッチューチョン)』とは?
出会ったのは学生時代、今でも大好きな食マンガ『美味しんぼ』(小学館)9巻。
気になりすぎていろいろと調べてみると、中国の福建省・福州が発祥の地だそうで、
「禁欲な僧侶ですら、あまりにおいしそうな香りに塀を飛び越えてやってくる」……それくらいおいしい料理なのが名前の由来だとか。
某ニュースサイトでも、『美味しんぼ』で登場したメニューの中で食べてみたいランキング1位にもなったことがあるそう、私と同じように憧れている人も多いメニューなんです。
佛跳牆が「あまりにおいしい」理由とは、うまみの宝庫である乾物をふんだんに使い、これでもか!と、うまみを重ねたスープであることから。
あわび、なまこ、帆立ての貝柱、朝鮮人参……etc. 本格的に作ると、予算も時間も天井知らずのスープなのですが、「その片鱗だけでも味わいたい」と積年の思いが爆発。休日に試してみることに。
それがまぁおいしくて……同じく「作ってみたい」と思う人に少しでも参考になればと、手軽なタイプ(?)で紹介します!
『佛跳牆(ファッチューチョン)風スープ』で使った材料
まず、今回のレシピの構造は以下です。
(1)肉系スープを作る(2)乾物を戻して「海鮮ベース」を作る(3)きのこや生薬を戻して「薬膳ベース」を作る(4)すべてを合わせて、蒸してスープにするわたしは前日に(3)までを仕込み、2日かけて作りました。
(2)、(3)は水で戻すだけなのですが、(1)、(4)は簡単だけど時間がかかります。

(1)の材料がこちら。ほぼ一般的なスーパーで手に入る材料です。
これで
「鶏ひき肉スープ」「豚ひき肉スープ」「チャーシュウスープ」の3つを作ります。
チャーシュウスープは、本当は「金華ハム」で作りたかったのですが、すぐに手に入らず。中華系スーパーで手に入れたハムっぽい本格チャーシュウで代用することに。金華ハムが手に入る人はぜひそちらで。

(2)と(3)の乾物がこちら。きのこや生薬は、中華系スーパーで購入すると、意外と安く手に入ることを発見。
朝鮮人参は1700円、アミガサダケは1800円ほどでゲットしました。
絶対あったほうがいい! と思ったのは、「朝鮮人参」「アミガサダケ(モリーユ・羊肚菌)」「干し貝柱」「干しえび」。味の要になります。
そして、乾物といえばの「なまこ」や「あわび」。高級なものは数万円するし、なかなか売っていない……。そこで思いついたのがこれ。

おつまみセットに入っている、あわび&つぶ貝を使うことに!
おかげで数百円で、いいお味が出ました。

薬膳もざるに出してみると、なんかいい雰囲気が出ます。
さぁ、材料はそろったので、作っていきましょう!
『佛跳牆(ファッチューチョン)風スープ』の作り方
(1)肉系スープを作る

鶏ひき肉、しょうが、ねぎの青い部分、卵白を混ぜてから水を入れ、弱火でことこと1時間ほどかけて澄んだ色のスープを作ります。

豚ひき肉でも同様に。

チャーシュウ、ねぎ(白い部分・余っていたから)、しょうがでもスープを作ります。
それぞれざるでこしてスープにし、残った具材は日々の食卓へ。
(2)乾物を戻して「海鮮ベース」を作る
(3)きのこや生薬を戻して「薬膳ベース」を作る
こちらは、どちらも水で戻すだけ。生薬が多くなると飲みにくくなるかも……と、ちょっとバランスを考えつつもどします。

さて、3つのベースができました!
はっきり言って「肉系スープ」は、そのままでも充分おいしいのですが、さらなる高みのうまさを目指して我慢。
(4)すべてを合わせて、蒸してスープにする

3つのスープを合わせて、耐熱びんに入れます。薬膳が強いと飲みにくいかも……と、薬膳ベースの濃さで2種作りました。天然塩も加え、塩けを調整します。

ラップをして、水を入れてざるを敷いた鍋に入れます。蒸し器があれば蒸し器でOK。
高さがあるので、ふたではなく耐熱の金属ボールをかぶせて弱火で蒸します。
なんとその蒸し時間、8時間———―食べたり飲んだり、ひたすら待ち続けて……

完成しました!
左が薬膳強め、右が弱めのスープです。
『佛跳牆(ファッチューチョン)風スープ』の味わいは?
ひき肉系のスープの味、海鮮のスープの味……どれも知っているはずの味わいのはずが、薬膳と一体になって食べたことのない複雑な味わいに。
「うまい、とにかくうまい」と形容するしかない、深みのある味わいです。
薬膳多めのスープも、いやなくせもなくおいしい。
8時間蒸しているからか、スープにとげがなく、まろやかです。
なんともぜいたくなのですが、残ったスープは、麺に入れてみたり、だし汁として使ってみたりもしました。なかでもおいしかったのが、「かに玉風たまごあんかけ」。

やさしいうまみが、卵と好相性。これが食べられる店があったら通いたいおいしさです……!
さて、最後に
今回かかった材料費ですが、約1万円でした。もちろん安いものではないのですが、この料理にしては……、あの憧れのメニューだし……と考えると、総じて「作ってよかった!」と思える楽しい時間でした。
とにかく材料がよければおいしいので、この作り方で絶対失敗しません(笑)。『仏跳牆』にあこがれていたら、一生に一度はぜひ作ってみて。
オレンジページnet編集部・ホーリー
岐阜県出身。動いてないとそわそわしちゃう、行動派オタクで旅好き。旅先では、ローカル鉄道に乗ったり、ご当地スーパーチェック、旅打ち(競馬)が定番。揚げものや甘辛味に目がない。うさぎ占いはアンゴラうさぎ。