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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.129】『COME & GO カム・アンド・ゴー』

2021.11.19

こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。中華に台湾、韓国にベトナム。料理の話なら僕たち日本人にとってすごく身近な存在ですが、その国の人たちとなると、あまり知らないというかたも多いのではないでしょうか。コロナ禍で外国人観光客は減りましたが、その前から日本に暮らしている外国のかたって、じつはたくさんいるんですよね。その象徴ともいえる街・大阪を舞台にした今作。都会で生きる人たちにスポットを当てた群像劇は、切なく、でもどこかおかしく、出てくる人みんなが愛おしい気持ちになる作品です。


それはたった3日間の出来事。大阪のとあるアパートで白骨化した老人の死体が見つかり、やがて事件の真相が明るみになるまで。通称〈キタ〉と呼ばれる梅田区北に住む外国人たち、そして日本人たちの日常が、物騒な事件とは別のところで繰り広げられていきます。外国人たちを演じるのは、アジア各国を代表する俳優陣。印刷所で働くベトナム人・ナム役のリエン・ビン・ファットさんは、主演作を見たことがあり知っていました。とても素敵な俳優さんなので、「工場主にいいように使われる技術研修生」という役に最初違和感が(笑)。でも、つたない日本語で日本人の雇い主に抗議するシーンが妙にリアルなんですよね。他にも、授業料を払えずに困っているミャンマーの留学生、AVオタクで時おり大阪に買い物ツアーに来る台湾人、カフェで働きながら難民申請をするネパールの男性etc. 異国人である彼ら、彼女らの目を通して見る日本は、見慣れているのにどこか別の場所のように感じられます。


学生、労働者、難民。いろいろな理由で増えつづける外国の人たちに対し、なかなか理解が進まないニッポン。そういったこの国の現状への厳しい視線はあるものの、どこか大らかな雰囲気がこの映画には漂っています。シリアスな中にも、くすっと笑えるシーンがところどころにあるんですよね。
外国人だけが苦い思いをしているかというとそうでもなくて、日本人なのに日本でうまく生きられない人たちもたくさん登場します。暇を持て余してボランティアで日本語教師をする女性とか、孤独をまぎらわすために「おっさんレンタル」の活動をしているおじさんとか。渡辺真起子さんや桂雀々さん、兎丸愛美さんたちがとってもいい味を出してるんです。外国人も日本人も、みんな人間くさくて、そこがいい。


異国で味わう疎外感と、自国で味わう孤独感。どこか不器用な人たちが同じ空の下ですれ違い、皆が自分のことで精いっぱいで、互いに気付かぬまま去って行きます。ほんの少しだけ他人に関心を持つだけで、すれ違いは出会いに変わるのかもしれない。そんな風に感じる映画でした。

COME & GO カム・アンド・ゴー』11月19日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開
配給:リアリーライクフィルムズ + cinema drifters
©Acinema drifters

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

文/編集部・小松正和

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