入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
今から十年以上前の話ですが、自分が知りたい、作りたいという欲望に従って、野菜のおつまみしか載っていないレシピ本を企画、編集したことがあります。本のタイトルはズバリ『今宵は野菜でほろ酔いおつまみ。』。当時ギリギリ三十代だった私はまだまだ元気ハツラツ。ほろ酔いではすまないレベルまで酔っぱらうことも多々あったわけでして、せめておつまみは免罪符的に「体にいいものを……」という不肖・山田の切なる思いが、全編に垣間見える一冊となっております(汗)。
レシピの考案をお願いしたのは、私が心から敬愛してやまない二大巨頭。一人は、長年教室に通い、中華料理を教わった佐藤幸男先生。もう一人は、私の料理編集者としての初仕事をご一緒させていただいた大庭英子先生。編集者としてはもちろんのこと、日々台所に立つ一家庭人としても、ただただビールが大好きな一酔っ払いとしても、大変勉強になる、ありがたいレシピをたくさん教えていただきました。撮影現場で事あるごとに「うまいっ!」とか「ひー、ビール飲みたい!」とか、うれしい悲鳴をあげまくっていたことを、今でも懐かしく思い出します。
半端に残った野菜をおいしく使い切るコツだったり、逆に鮮度のいいうちに一袋、一パック丸ごと使い切ってしまおうという大胆なアイディアだったり……。実はこの本、両先生の技がそこかしこに光り輝くおすすめレシピが満載で、「推し」を上げればキリがないんですけど、個人的に気づけばリピートしているお気に入りがいくつかあります。今回のあえものは、その筆頭。にら好き、たこ好き、ビール好きの私には、たまらない一品です。
生のにらに、多めの油で炒めたたこを油ごとジャーっとかけてあえるだけ。油をかけた瞬間に立ち上がるにらの香りが鮮烈で、食欲を刺激するんですよね~。もちろんビール欲も(笑)。大庭先生のレシピは、にらの風味が引き立つようにと、オリーブオイルを使い、味つけは塩、こしょうと極めてシンプルなんですが、のん兵衛の私はよりパンチのある味に仕上げるべく勝手にひと工夫。ごま油の香りと、オイスターソースのこくをプラスして、おつまみ度マシマシの味わいを楽しんでいます。五分もあればでき上がるので、速攻で乾杯! ほろ酔いになれるのが何よりうれしいんですよね、のん兵衛には。あ~、ビール飲みたいっ(笑)!
こちらが編集を担当した『今宵は野菜でほろ酔いおつまみ。』。残念ながらすでに絶版になってしまいましたが、私にとってはとても大事な思い出の一冊です。野菜の個性を知って、上手に生かすコツを覚えておけば、複雑に手をかけなくてもおいしい料理ができることを、佐藤先生、大庭先生に存分に教えていただきました(役得)。
あえものをご飯に混ぜ込んで、半熟目玉焼きをのせたひと皿も結構気に入ってたりして……(笑)。混ぜご飯にするときは、オイスターソースの分量をちょっと多めにしたり、目玉焼きの上からナンプラーやしょうゆをかけて味をプラスしたり……。さらに気ままなアレンジを楽しんでます。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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