超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。 今回のお悩み/介護 離れて住む一人暮らしの母親が心配。私たち子どもに何ができる? 実家で一人暮らしをしている81歳の母のことが心配です。まだ介護が必要な状態ではないものの、さすがにもう80代。病気やけがをしたときに気づいてくれる人はいるか、詐欺などの被害に遭わないか、火の始末はきちんとしているかなど、心配は尽きません。頻繁に様子を見に行ければいいのですが、遠方に住んでいるためそれもむずかしく、もどかしい気持ちです。施設に入ってくれれば子どもとしては安心ですが、母は介護が必要になるまで自宅で暮らしたいとのこと。私と弟で定期的に電話をして様子をうかがうようにしていますが、ほかにできることがないか考えています。(55歳・女性) 浜田敬子さんの回答 「チームお母さん」を結成して、 親の変化に気づきやすい体制をつくっておきましょう。 お悩み回答者 浜田敬子さん これは私の世代に「あるある」のお悩みですね。まわりでも「遠方に住む高齢の親が心配」という話をよく聞きます。今は外注の見守りサービスもありますが、最終的に頼りになるのは、お母さんのまわりにいる人たち。ご近所さんはもちろん、きょうだい・親戚などに、日ごろの様子をたずねたり、何か異変を感じたときには家族に連絡してもらえるようお願いしておきましょう。さらに、行きつけのお店やかかりつけ医、新聞配達の人など、日常的にお母さんと接する人たちにも声をかけておくといいですね。ネットで食品や日用品などの定期宅配サービスをお願いしておけば、安否確認兼買い物のサポートにもなります。1人だけではなく、何人かで見守る「チームお母さん」をつくっておくと安心です。それと同時に、お母さんが一人で暮らせなくなったときのことをシミュレーションしておく必要も。たとえば、リモートワークが可能な仕事ならその環境を整えておくとか、ご自身が家を空けても大丈夫なように家族の家事スキルを上げておくとか。何かあったときにスムーズに介護生活に移行できる体制を整えておくのも大事です。あとは、もしお母さんがスマホを持っていなければぜひプレゼントしてください。Wi-Fi環境を整えてあげれば、ビデオ通話でいっしょにごはんを食べたり、お茶をすることもできます。顔を見ながら話すと安心しますし、ちょっとした変化にも気づきやすいと思いますよ。 浜田敬子さん ジャーナリスト。1966年、山口県生まれ。89年、朝日新聞社に入社。『週刊朝日』編集部を経て、『AERA』編集長に就任。前「Business Insider Japan」統括編集長。「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)、「news23」(TBS系)などでコメンテーターを務める。著書は『働く女子と罪悪感』(集英社)など。 LiLiCoさんの回答を見る「老後の4K」のお悩みをすべて見る(『オレンジページ』2024年4月2日号より)