私、〈エクオール〉ちゃんと作れてる?「京セラ エクオール測定&大豆レシピ特別体験会」レポ

右上から時計回りに:「厚揚げとキムチの豆乳煮」、「大豆ときのこのミートソース」であえたペンネ、ミートソースとチーズをかけて焼いた厚揚げ。

みなさん「エクオール」という成分をご存じですか? 

エクオールとは人の体内でできるもので
①「エストロゲン(※1)様作用」ー更年期症状の緩和、美肌効果、骨粗しょう症予防効果など
②「抗エストロゲン作用」ー過剰なエストロゲン分泌による疾病の抑止など
③「抗アンドロゲン(男性ホルモン)作用」ー男性の前立腺肥大、脱毛予防
④「抗酸化作用」-生活習慣病予防
という4つの健康効果が期待されている、まさに人生100年時代の今、健康寿命の延伸に大切な役割を果たすものなのです。

(※1)エストロゲンー女性の卵巣から分泌される女性ホルモンの一種。女性の成長や美肌、生殖機能、骨、血管の健康を保つことに深く関わる。

エクオールは、大豆や大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」が腸内細菌によって代謝されることで産生されますが、腸内環境によって「つくれている人」「つくれていない人」に分かれるのです。

「私、エクオールがつくれている? いない?」
「大豆製品ってどれをどのくらい食べればいいの?」

そんな疑問にしっかり答えるイベント、「京セラ エクオール測定会&大豆レシピ特別体験会」が新大久保「K,D,,C,,,(キムチ、ドリアン、カルダモン)」で3月1日(土)に開催されました。

まずは、京セラ株式会社の西中紗也香さんによる、京セラの事業紹介からスタート。

京セラ株式会社はファインセラミックスの専門メーカーとして創業。現在は身近な製品から宇宙関連まで幅広い事業を展開する、世界中に7万9千人以上の従業員を抱えるグローバル企業です。会場の皆さんも「知っているようで知らなかった」京セラの説明に興味津々。

STEP1:「エクオール測定」で自分の“今”を知る!

その京セラが現在、新事業のひとつとして事業検証を行っているのが、エクオール測定です。「一人ひとりのヘルスケア・サイクルを回すお手伝い」のコンセプトのもと、電子部品技術のSAW(Surface Acoustic Wave)技術を応用したバイオセンサを活用して「いつでも・誰でも・どこでもエクオールを測定」できる小型で簡易な生体マーカー即時検査装置が誕生しました。

つまり、専門の技術者がいなくても簡単に測定できる、誰でも使えるすごい測定器!

約7分で測定ができるので、これさえあればどの企業や自治体でもエクオール測定が可能です。

幅13.1cm×奥行14.6cm×高さ15.3cmのコンパクトな測定器と、測定キット(左)。

参加者は、受付で持参した検体(尿)を提出。そわそわ、ワクワクしながら測定結果を待つ間、エクオールと大豆、大豆製品のお話に耳を傾けます。

知っているようで知らない大豆のクイズに、会場の一体感が高まってきました。

そして、いよいよ測定結果の配布です!

結果に一同騒然! 今回参加の25名のうち、エクオールが現在つくれていたかたは9名でした。

エクオール測定結果は5つのレベルで表示され、レベル1と2は「つくれていない」ことに。でも、西中さんによれば、たとえ今日は「つくれていない」という結果が出ても、大豆製品を毎日摂取したり、生活習慣を変えることで「つくれている」状態に変化する可能性があるとのことです。

対策は何といっても腸内環境を整えることと大豆製品を頻度高く食生活に摂り入れること!
大豆イソフラボンは一度にたくさん食べるよりも、毎日摂取することが大事。言い換えれば、毎日コツコツ大豆を摂ることと、腸内環境を整えることで、エクオール産生能力は改善する可能性があります、という西中さんの言葉にみんなひと安心。
そして、西中さんご自身も最初はレベル1だったのが、日々豆乳や納豆を意識して生活の中に摂り入れ、腸内環境を整えるような生活習慣を心がけた結果、数か月後にはレベルに変化が見られたなど、ご自身の体験も披露、参加者は大きく力づけられたのです。ただし腸内環境の変化には一定の時間がかかるので根気よく続けることが大切ですね。

エクオール測定は、日々の食事で健康になることの大切さをあらためて実感するきっかけとなった素晴らしい体験でした。

STEP2:おいしく健康に! 大豆製品レシピ料理デモ

料理研究家・牧野直子さん。腸活、大豆製品を食べることの効果についてわかりやすく解説してくださいました。

さあ、では私たちは大豆製品をどのくらい、どうやって食べればよいのでしょうか?

ここで料理研究家で管理栄養士の牧野直子さんの登場です。牧野先生はおいしくて簡単に栄養バランスの良い食事ができるレシピに定評があり、雑誌やテレビなどの媒体で大人気の方。

牧野さんは『腸活で元気!』というタイトルで、免疫機能の中心である「腸」のケアの大切さ、大豆製品と大豆イソフラボンについてわかりやすく解説。
大豆製品には、更年期症状の緩和に役立つ大豆イソフラボンが含まれ、特に女性におすすめであること、植物性たんぱく質や食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンB群など様々な栄養素を含み、コレステロールは含まないことなど、紹介してくださいました。

中央上から時計回りに:厚揚げに「大豆ときのこのミートソース」とチーズをかけて焼いたもの、「大豆ときのこのミートソース」、「大豆ときのこのミートソースペンネ」、「厚揚げとキムチの豆乳煮」

続いてお待ちかねの料理デモ。
「大豆ときのこのミートソース」と「厚揚げとキムチの豆乳煮」の2品を実演。
蒸し大豆の半量を刻んで挽肉量の少なさを補うアイデアや、厚揚げと豆乳を組み合わせて大豆イソフラボンの摂取量を増やす工夫が紹介されました。また、食物繊維摂取のためにえのきやしめじなどのきのこ類、腸内環境改善のための発酵食品(キムチ、甘酒)の活用法など、知っているようで知らなかった、そしてすぐに実践できる知識がたくさん披露されました。

今回の料理デモで牧野先生が使用したのは京セラ「セラブリッドフライパン」(IH/ガス火対応)。人体や環境に悪影響を及ぼすおそれのある化学物質※を一切含まない 安心・安全のセラミック加工で、耐久性も抜群。熱伝導率もよくへらを使ってもコーティングが傷つきにくいフライパンです。淡い色のフライパンは食材の色がおいしそうに見えるのも、調理時間の気分が上がるな、と感じました。
※化学物質=PTFE/PFOA・鉛・カドミウム 

デモの後は試食タイム。大豆のミートソースも厚揚げの豆乳煮も、すぐに帰って作りたくなるおいしさ!

会場からはたくさんの質問が牧野先生、京セラの西中さんに寄せられました。

Q:食物繊維の摂取目標量はどのくらいですか?

牧野先生:WHOの指標などを踏まえ、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の推奨摂取量は1日あたり25グラム以上とされていますが現状の摂取量を鑑みて2025年の摂取基準では成人女性(30~74歳)で18g以上、男性(30~64歳)22g以上の摂取が推奨されています。特に30代以下の若年層で摂取量が不足している傾向があります(※2)
(※2)出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」より

Q:大豆イソフラボンはどのくらい食べればよいのですか?

西中さん:一度にたくさん食べるより、とにかく頻度が大切です。蒸し大豆、豆腐、納豆、豆乳、きなこなどなど、大豆製品はいろいろあるので、1日1回は大豆製品を食べる習慣を持つことがおススメです。一日最大75mgと言われているのでまずは一日40mg-45mgを目標に生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

Q:豆乳が苦手ですが、どうやったらおいしく飲めますか?

牧野先生:豆乳の風味が苦手、という方は多いと思います。チョコレート味など、味のついた豆乳を製氷皿に入れてアイスキューブにしたり、バナナや蜂蜜と一緒にスムージーにするなど工夫すればおいしくいただけます。

さらには「もっと気軽に、どこでもエクオール測定ができるようになってほしいです!」という強いご希望も。
現在、京セラは広島県内のマイライフ株式会社直営のオール薬局で、有償で顧客のエクオール即時測定サービスを実証実験中ということですが、たしかに大豆製品を食べる習慣をつけてしばらくたったら、もう一度測定したくなりますよね。まず測定―これが食習慣の自発的、積極的改善につながるのなら、その後の健康にポジティブな影響があるはずです。

たくさんの質問と要望が寄せられ、打てば響くようなお二人の対応で会場は大盛り上がり! 笑顔いっぱいのエンディングとなりました。

自分のエクオール産生の現状を知ることで、これから食生活をどう改善すべきかわかった……このイベントの90分間は参加者のヘルスケア意識を変える大きなきっかけとなりました。

料理/牧野直子 撮影/原幹和 文/編集部 前田・今田