長野県在住のエッセイスト・桒原さやかさんと北欧スウェーデン出身の夫・オリバーさん。北欧で暮らして感じたことをヒントにした、華やかで素敵なご自宅の工夫を覗いてみました。
教えてくれたのは……
桒原(くわばら)さやかさんライター・エッセイスト。松本市で、築40年の中古物件を自分たちでリフォームしながら住んでいます。日常で感じたことを中心に書きます。著書に「北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし」。3歳と1歳のママ。好物はシュークリーム。
●北欧の家の玄関収納は、動線がよくて使いやすいので、日本流とミックスしています
「北欧は日本と同じで、玄関で靴を脱ぐのが一般的です。アメリカ映画などで、靴をはいたままソファでくつろいでいる様子を見ると、僕たちも違和感を持ちますよ」とオリバーさん。じつは北欧と日本には共通点も多いのだといいます。
北欧では、靴だけでなく、
コートも玄関で脱ぎ、バッグとともに、そのまま玄関に収納することが多いのだそう。玄関にコートが収納できれば、わざわざクローゼットまでコートを片づけに行く必要がなく、たしかに便利です。
「
靴を脱いでコートをかけるという動線が便利で、北欧に住んでからは、玄関に収納できるのっていいなと思うように。だからわが家もそうしたくて」とさやかさん。松本に家を購入してやっと念願の玄関収納をDIYで実現。収納という実用スペースではありますが、ちょっとわくわくするような玄関が完成しました。
●靴箱を撤去し、壁にフックを取り付けています
「玄関に扉つきの収納クローゼットがあるというより、
壁にフックを取り付けるか、置くタイプのコートハンガーを利用している家が北欧でも多かったです」。ぱっと手にとれるし、もとに戻せる。使い勝手もよさそうです。
ガラガラッと引き戸を開けると、この壁が登場。和と北欧を折衷したところが、2人の家らしさです。下の段は子どもでも手が届くので、娘の春ちゃんも自分で準備&片づけができます)。アクセントとして、この壁だけブルーグレーにペイント。シックな色の壁のおかげで、物が多くてもごちゃごちゃに見えません。「以前はお客さまのコートをかける場所がなくて、床やベッドに置いてもらっていましたが、もう大丈夫」(オリバーさん)。
●スムーズにかけられるよう、たくさんのフックを取り付けています
縦に木の枝のように取り付けたフックはイケアのもの。2本連ねるアイディアは、イケアのサイトで見かけたそう。他のフックはアマゾンで購入。
たくさんのフックがあるおかげで、一つのフックにたくさんひっかける必要がなく、かけるのも手にとるのも便利です。「雪などでコートがぬれていることが多いから、北欧では玄関でコートを脱ぎ、そのまま、そこにひっかけるようになったのかもしれませんね」とオリバーさん。
●玄関にマットを敷いて靴箱代わりにしています
一方、
コートをかけるスペースをとるために靴箱は撤去しました。よくはく靴だけ玄関に置くスタイルにし、その他の靴は室内の押し入れに収納。これも北欧の家でよく採用されている方法だそう。
「たたきがあって、靴を脱ぐところがはっきりしているのは、日本の家のよさだと思います」とさやかさん。たたきのある日本の玄関に、北欧風の壁収納。日本と北欧、双方のいいところをかけ合わせた場所になりました。
たたきに玉石が埋め込まれ、でこぼこしていたので、モルタルを塗ってからPタイルを敷き詰めました。
靴箱を撤去した代わりにマットを一枚敷き、靴置き場にしています。出しっぱなしでもマット一つで片づいて見えるから不思議です。「よくはく靴以外は押し入れに収納。でもしまった靴をあまりはかなくなるデメリットはありますね(笑)」とさやかさん。北欧流と日本流、長所短所はありますが、今のところは、この方法に落ち着いています。
実に合理的、かつそれぞれの国の伝統をベースにした収納スタイル。まずは玄関にひっかける収納から取り入れてみては?
(
『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』より)
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