ひと昔前と比べ、近年の歯磨き剤は、薬用成分がより局所にとどまる処方になっています。自分の歯のタイプやコンディションに合った薬用成分が配合されている歯磨き剤を使えば、より効果的にケアできます。家族で同じ歯磨き剤を使っている場合は、できるだけ一人1つずつマイ歯磨き剤を用意しましょう。
歯磨き剤は、薬用成分の働きをチェック!
ドラッグストアやスーパーの売り場にはたくさんの歯磨き剤が並んでいます。歯周病予防? 虫歯予防? まずは、気になる成分が配合されているかどうかチェックしてみて。
●虫歯予防
フッ化物。歯の表面のエナメル質の再石灰化を促し、虫歯菌の増殖を防ぐ。加齢や歯周病で歯ぐき下がりが起きている人は、根元虫歯対策として高濃度(1450ppm)に配合されたものがおすすめ。
●殺菌・抗炎症成分
IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、CPC(塩化セチルピリジニウム)、トラネキサム酸など。歯周病の初期段階でもある歯ぐきの炎症を抑える。
●着色対策成分
コーヒーや赤ワインなどの着色汚れを「浮かせて取る」ピロリン酸ナトリウムや、着色しにくくするハイドロキシアパタイトなど。
照山先生によると、歯科の研究が進み、オーラルケアの方法は、この20年でかなり変化しているそうです。まずは、家族それぞれの歯や歯ぐきに合った歯磨き剤を選んではいかがでしょう?
教えてくれたのは……
照山裕子先生
歯科医・歯学博士。東京医科歯科大学非常勤講師。クリニックでの診療のかたわら、臨床で得た豊富な経験をもとに、口腔ケアの伝道師として講演会やメディアへの出演も多数こなす。著書に『“ 食べる力”を落とさない! 新しい「歯」のトリセツ』(日経BP)など。