雑誌や書籍などで活躍し、東京でのアトリエのほか、台湾などでも料理教室を行う料理家のサルボ恭子さん。素材の持ち味を引き出した、優しさのあふれる家庭料理のレシピが大人気です。
サルボさんが仕事場にしているアトリエを訪ね、選び抜かれた食器やツール、食材の収納方法など、キッチンに立つのが楽しくなるヒントを教えていただきました。
どんな道具も使い方は自由!

「これ、じつは友人のお子さんからもらったDJブース用のラックなんです!」
アトリエの各コーナーに置かれた棚は、シンプルな佇まいで収納力抜群も抜群。食器棚ではなく、レコードやターンテーブルを置くために作られたスチールラックと聞いてびっくり!
「
重いものをたくさん置いても大丈夫なスチール製で、業務用食器や、重い『ストウブ』の鋳鉄鍋などを重ねて収納しています。
オープンなので、料理教室の生徒さんたちも何がどこにあるかわかりやすいのもいいんですよね」
棚板は可動式で、最下段は無印良品の収納ケースが整然と収まるように調整しています。
あまりにも使い勝手がよく、色違いの「DJラック」を3台買い足したほど(初代の〈お下がり〉は黒)。
ほどよい高さとシンプルなデザインで、空間を圧迫しない点も優秀です。

キッチンにIKEAのガーデン用キャビネット!?
「私、
道具にルールを決められたくないんです(笑)。使い方は自分で決めたい!
これも、じつは食器棚ではなくて、IKEAでみつけた、ガーデニンググッズをしまう屋外用のキャビネットなんですよ。
こまごまとした外に出しておきたくないものって、キッチンやダイニングにたくさんありますよね。これは、
中が見えない扉がついているので、そういったものを収納するのにぴったり。
奥行きが深くなく、コンパクト感がサブ使いにちょうどいいんです」
調理台の脇におけば、器の一時置きにも最適。空間を邪魔しない色と形も、サルボさんのお気に入りのポイント。防水性に優れている点でも、キッチンでの利用に向いています。
エスプリが効いた、おしゃれな「見せる収納」
料理教室などで大勢集まることの多いサルボさんのアトリエには、大きな器があちらこちらに。料理を盛る器としては、た
まにしか出番がなくても、茶器や小皿などを入れる収納として働いてもらっています。

窓辺で育てている球根栽培のサフランは、北欧のヴィンテージ器、ARABIA製「ヴァレンシア」の器に。
もとは「チュリーン」と呼ばれる、容量3リットルほどのスープ用の大きな器で、ふたはキャンドルをディスプレイするトレーとして使っています。
冷蔵庫の設置スペースは使い勝手と心地よさを優先
一見、海外のキッチンにある超大型の冷蔵庫のようですが、じつは左右、開きの違う2台を並べたもの。
「もともと冷蔵庫を置くスペースとして提案されていた場所は、作業動線として良くなかったので、
動きやすい場所に設置しました」
手前側は広々としているので、
扉をしっかり開けてストレスなく食品の出し入れができます。
アイディアが広がる、使い方が決まっていない器
サルボさんに、一番のお気に入りの器を見せていただきました。......器?と、取材スタッフ一同、見たことのない形に興味津津!

「これは、蚤の市などでみつけた『台』で、もっとたくさん持っています。なぜか惹かれるところがあって、旅先で出会うと、つい集めてしまうんです。用途が決まっている商品として置いてあったのではなく、売ってもらった、なんでもないもの。
お菓子を盛ったり、急須の台座にしたりと、
使い方が決まっていないところがいいですね」
鍵を置いたり、キャンドルを載せたりと、トレーのような使い方にすることも。

大きさも装飾も色もまちまちで想像力をかき立ててくれる、サルボさんの愛すべき相棒たちです。
目にするものすべてが「これは何だろう!」とワクワクするような、サルボさんのキッチン。次回は、プロならではの知恵が詰まった、さらなる収納術を見せていただきます。
サルボ恭子さん

料理家。フランス語教室を主宰する夫とシェアをするアトリエで料理教室やイベントを開催するほか、雑誌や書籍、テレビなどで幅広く活躍中。『ストウブでフランス家庭料理の極上煮込み』(Gakken)など著書多数。2023年4月、オンラインとリアルを融合させた待望のサロンをスタート予定。サルボさんのInstagramを要チェック!
@kyokosalbot【関連記事】
料理家・飛田和緒さんの真似したくなる食器棚を徹底拝見!【収納ワザに器選びのコツも】あらゆる引き出しを全公開!人気料理家・飛田和緒さんのキッチン収納拝見【愛用道具と間取りも】