こどもからの
「なんで? どうして?」という問いかけの嵐。子育て中や子育てに関わってきたかたはみな経験しているはず。無邪気な質問を投げかけられて、とっさに答えられず困ってしまうこともあるでしょう。その筆頭が
「わたし(ぼく)はどうやって生まれてきたの?」系の話なのでは。
「いきなりの質問で答えに詰まってしまったときは、その場で無理に答えようとしなくていいんです」そう教えてくれたのは、
アクロストンのお二人。小学生2人のお子さんを育てる、医師同士のご夫婦で、全国各地で性教育を広げる活動を行っています。
「たとえば『日曜日の夜に話そうね』など
期限を決めて、話をする時間を少し先延ばししてもいいんです。約束した日までに、親がしっかり知識を身につけて準備しましょう。
重要なのは、約束を守ること。自分の疑問について親がいっしょに考えてくれるんだ、と
こどもに安心感を与えるんですよ」(アクロストン)
そして、
ゆっくりていねいに科学的な事実を教えるのがいいのだそう。たとえば
「ママとパパが持つ『赤ちゃんのもと』が出会ったからだよ」というように。
精子と卵子が出会い受精卵になって赤ちゃんができるという事実を、「赤ちゃんのもと」というやさしい言葉を使って説明すると伝えやすくなりますね。
避けたいのは、「コウノトリが赤ちゃんを運んでくるんだよ」など、とっさにごまかしてしまうこと。「うわーしまった!」と思い当たる人もいるかもしれません……。でも、大丈夫。「あの話は間違いだったの、ごめんね」と訂正して科学的事実を伝えればOKだそう。
親も間違えることがあるという姿を見せるのはとてもいいこと。親が真剣に考えている、というメッセージにもなります。
「性の話は3歳からでも早くない」と語るアクロストンのお2人からうかがったお話の中でとくに印象的だったのが、以下の2点。
・
こどもの気づきを見逃さないこと。(こどもから質問が出たときがチャンス)
・
科学的に伝えること。(理解できないかも、と決めつけない)
これらを頭の片隅においておけば、こどもから性に関する疑問を投げかけられても、あわてることはなさそうですね。
体や性に関する疑問に親がきちんと答えてくれるということで、こどもは体への興味がわき、理解が深まっていく、とのこと。それはやがて
自分や他人の体を大切にする気持ちにもつながっていくはず。この気持ちは年齢に関係なく、だれでも、いつでも、持っていたいものですね。
(
『楽しく食べれば、生きるチカラが身につく! こどもオレンジページ No.3』より)