
プロ直伝のおいしさ! 作りやすい『いなり寿司』のレシピ【こくを出すコツあり】
この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は松寿司でも大人気の『いなりずし』をご家庭で作りやすいレシピでご紹介します!
ちょっとしたポイントで、お店の味に近づきますよ。
さっそく作っていきまーす‼

【其の一】
油揚げの油抜きは2回するべし!

しっかりと油抜きをして、余分な油を取り除くことで、味のしみ込みもよくなります。
【其の二】
ざらめと水あめで煮るべし!
ざらめは上品な甘さがあり、色や照り、こくが出ます。そこへ、水あめでさらにこくをプラス! 2種類の甘さを使うことでおいしく仕上がります。
野本流『いなりずし』のレシピ
材料(24個分)

基本のすしめし……2合分
白ごま……大さじ1と1/2
油揚げ……12枚
A
しょうゆ……大さじ6
水あめ……大さじ2
ざらめ……130g
水……3カップ
作り方
(1)
『基本のすしめし』の作り方(1)~(4)の手順を参照し、同様にする。
>>レシピはこちら
(2)
油揚げは菜箸などを端からころがし、平らにする。

横半分に切り、切り口から袋状に開く。

(3)
鍋にたっぷりの湯を沸かし油揚げを5分ゆでる。ざるに上げて湯をきり、粗熱が取れたら水けをしっかりと絞る。
【POINT】油揚げが浮いてくるので、へらなどで軽くしずめると◎!


(4)
再度鍋に湯を沸かし、(3)と同様に10分ゆでる。ざるに上げて湯をきり、粗熱が取れたら形を整えながら水けを絞る。


(5)
鍋にAを入れて中火にかける。かるく混ぜてざらめが溶けたら、油揚げを広げ入れる。15分ほど煮てそのままさます。


(6)
小鍋を火にかけ、白ごまを入れている。白ごまが色づき香りが出てきたら、(1)のすしめしに混ぜ合わせる。


(7)
すしめしを24等分する。油揚げの汁けをかるく絞り、すしめしを詰めて口をとじる。


保存の目安
密閉できる清潔な保存容器に汁ごと入れ、冷蔵で2〜3日保存可能。
プロ直伝『いなりずし』のでき上がり!

ごまの香ばしさをプラスしたすしめしと、甘くこく深い油揚げの相性は抜群! でき上がってすぐに食べてもおいしいですが、冷蔵庫で一晩置くとさらに味がなじみます。
ちなみに、残ったざらめは、煮ものや照り焼きに、水あめはこれに加えてチャーシュウなどにも使えますよ。
松寿司でも大人気の『いなりずし』、ぜひ作ってみてください!
谷中松寿司の旬ネタ
最後に松寿司の旬ネタをご紹介! 今回は『コハダ』です。

江戸前ずしに欠かせないすしネタ。塩と酢でしめます。
特徴的なのが、新子・コハダ・ナカズミ・コノシロと名前が変わること。
夏の時期の小さい新子も季節感があっておいしいですが、脂ののったナカズミと呼ばれる大きめのものも美味。
時期によって大きさも変わるので、そのつどしめ時間を変えています。コハダの香りと味を生かし、皮をしっとり仕上げるのがポイントです。
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は2/23(金)。ひな祭りに欠かせない『ちらしずし』のレシピを紹介します。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき