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「調理室池田」の夏休み2024。オリンピックイヤーのフランス・パリでの買い付け【よもやま話拡大版】

2024.09.20


買い付けの日は歩き疲れてしまうので、食事は近くのパン屋やスーパーマーケットで買ってきたものをホテルの部屋で簡単にすませて早々に体を休める。それ以外の日はお気に入りのビストロやカフェに足を運ぶ。いつ行っても変わらない、そんな店ばかりだ。たまたまSNSでデイヴィッド・レボヴィッツが宿の近くのカフェをすすめていたので出かけてみた。席に着きメニューを見たがひかれるものはなく、申し訳ない気持ちになりながらも席を立った。その足でいつものLIPPに向かう。

私たちはいつもそのときの気分に忠実に食べたいものを選ぶので私はジャンボン(ハム)を、宏実はステーキフリットを注文した。食事をすませ店の外に出ると歩けないほどの土砂降りになっていた。ギャルソンも軒先でやむ気配のないその雨をじっと見ていた。今日は初めからこんな日だったのだろう。
今回は滞在期間が少しばかり長かったのでいつもの店に加え、以前から気になっていた店をいくつか訪ねてみた。クロックムッシュが食べたくてオベルカンフにあるル・シャルボンに足を運んだ。ル・シャルボンはもちろん、他のどの店も私たちにしっくりきた。宏実は料理を、私は店の調度品や訪れるお客さんをよくよく観察する。帰国したら同じ視点で調理室を観察してみよう。どんな気持ちになるか楽しみだ。
旅の途中、家に置いてきたゆきまる(愛猫)のことをしばしば思い出した。世話を息子に頼んだこともあり、彼はその見返りとしてお土産を期待している。空き時間を見つけ、この春マレ地区にオープンしたばかりのドーバーストリートマーケットに出向いてスウェットシャツを一枚買った。きっと彼に似合うだろう。宏実には旅の思い出にハンドバッグを。そう、2024年私たちは銀婚式を迎えたのだ。
徹夜で荷造りをし、大荷物を抱えてシャルル・ド・ゴールに着き、帰りの飛行機が6時間遅れとなることを知った。原因は航路に停滞している台風、夏によくあることだからしかたない。
そんなときは空港でいちばんおいしそうな店を探してワインを飲んで待とう。デザートにはラデュレのマカロンをひとつ。旅の最後の最後にパリがオリンピックイヤーであることをマカロンで実感するなんて。

話はあちこちに散らかってしまいましたが、肝心の買い付けはしっかりしてきてますのでご安心を。ずっと手もとに置いておきたいものばかり。お披露目はもうすぐ、皆さまどうぞお楽しみに。
調理室池田
調理室池田
2018年12月に川崎市にある中央卸売市場北部市場内に開店。アンティークショップ・アートギャラリーを兼ねた、市場には珍しいスタイルのカフェ。早朝から働く人がコーヒーを片手に手軽に食べられるようにと作った焼き菓子や、ツナメルト、フリットといった市場で仕入れる新鮮な魚介類を使ったランチが人気。
公式HP 公式インスタグラム 

神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1 川崎市中央卸売市場北部市場 関連棟 45 
営業日/月・火・木・金・土曜
営業時間/7:00~13:30
(ラストオーダーは13:00、土曜日のみ14:00)
ランチタイムは 11:45~ 休みは市場に準ずる(原則、水・日曜と祝日) 
※一般のかたの市場への入場は8時から。来店の際は必ず上記HPかインスタグラムを確認してください。

調理室池田 過去の連載はこちら

撮影・文/池田講平 編集/小林

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