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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.130】『グロリア 永遠の青春』

2021.11.26

こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。リメイクものはオリジナルを越えられない気がしてつい敬遠してしまうのですが……今作はどうリメイクされるのかかなり気になっていました。というのも、珍しいことに同じ監督さんによるリメイクなんです。オリジナルはチリ映画ですが、アメリカが誇る大女優ジュリアン・ムーアがほれ込み、監督にアメリカ版のリメイクを熱望したのだそう。年を重ねても、なお力強く愛を求める大人の青春ストーリーは、普遍的でありながら国の違いも感じられ、なかなかに興味深いのです。


オリジナルの『グロリアの青春』は6~7年前の公開だったと思いますが、当時見てすごく印象に残っていました。というのも、主人公のグロリアを演じる女優さんのインパクトが強烈だったんですよねえ。激しいキャラクターと見た目がすごく合っていて。今回、大まかなストーリーやセリフをほとんど変えていないそうです。
ダンスホールに夜な夜な繰り出すグロリア(ジュリアン・ムーア)は、10年以上前にバツイチとなったアラフィフ(50代?)の女性。2人の子どもは巣立ち、金銭的にも余裕があり自由な生活を謳歌しています。ある日ダンスホールで出会ったアーノルド(ジョン・タトゥーロ)もグロリアと同じく離婚を経験しており、意気投合した二人は交際することに。知的で紳士的な彼ですが、前妻と娘からたびたび連絡があり、そのことにグロリアはどうしても慣れることができません。違和感の積み重ねは、やがて二人の関係にも影響を及ぼしていきます。


オリジナルのグロリアがかなり印象的だったので、ジュリアン・ムーアさんが演じるとどうなるんだろう?と思っていましたが、やはり彼女自身の雰囲気が影響して少し上品なグロリアに仕上がっていました。だからこそ、一人で運転するときは大声で歌ったり、煮え切らないアーノルドに対して驚きのアクションを起こしたり(このシーンだけでも見る価値アリ)、ちょっとタカが外れたときのギャップが強調されているような気がします。
グロリアと、彼女の母と、そして娘。3世代の状況や会話にも注目です。というのも、女性が社会の中でどう生きるか、時代による変化をこの映画では感じます。外で働くことが一般的になり、でも家庭での主婦という役割も求められる、一番大変な時代をグロリアは生きてきたのかもしれません。一見すると一組の男女の恋を巡るストーリーなのですが、少し視点を変えると色々な発見があることに気が付きます。


元妻や娘たちに翻弄されるアーノルド、息子の誕生日パーティで昔をやたらと懐かしがるグロリアの元夫。その息子も、妻が単身赴任?のようで、何だか後ろ向き。先へ先へと進む女性陣のたくましさが目立ちます。アーノルドは離婚して間もないらしいし、それに対してぐいぐい攻め過ぎなグロリアもどうなんだろうと思っちゃいましたが……。きれいなだけではない生々しさは、年齢を重ねたオトナ世代ほど共感できると思います。これ、日本でリメイクしたらどうなるんだろう……そんな妄想をしながら楽しむのもおススメです。

『グロリア 永遠の青春』12.3(金)よりkino cinéma横浜みなとみらい他全国順次公開
配給:キノシネマ
©2018 GLORIA FILM DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

文/編集部・小松正和

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